送電鉄塔の見える場所

稜線の向こうに消えてゆく鉄塔の列はどこへ続いているんだろう

苓北火力線 205-203号

2010-11-15 06:10:24 | 苓北火力線
現206号には先へ続く道はなかった。旧206号からの道は途中で崩れているようだった。205号へはどこから入ればいいだろう。
航空写真では一番見込みがありそうに見えた南斜面。鉄塔近くの砂防堤まで車道がある。でも標柱が全然ないなぁ。

      
                 旧206号から見る205号                         ΣΣ(゜Д゜;) !!
    
砂防堤からは205号が間近に見える。でも道がない。周囲を見回しているうちに乾いた泥に点々と残る足跡に気付いた。
マンガでよく見るブタの足型。げ。・・・戻ろう。ここは違うみたいだし。
その時、上の斜面から何かが飛び出しあっという間に反対の薮へ走り去っていった。中型犬くらいの黒っぽいずんぐりした体型、
ちょろんとした尻尾。でたぁー !!
心臓ばくばく、足がすくんで動けない。必死で耳を澄ますけどそれっきり「何か」の気配は消えてしまった。
最近イノシシがよく出るとは聞いてた。そこらじゅうに電気柵もある。でもまだ明るいのに。車外に出ている時に出会うのは、それも
自分と車の間を横切られるのは願い下げだ。こっちが向こうのテリトリーに入り込んだんじゃあるけど。
日を改めて北側から巡視路を探す。結局見つけられなくて203号から戻ってくることにした。というわけでいつもとは紹介する順番が
逆なのですw

              
                           203号の碍子連は39個の2連耐張。

203号への巡視路入口は町道沿いの比較的分かりやすい位置にある。あまり手入れのよくない竹林や杉林の斜面を登るいつもの
パターン。小さな尾根の上に敷地が開いてあった。結界中心に立つ。木の繁った結界にてこずった後だから草地なのがうれしい。

 
    203号(手前)と204号(奥)                                          老番側から見た203号

ここは電線路がまっすぐで前後の鉄塔に向かうカテナリー曲線がすっきり見渡せた。3本の架空地線、かっこいいよなぁ~。
A脚の横にはIGW(絶縁架空地線)設置の表示がある。この掲示ももうお馴染みだ。204号の航空障害灯も静電誘導式なんだな。
ではその紅白の204号へ参りましょうか。

  
     竹林を通り抜けていく。      木の下に一応標柱はあるけれど。        雑草もこの程度なら問題なし。

いったん沢へ降りて次の尾根へ登り返すコース。谷底に分かれ道があった。別の入口に続いてる?ちょっと行ってみると標柱が
立っていた。でも木の枝が覆い被さってて向こう側からは見えづらいし農道からの分岐点には雑草の壁が立ち塞がっている。
これじゃ見つからんわ。いったいどこだよ、ここ。草の壁の反対側に回るとなんだか見覚えのある場所だ。「ブラックバスは入って
おりません」の立看板に笑った野池の奥だった。
巡視路に戻って先を続ける。登りの山道は結構いい感じでどんどん行けた。晴れたり曇ったりの午後は暑くもなし寒くもなし。

     

やや草ぼうぼうだけど爽やかに風の通る結界で紅白鉄塔とその上を流れる雲を堪能する。
航空障害灯を近くで見てみたいなぁ。静電誘導式だと箱型の装置が載ってない。配電線から電源を取るタイプのと他にはどういう
違いがあるんだろう。

205号へは尾根伝いだから楽だろうと思いきや目的地に近付くにつれて周りがモサモサしてきた。道が塞がりかけてるこの場所は
イノシシが出た所の上じゃないか。もはや巡視路だか獣道だか判然としないルートを押し通ってひたすら前進。なんも出るなよ~。

 

鉄塔の敷地にたどり付いてもやっぱりモサモサw しかも例の足跡。おまけにウンコ。なんだかなぁ・・・

 

ここは見晴らしがいい。足元も悪くない。新旧の206号をゆっくり眺めていたかったけど、どうにも背後が気になってしょうがない。
陽の高いうちに山から出た方がいいだろう。

          

