地球気候変動(私は地球温暖化とは言わない)に関するCOP21が、21世紀末までに、地球平均気温を工業化前の2 ℃以下にするという合意に至ったらしい(日経電子版記事:COP21合意 「痛み」を成長に生かす発想不可欠:日本経済新聞
恐らく、そこで協議されたのは、温室効果ガス排出量を漸減させると言うことなのであろう。
日経の記事も多くはそこを書いている。
地球気候変動に関しては、素人であるが、温度というキーワードを示されると、輸送現象論や流体力学を学んだ者としては、どうしても気になってしまう。
特に気になるのは、地球気候変動という問題が、科学の問題なのか?、と、言うことについてである。
地球気候変動問題から、一旦離れて、人類が可能な気象現象予測のState-of-the-artsを考えてみる。
すると、地球全体の気象現象予測が可能な未来は、気象庁の数値予報の7日ー10日程度である。それでさえ、台風や冬の爆弾低気圧が発生すると、その動きの予測は、もっと短い時間になってしまう。
数値気象予報に使われている数学モデルは、流体力学と熱力学および水の相変化を基礎式として、観測データを初期条件と境界条件として利用するモノであろう。
地球全体の数値気象予報のメッシュは、確か20 kmごとだったと気象庁のHPに紹介されている。
日本の数値気象予報技術は、恐らく世界の最先端と信じているので、これが、21世紀前半に生きる人類のState-of-the-arts と考えられる。
一方、地球気候変動問題は、数十年という長い未来の、『地球平均気温と呼ばれるスカラー量』を予測する必要がある。
そのような数学モデルが容易に構築し得るのであろうかと思うと、やはり困難であるらしく、地球シミュレータの研究は、大気であったり海洋であったりを様々な要素に分けて数学モデル構築が模索されている状況のようだ。
また、もっと簡単に考えてみると、地球気温変動問題について、地球大気をオープン制御系として捉え、目標値を地球平均気温、制御値を温室効果ガス排出量としたときに、どのような制御系が考えられるかと言うと、恐らく最も単純なシステムは、過去の温室効果ガス排出量と地球平均気温の相関グラフから、21世紀末までを、温室効果ガス排出量をパラメータにして外挿することであろう。
恐らく、この単純な制御系モデルが誰にでも理解されやすい地球気候変動問題であろうと思う。
しかし、この単純化した制御系モデルは、大気中の炭素循環と呼ばれる、大陸と海洋の炭素固定量変化が制御因子にならない。
また、人為的な温室効果ガス排出量は主に二酸化炭素を指す。しかし、メタンの方が、温室効果が高いことはよく知られていることである。すると、シベリアなどのツンドラ地帯の凍土が夏期に溶融し、メタンを排出しているはずであるが、このメタン排出を人為的に制御可能なのか、大いに疑問である。
すると、COP21において、人為的な温室効果ガス排出量だけに規制を作っても、地球気候変動問題を制御可能なのか、疑問を抱かず得ない。
何を言いたいかと言うと、地球気候変動問題に対しては、温室効果ガス排出量規制だけではなく、少なくとも、二酸化炭素については、大陸と海洋の炭素固定量を増やす必要があるであろうということである。
それは、具体的には、熱帯雨林の再生、海洋海藻コロニー再生、そして、大陸の砂漠(都市を含む)の緑地化を進めることである。
これは、温室効果ガス排出量と地球平均気温の単純な制御系モデルにおいて、排出量と地球平均気温の相関関係を変化させることになる。温室効果ガス排出量と地球平均気温の制御系をPID制御系として簡単化すれば、炭素の大陸と海洋の固定量増加は、積分要素と微分要素を増加させることに相当する。
しかし、先の日経の記事にしても、地球気候変動問題について語られるのは、温室効果ガス、特に、化石燃料による二酸化炭素排出量規制に矮小化されている。
結局、地球気候変動問題は、科学の問題ではなく、人が使えるエネルギーをどうするかという政治経済の問題になっており、それは、誰も得をしないような大陸と海洋による炭素固定量増加というお金と労力がかかる作業から目を逸らしている。
地球気候変動問題を議論するのであれば、人が焼畑や放牧を始めた頃から行ってきた、地表面の環境破壊から議論されるべきであろうと思う。
