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不肖Tamayan.com駄弁録

「英雄は自分のできる事をした人だ。凡人はできる事をせずに、できもしない事を望む。」byロマン・ロラン

"Black Stone"

2006年06月21日 00時00分30秒 | 徒然駄弁―煙草編
 「煙たい週間」最終日の今日は、概要文でも言及したように、拙者が愛用している"Black Stone"(以後、ブラスト)を紹介する。今まで折に触れて書いてきたが、単独の記事としてまとめて書いてはいない。そこで、改めて、ブラストについて一筆したためる。過去の記事と重複する内容も含まれている故、その点につきご容赦願いたい。
 さて、ブラストは、"SWISHER"という米国企業が生産している煙草である。元々葉巻生産業者であり、現在も多くの銘柄を世に送り出している。また、"SWISHER"製品の特徴は、殆どの銘柄がスイート系で構成されている点である。以前"SWISHER"製の葉巻を試した時、葉巻らしからぬ甘さに驚かされたものである。さらに、"SWISHER"は葉巻だけでなくパイプ煙草も生産しており、今回紹介するブラストも元々"SWISHER"が生産しているパイプ煙草である。それが、添付したブラストのパッケージにパイプ煙草のロゴが描かれている所以でもある。
 今回紹介するブラストは、元々パイプ煙草のブラストをリトルシガーに加工し直した煙草である(ややしいこと御免)。リトルシガーとは、葉巻の一種であり、葉巻に殆どの紙巻煙草と同様にフィルターを付けた煙草である。フィルターを除く部分は、全て煙草葉で巻かれている。中身に詰められている葉も、当然ながら、葉巻用が用いられている。それ故、外見は通常の紙巻煙草に近いが、味と香りは葉巻のそれである。ブラストは、中身に使われている葉がパイプ煙草用葉という相違点はあるものの、立派なリトルシガーである。また、ブラストは、以前紹介したキャプテンブラックと同様に、フレーバー系のリトルシガーである。
 これもキャプテンブラック同様、ブラストには、二種類のフレーバーがある。バニラとチェリー、である。両者共に、100s(10cm)サイズで且葉も相当きつく詰められている故、非常に吸い応えがある。きつめに葉を詰めると空気の通りが悪くなるので、火を点けたまま灰皿に放置していると知らぬ間に火が消えているぐらいである。しかし、他方で、そのきつい詰め方は、独特の重さと濃厚さを出している。また、両者共に香りの強いフレーバーが用いられており、ビニール外装を封切る前からほのかな香りが漂っている。フィルターには甘味料が塗布されており、火を点けずにただくわえただけでも甘い。外装を剥がせば、各々、独特のクセのある香りが鼻腔を刺激する。以下で、順に紹介する。

―ブラックストーン・バニラ(以後、バニラ)―

 まず、バニラから紹介する。
 その名の通り、バニラ系のフレーバーが用いられている。火を点けずに嗅いでみると、バニラの仄かな香りが鼻につく。ブラストは数あるフレーバー系の中にあって最も強い香りを誇るにも関らず、バニラは、意外なほど控えめである。むしろ、バニラ系の銘柄の中で、最もバニラに近い香りがする。大昔に嗅いだバニラビーンズの香りに、非常に近い。正確な名前を思い出せないが、何かの洋菓子の香りを嗅いでいるかの如くである。非常に上品な香り、である。
 火を点けると、その上品さは、より一層際立つ。キャプテンブラックのような不快感が残る甘さではなく、バニラの自然な甘い香りを堪能出来る。決して甘過ぎず、それでもしっとり感がある優しい香りが広がる。後に残る甘味も、全くしつこくなく、心地良い余韻を残しながら消えていく。さらに、バニラの自然な香りを生かしている故に、甘さが引いた後に元のパイプ煙草の香りも認識出来る。その瞬間、葉巻独特の苦味が朧気ながらにも姿を表し、ブラストが葉巻である事実を再確認出来る。バニラは、後述するチェリーより断然その香りは弱いが、葉巻の芳醇さとバニラの香りが合わさった非常に上品な煙草である。
 拙者は後述するチェリーを愛用しているが、バニラも決して悪くはない。むしろ、キャプテンブラックよりも上を行く、と高く評価している。あまりきつめのフレーバーを好まれない方には、チェリーよりもバニラをお勧め出来るだろう。また、葉巻の香りも同時に楽しみたい方にも、十二分にお勧め出来る。フィルターと程好い香りが葉巻独特のきつさを緩和しているので、初めて葉巻を試す方にもお勧め出来る。ただし、初めてブラストをお試しになる方は、バニラを先に試した方がよいだろう。チェリーを先に試すと、バニラを試しても全くといっていいほどバニラの良さが分からなくなるからである。それほど、バニラの香りは、控えめであり、それでいて上品である。
 ちなみに、拙者が最初に吸ったのがバニラであり、初めて吸ったフレーバー系煙草でもある。拙者が尊敬する先輩SuZさんがブラストを愛用していて、氏から勧められてブラストを吸った。氏もチェリー派であるが、その時たまたまバニラを吸っておられたため、バニラを先に吸う機会に恵まれた。火を点けずとも噛んだだけで甘味が構内に広がる事実にも相当の衝撃を受けたし、火を点けた時に広がったバニラの甘さには度肝を抜かれた。今ではチェリーにすっかり慣れてしまい、他のフレーバー系も幾らか試したので、当時感じた程バニラの香りを強く認識出来ない。しかし、初めて吸った時に感じたあの衝撃は、未だに忘れられない。バニラは、拙者がブラストを愛用するきっかけとなった銘柄、である。

