ギリギリ探偵白書・283

 ギリギリ探偵白書
 「87%・第1話」



サザビー 「やっぱり、TIUマグナムの開発に乗り出すべきだな」

田中   「必要ないでしょう。危険ですよ」

サザビー 「大丈夫だよ、人には向けないから・・・」

田中   「それじゃ、意味ないでしょ。それよりシエスタ制の導入を・・・」

わたぼん 「それこそ必要ないですよ」

サザビー 「そうだよ、無駄無駄」

田中   「あんたは、日々、昼寝してるじゃないですかっ!!」

サザビー 「それは俺の専売特許だ!!」

わたぼん 「胸を張るなっ!」

阿部   「あのぉ、これ経営会議なんですけど・・・」

田中   「知ってますよ、だからシエスタを」

サザビー 「いや、TIUマグナムの」

阿部   「君たち、経営会議って意味わかる?」

田中   「わかってますよ!!だから、シエスタを」

阿部   「だれか、こいつをつまみ出せ!!」

 
 わたぼんとチョーさんが田中を両側から挟み、部屋から連れ出した。


田中   「調査員にシエスタを!調査員にシエスタを・・・」

阿部   「永遠にお休みしてろっ」


 ピピピピピーーー。

 備え付けの目覚まし時計がなった。


サザビー 「ターイムア~~ップ!!あべちゃん、面談に急げ♪」

阿部   「くっ、何一つ進まなかった・・・」

サザビー 「後は、俺に任せとけって」

阿部   「・・・とても任せられん」

 (あら、信用ないのね)


 その後の会議は自然消滅の形で終わった。
 会議で決まったことは、これからもがんばろうという事だった。

 
田中   「チっ!僕のシエスタが・・・」

サザビー 「ま、今回は諦めなさい」

田中   「いえ、こうなったら解散総選挙で是非を問います」

 (・・・誰に?)

田中   「シエスタに賛成か?反対か?国民に問うんです」

 (どこの国民に?)

サザビー 「そういえば、おやつの限度額が220円に引き下げられたぞ」

田中   「・・・えっ!?」

サザビー 「痛みを伴わないと、改革はできないよ」

田中   「そ、そ、そんなぁ~。だ、断固反対!!絶対反た~い」

サザビー 「もう決まったことだから」

田中   「自由は無いんですか!?」

阿部   「うるせぇなぁ、外まで筒抜けだぞ」

サザビー 「おう、どうだった?」

阿部   「ああ、一応、調査を・・」

田中   「だだだだ、代表ぅ、どういう事ですかぁあ?」

阿部   「ん、いや、調査やることになったんだけど」

田中   「今、そんな話してる場合じゃないでしょう」

阿部   「え、そうなの?」

田中   「あんたにゃ、人情ってものが無いのか!?」

阿部   「??・・・、お~い、つまみ出せ!」


 わたぼんとチョーさんが田中を両側から挟み、部屋から連れ出した。


田中   「ぼくの楽しみを!ぼくの生き甲斐を・・・」
 

阿部   「何があったの?」

サザビー 「さあ?」

阿部   「まあ、いいか、で調査だけど、明日からね」

サザビー 「あした?・・・うっ、持病のしゃっくりが・・・」

わたぼん 「はいはい」


 調査は、ストーカー調査で、依頼者は都内で一人暮らしをしている女性だった。
 2ヶ月ほど前より、終業時間間際に職場付近での待ち伏せ行為が始まった。

 依頼者は、あるコンビニでアルバイトをしているフリーターであったが
 その待ち伏せ行為が始まったのを機にバイトを変えた。
 しかし、ストーカーは新しいバイト先にも現れるようになった。

 そのため、しばらくバイトに出られなくなり、半分引き篭もりのように
 暮らしていたという。

 すると、今度は、無言電話がかかってくるようになった。



        続く



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