薮になりかかってる所を過ぎてしまえば後はちゃんとした巡視路。ハイペースで戻れる。もう一度204号に挨拶してどんどん下る。
そろそろ谷底という地点で行き止まりになった。あれー、どこかで間違えた?まあいいや。数m薮漕ぎすれば林の外に出られそう。
強行突破して出て来たのは看板のある野池の横だった。電気柵がなくてよかった~。…これってイノシシ道を来てしまったんかな。
今さら203号を経由する山道へ入る気もしなくて、少し遠回りだけど舗装道路を歩いて車まで戻ったのでした。

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4 コメント

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調査ご協力のお願い (長井)
2010-12-02 06:11:21
失礼いたします。現在大学院生をしている長井という者です.ブログを興味深く拝見させていただきました。この度はお願いがあり、ご連絡させていただきました。私ごとで恐縮ではございますが、私は現在、工場など無機質な景観に魅力を感じる人々と,場所や環境との関わりはどのようなものかをテーマに修士論文を作成しており、その為のアンケート調査を行っております。そこで,誠に勝手なお願いではございますが,アンケートにご協力いただけませんでしょうか。
アンケートは下記アドレスのリンクからご回答くださいますようお願い申しあげます。なお,勝手ながらアンケートは12月10日の締め切りとさせて頂いております。また,このアンケートはHP,ブログの開設者さまと,SNSコミュニティの参加者様を対象として行っており,おひとりの方に重複してお願いの文書が届くことが考えられます。大変失礼かと存じますが,ご了承頂きますようお願い申し上げます。
このような内容でコメントを書き込み,誠に申し訳ございません。お忙しい中大変恐縮ではございますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。
アンケートURL:https://spreadsheets0.google.com/viewform?formkey=dEc1VWVqUE5yZTNKWEJjelpKeE5IaXc6MQ

なお,私の出自に関しまして,よろしければ記載の大学HPをご覧ください.コメント欄ということで所属等の明記を控えさせていただいております.失礼をお許しください.
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いらっしゃいませ (たぬ猫)
2010-12-02 09:03:21
こちらも失礼ながら確認させていただいたところ、真面目なご研究をなさっておられる方とお見受け致しましたのでアンケートの回答をお送りさせていただきました。お役に立てると幸いです。
自分が鉄塔や変電所に魅力を感じるようになったのは確かに育った場所の影響かもしれません。近ごろ戦艦大和や潜水艦で町おこしを図っている広島県呉市の生まれです。
自宅は山を切り開いて作った新興住宅地だったので里山や田んぼで遊びまわっていた一方、炎を吹き出す製鉄所の煙突や造船所の巨大クレーン、立ち並ぶ赤レンガ造りの倉庫なんかが身近な存在でもありました。
さすがに高射砲台跡だの防空壕だのはもう無くなってしまったかなぁ。思い出すと懐かしいです。
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九州一 (電工)
2011-08-23 19:22:34
苓北火力線の鉄塔の中に、九州で一番高い鉄塔が存在しますよ。
№117と№118で、高さが198m 一番最上点の上に立つと約200です。鉄塔の敷地まで、車でいけます。
それと、巡視路のルートは、鉄塔の位置や地主さんとの関係によって、鉄塔間に無い場合もあります。現場では、鉄塔間に巡視路が無い所のことを「行って来い」鉄塔の敷地の傍まで車の行ける所は、「直搬」車の在る位置から鉄塔間の巡視路を歩いて行くことを「通し」と言ってました。鉄塔に行かれた時に巡視路が不明な時は、来た巡視路を帰られた方が、懸命です。気を付けて、鉄塔巡りを楽しんでください。
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ありがとうございます (たぬ猫)
2011-08-23 22:09:36
九州一の鉄塔って松島と維和の分ですね!しばらく上天草に住んでいたので、遠くからは何度か眺めたことがあります。当時はまだ鉄塔マニアでこそありませんでしたが、海を越えて大きな鉄塔が並んでいる風景が好きでした。苓北火力線を見ていこうと決意したのは、あの光景が心にあったからです。間近で見られる日を楽しみに1基づつクリアしていくつもりです。

現場の方は鉄塔までのアプローチをそんな風に呼んでらっしゃるんですか。実はうちの持ち山にも鉄塔が建っています。本来は若番側からも老番側からも歩いて行けたはずなのに、今は片方が土砂に埋まって「行って来い」になってしまってます。いつからそうだったのかも分からなくて申し訳ないです・・・。

送電線の建設も保守も大変なお仕事ですよね。私には応援することしかできませんけど、これからもよろしくお願いします。
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