ギリギリ探偵白書・267

 ギリギリ探偵白書
 「ぐうぐう・第2話」


 
 ストーカーに悩まされている女性からの依頼だった。
 部屋の中に盗聴器が仕掛けられているか調査したところ
 盗聴器は発見されなった。
 そして、翌日から尾行者を判明する調査に移った。


 調査は、田中と私で行く事になった。


田中   「サザビーさん・・・」

サザビー 「ん?」

田中   「この辺りはキレイな人が多いですねぇ」

 (だから?)

田中   「おっ!!」

サザビー 「ん、依頼者?」

田中   「いえ、すっごい美人を発見しました」

 (だから?)

田中   「おっ!!」

サザビー 「今度は何だよ?」

田中   「100円拾いました」

サザビー 「何、マジで?んじゃ、ジュース奢ってよ」

田中   「赤字じゃないですか。だいたいサザビーさんの方が年上でしょ」

サザビー 「じゃあ、後輩って事で、お願いしま~す」

田中   「意味わからないすっよ」

 ジュースを飲んでしばらく待っていると携帯電話がなった。 
 
田中   「あと、ちょっとで会社を出るみたいです」

 
 依頼者は10分後に会社の同僚と出てきた。
 駅に向かって歩いている。

田中   「この辺じゃ、判明は無理ですね」

サザビー 「向こうの駅に着いてからだろ」
 
 依頼者は電車通勤である。
 依頼者の降りる駅は、急行の止まらない寂れた駅で
 電車を降りる客も多くなかった。

田中   「この中にいるんですかね?」

サザビー 「さあ、もう張り込んでいるかもよ」

田中   「なるほどぉ、やりますねぇ」

 (何が?)

 結局、その日は尾行者は現れなかった。
 しかし、夜になると無言電話が公衆電話からかかってきたという。
 (非通知は受信拒否に設定していたため) 


 それから、数日の調査で、尾行者が判明した。
 尾行していたのは、会社の同僚で依頼者と同期入社の男だった。

 男を捕まえ、その事を問いただすと
 男は、ただただ謝るばかりだった。

 (そんなに、あべちゃんが恐いのか??)

 怯える男とイラつくあべちゃんを落ち着かせ、ファミレスに入った。


阿部   「ダメだよ、キミ、犯罪者になっちゃうよ」

男    「いや、う、その、あの」

阿部   「なんだよ、はっきりしなさい!!」

男    「す、すいません」

 男の話は、なかなか前には進まなかった。
 あべちゃんが再びキレかかっているのがわかる。

 結局、依頼者と話すチャンスを伺っていただけらしい。
 
阿部   「だったら、ちゃんと話しなさい」

男    「ででで、でも、断られたら」

阿部   「えーい、男だったら当って砕けんかい!!」

男    「ひぃぃぃ、すみません」

阿部   「とにかく、今回の事をキチンと謝罪して・・・」


 あべちゃんの説教は、
 私のお腹がぐぅぐぅ鳴りだした2時間後に終わった。




        完



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