優勝は、ご存じのとおり青山学院。
シード権争いがドラマだった。
東海大学の吉冨君は、8位でタスキを受け取ったのが
不運でしたな。
いや~なプレッシャーが一番、のしかかりそうな位置だからである。
これが11番目だと
「よっしゃー。俺が一人抜いたろ。シード権獲得じゃ」
と、気合が入るし
10番目だと
「死んでも誰にも抜かれるものか」
と、火事場のバカ力じゃないが、やはり気合が入る。
この8番目というのが微妙でして
抜かれちゃいけないけど、一人もしくは二人ぐらいならまだいい。
攻め一辺倒の姿勢でよいのか
あえて一人ぐらいは抜かせても
前半は抑え気味にして10以内の確保に照準を合わせればよいのか
どっちつかずの気持ちになる。
直前まで迷う。
そして迷いの中でプレッシャーを感じながら
彼はスタートした。
スポーツは心理だなとつくづく思う。
焦れば焦るほどにのびのびとした腕振りは影を潜め
腕を振れないということは、歩幅も伸びない。
「俺は箱根駅伝を走った。しかもアンカーだったんだぜ」
と、将来、自分の子どもに、あるいは教師になった場合、生徒たちに
大いなる自慢話になるのがふつうだろうけれども
彼はどうなんだろう。
心配ではあるが、こういう考え方もできるのではないだろうか。
すなわち
この唯一無二の挫折の経験を語り継ぐことのできる
特典を手に入れた
と。
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