送電鉄塔の見える場所

稜線の向こうに消えてゆく鉄塔の列はどこへ続いているんだろう

補足:九州電力の「一般的な鉄塔」

2010-02-28 16:01:32 | 雑記
鉄塔自体の構造ではなくて、機能には関係しない付属物などについて。
こういう枝葉の部分は各電力会社でまちまちなのでちょこっと書いておきます。

     

四角鉄塔を上から見るとこうですよね。碍子や架空地線はややこしくなるので省略しました。
この基本形に取り付けてある表示類とその位置は下記のようになっています。


    鉄塔番号札
      普通はB脚。例外としてD脚にある場合、C脚に「これはC脚です」の注意書きが入ります。
      路線ごとに番号が振られるので併架だと1本の鉄塔に複数の札が付いています。
      記載されているのは路線名・鉄塔番号・建設年月。併架の場合は右肩に「併」の文字。

    回線表示札
      「1」がA脚、「2」がB脚ですが逆になっている例もあるのは前回の記事の通り。
      もうひとつ、鉄塔番号札がD脚の場合は回線配置が基本形でも「1」がD脚、「2」がC脚に付きます。

    回線確認板
      併架鉄塔のA脚。脚の表面に付ける小さいのと横に張り出す大きいのとがあります。

    塗装に関する表示
      B脚の内側ですが無いことも多い。

    ヘリ巡視用鉄塔番号札
      下1桁が0と5の鉄塔に付きます。
      架空地線用腕金の間の水平材の若番側と老番側両方。
       
    危険注意看板「のぼるな」
      鋼管鉄塔では脚部、山形鋼鉄塔では一番下の水平の補助材。

    危険注意看板「さくの中にはいってはいけない!!」
      もちろん柵があるときのみ、その四方。柵そのものがないことが多いんですけど。


他には鉄塔の腹に垂れ幕というか文字があったりしますよね。
あれも文面のバリエーションが楽しいのでいつかまとめて紹介するつもりです。



     




南熊本宇土線で南熊本イオンモール宇城バリュー線、だけど

2010-02-14 16:15:14 | 気になる鉄塔
前々回の続き。
南熊本宇土線19号の腕金をもう一度見てきた。

                  

画像の上が若番側。右腕は部材が多いし補強までしてあって左腕よりずいぶん重そうだ。
送電線の走る向きがそれほど変わっていくところでもないのにどうして違えてあるんだろう。
よく見るとジャンパ線中央の長幹碍子(LP碍子かも。どう見分けたらいいんでしょう? )には右側のにだけツノが生えている。
画像では判り難いけど上下に2個連結した細長い碍子のそれぞれにアークホーンに似た金具が十字に取り付けてある。
こんなあっちもこっちもアシンメトリーな設計にしてあるのはやはり18号のせい?
18号との径間が約100mと普通より短いのも意味ありげだ。


         

問題の18号鉄塔。4回線でやって来た送電線がここで分岐している。
手前に延びてきているのが南熊本宇土線。右へ竹薮を越えていくのが南熊本イオンモール宇城バリュー線。
名前なげーよw 行き先はめっちゃ判り易いけどww
碍子数はどちらも1列8個×2列、ということはイオンモール行きも同じ110kVだな。
この18号、腕の数が多いしジャンパ線を大回りさせるため碍子もたくさんだし、これまでの鉄塔より中身が詰まっている感じ。

   
  結界に立つと「詰まっている」感さらにアップw                       結界の中心。下は中央部分の拡大。


しかしこの鉄塔(というかこれより若番の鉄塔)の最大の不思議はこっちだろう。

   
           B脚のプレート                                 A脚のプレート

回線表示札が変。上の路線と下の路線で回線の配置が反対だ。
まだ記事にしてない他路線も見た範囲で分かってきた限りではA脚側に1L、B脚側に2Lというのが普通なのだ。
南熊本宇土線は逆になっている。
いままでに見た他の併架鉄塔では上下とも同じ回線配置だったし、宇土線が1972年設置、宇城バリュー線が1997年設置で
宇土線の方が古いので「併架だから」という理由でこうなっている訳ではない。
宇土変電所まで行けばその理由が分かるんだろうか。

ご愛嬌なのが鉄塔番号札の宇城バリュー線の名前がシールで訂正されていることw 以前はダイヤモンドシティ線だったようだ。
そうそう、2年くらい前だったか店舗の名称変更があったから、それで路線名も変わったんだな。
大切な大口顧客様なんだから「旧店名でもいいだろ」って訳にはいかないよなぁ。
でも回線表示札と黄色い注意札の訂正にまでは手が回らなかったらしい。
路線の鉄塔全基に訂正シール貼った巡視員の方、お疲れ様でした。