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恐らく、そこで協議されたのは、温室効果ガス排出量を漸減させると言うことなのであろう。
日経の記事も多くはそこを書いている。
地球気候変動に関しては、素人であるが、温度というキーワードを示されると、輸送現象論や流体力学を学んだ者としては、どうしても気になってしまう。
特に気になるのは、地球気候変動という問題が、科学の問題なのか?、と、言うことについてである。
地球気候変動問題から、一旦離れて、人類が可能な気象現象予測のState-of-the-artsを考えてみる。
すると、地球全体の気象現象予測が可能な未来は、気象庁の数値予報の7日ー10日程度である。それでさえ、台風や冬の爆弾低気圧が発生すると、その動きの予測は、もっと短い時間になってしまう。
数値気象予報に使われている数学モデルは、流体力学と熱力学および水の相変化を基礎式として、観測データを初期条件と境界条件として利用するモノであろう。
地球全体の数値気象予報のメッシュは、確か20 kmごとだったと気象庁のHPに紹介されている。
日本の数値気象予報技術は、恐らく世界の最先端と信じているので、これが、21世紀前半に生きる人類のState-of-the-arts と考えられる。
一方、地球気候変動問題は、数十年という長い未来の、『地球平均気温と呼ばれるスカラー量』を予測する必要がある。
そのような数学モデルが容易に構築し得るのであろうかと思うと、やはり困難であるらしく、地球シミュレータの研究は、大気であったり海洋であったりを様々な要素に分けて数学モデル構築が模索されている状況のようだ。
また、もっと簡単に考えてみると、地球気温変動問題について、地球大気をオープン制御系として捉え、目標値を地球平均気温、制御値を温室効果ガス排出量としたときに、どのような制御系が考えられるかと言うと、恐らく最も単純なシステムは、過去の温室効果ガス排出量と地球平均気温の相関グラフから、21世紀末までを、温室効果ガス排出量をパラメータにして外挿することであろう。
恐らく、この単純な制御系モデルが誰にでも理解されやすい地球気候変動問題であろうと思う。
しかし、この単純化した制御系モデルは、大気中の炭素循環と呼ばれる、大陸と海洋の炭素固定量変化が制御因子にならない。
また、人為的な温室効果ガス排出量は主に二酸化炭素を指す。しかし、メタンの方が、温室効果が高いことはよく知られていることである。すると、シベリアなどのツンドラ地帯の凍土が夏期に溶融し、メタンを排出しているはずであるが、このメタン排出を人為的に制御可能なのか、大いに疑問である。
すると、COP21において、人為的な温室効果ガス排出量だけに規制を作っても、地球気候変動問題を制御可能なのか、疑問を抱かず得ない。
何を言いたいかと言うと、地球気候変動問題に対しては、温室効果ガス排出量規制だけではなく、少なくとも、二酸化炭素については、大陸と海洋の炭素固定量を増やす必要があるであろうということである。
それは、具体的には、熱帯雨林の再生、海洋海藻コロニー再生、そして、大陸の砂漠(都市を含む)の緑地化を進めることである。
これは、温室効果ガス排出量と地球平均気温の単純な制御系モデルにおいて、排出量と地球平均気温の相関関係を変化させることになる。温室効果ガス排出量と地球平均気温の制御系をPID制御系として簡単化すれば、炭素の大陸と海洋の固定量増加は、積分要素と微分要素を増加させることに相当する。
しかし、先の日経の記事にしても、地球気候変動問題について語られるのは、温室効果ガス、特に、化石燃料による二酸化炭素排出量規制に矮小化されている。
結局、地球気候変動問題は、科学の問題ではなく、人が使えるエネルギーをどうするかという政治経済の問題になっており、それは、誰も得をしないような大陸と海洋による炭素固定量増加というお金と労力がかかる作業から目を逸らしている。
地球気候変動問題を議論するのであれば、人が焼畑や放牧を始めた頃から行ってきた、地表面の環境破壊から議論されるべきであろうと思う。
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