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ちんけなアパート住宅建築への反対論

2012-11-06 23:14:40 | 税金・納税者
2012年11月5日 日経電子版に『 「稼ぐ我が家」で老後に備え 賃貸併設、都市で拡大 相続税対策にも一役 』と言う記事が掲載された。

自宅を新築する際に、一部を賃貸住宅にして家賃収入を得るのとアパートローンを使うことで『負債』を残して相続税を減らすという内容である。

ところで、このブログ記事はかなりの長文になるはずで、隙間もない論理の塊になる筈であった。しかし、私の知性は、そんな論理を組み立てられるほど高くない。よって挫折した。

それで、嫌みを書くことにした。

リンクした日経の記事では、8000万円を超える賃貸兼用自宅を頭金200万円で建てて、残りは30年ローンだと言う。それも、ローンを借りたのはリタイヤした人々である。

あきれた金銭感覚である。もしくは、日本の不動産価値に無知としか言いようがない。 

日本の不動産は、土地はある程度資産価値はあるが、上屋は20年も経つとほぼ無価値になる。 実際、私が借りている『投資用ワンルームマンション』は一部屋六畳ほどだが、売り出し時は2000万円を超えていたのだと言う。築20年の物件である。で、試しに不動産屋に聞いてみたら、今転売すると500万円もしないのだと言う。 この20年ほとんど物価は動いていないから、資産はそのままキャッシュとして出て行ったことになる。では、家賃収入はと言うと、新築のときは知らないが、今は約5万円である。一方、管理費と修繕積立金を合わせて月に1万2千円ほど大家さんは払っているらしい。それに加えて固定資産税と都市計画税がかかる。賃貸に出しているので、私の様に細かい人間が借りると、『トイレの配管は水漏れしている』だの『ポストの鍵が壊れている』だのクレームを出す。その度、修繕費は大家さんの持ち出しである。

築20年でこれである。 30年先の住環境がどうなっているかなんて想像もできない(本当は都市計画に基づいて予想できないといけないのであるが)。

不動産というのは自分で住んでいれば幾ら古くなっても価値を持ち続けるが、賃貸にしてしまうと、管理が厄介なのである。家賃でローンは賄えたとしても、税金その他の維持管理費が将来どれだけ懸かるかなんて予想できない。一戸建て住宅の宿命である(日本のマンションと言う形態の集合住宅は管理組合があるので、いい物件であれば、管理とそれなりの価値は維持される)。

まして、日本人は何故か『新しいもの好き』である。利便性の良い築30年よりも少し不便でも新築を好む。立地が同等なら、少し家賃が高いなら新築を選ぶ。よって、住宅メーカーがどんな美味い言葉で誘ってきたとしても、30年間貸借人が住んでくれると言う保証はない。

よって、住宅メーカーの甘言に騙されて『アパート経営』を長期ローンを借りて利ざやを儲けようなどと言うのは、ローン残高と同等のキャッシュを持っていない限り『夢』でしかない。

しかし、住宅メーカーも、じっちゃん&ばぁちゃんを騙す下品な商売しているもんだと、思う。

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