―ブラックストーン・チェリー(以後、チェリー)―

 次に、チェリーを紹介する。
 これもその名の通り、チェリー・テイストの煙草、である。上述したバニラよりも香りは強く、ビニール外装を封切らなくても、バニラ以上にその香りを明確に認識出来るほどである。しかし、キャプテンブラック・チェリーよりチェリーらしくはなくシロップのような香りがするものの、キャプテンブラックより上品である。キャプテンブラックのように、不快に鼻につく香りではなく、胸焼けを起こすほど甘さは強調されていない。バニラより強いが、決して気分は悪くならない。バニラ同様に、しっかり存在感はあるが、非常に上品な香りがする。
 火を点けても、その上品さは消えない。確かにバニラ以上にフレーバーの香りは強いが、キャプテンブラックほどしつこくなく、バニラ同様に程好い甘さである。その意味で、同じリトルシガーであるキャプテンブラックより軽い。キャプテンブラック・チェリーは、火を点けない状態で香るチェリーが火を点けるとしつこい甘味によって破壊されてしまう。しかし、チェリーは、そうはならない。バニラ同様に非常に落ち着いた甘さと上品さを有しつつ、それでいてバニラ以上に良い香りがする。元の葉巻葉の香りが飛んでしまってはいるが、その欠点を補って余りある上品な味わいを楽しめる。
 ただし、その副流煙は、相当強く甘い。ブラストも、他のフレーバー系煙草同様に、吸っている人よりも周囲の人の方がその香りをはっきり認識出来る。どこにいても、チェリーの香りは、はっきり認識出来る。相当離れていてもその存在を確認出来るので、チェリーを吸っていれば、すぐに分かる。火を点けたまま灰皿に置いていても、たまにその香りの強さを咲き確認出来る。部屋の香りも、お香を炊き続けたかの如く、その内チェリーに染まる。ある日、帰宅すると、部屋中に漂うチェリーの甘さに驚かされたものである。率直なところ、部屋を間違えたかと思ったぐらいである。さらに、服にも香りが染み付く。キャプテンブラックやバニラでは、ここまでにはならない。チェリーは、それ程強い存在感を有している香り、である。
 その強烈な香り故に吸う場所は考慮を要するが、拙者はチェリーを愛用している。バニラでは少々物足りず、すぐに慣れてしまう。また、個人的には、チェリーの甘さの方が深い陶酔感を味わえる。バニラでは飽き足らず、さらに強いクセを求める方には、強くお勧め出来る銘柄である。

 さて、最後に、幾らかコメントを足して本稿を脱稿しよう。繰り返せば、ブラストは、非常に上品な煙草である。並の煙草のように雑味が無く、他のフレーバー系のようなワザとらしい甘さもない。葉巻と同様の上品さを兼ね備えつつ、その上品さを消さない程度の程好い甘さを兼ね備えた、非常に優れた銘柄である。
 本来、葉巻はきつくて肺には入れずに口腔内で「ふかす」のが常であり、ブラストも葉巻である故に、相当きつい煙草である。現にキャプテンブラック同様にブラストもT/N値が表示されていないが、吸えばそのきつさは一目瞭然である。吸い出した頃は、そのきつさのあまり、一本を最後まで吸えなかったほどである。
 しかし、その程好い甘さが、幾分かそのきつさを緩和し、非常に吸い易くしている。慣れるまではしんどいが、一旦慣れてしまうと他の銘柄には容易に変えられないクセを有している。今まで吸ってきた多くの銘柄の中で、ブラストは、最も吸い応えがあり、且病みつきになるほど洗練された上品さを有している銘柄である。また、葉がきつく詰められている故、燃焼速度は遅い。100sのロングサイズも相まって、ゆったりした空間と時間で上品な香りを楽しみながらくつろげる、立派なリラックスアイテムでもある。煙草が、本来嗜好品である所以を、改めて思い起こさせる。高い金を払ってでも愛用するだけの価値を、ブラストは有している。
 ただ、今度の値上げによって頻度を下げなくてはならなくなったのが、残念で仕方がない。十中八九、今後も段階的に煙草は値上げされていくのは必然である故、いずれブラストだけでなく煙草自体を愛用するのも難しくなるかもしれない。しかし、頻度は減らしても、代替銘柄を愛用しつつ、今後ともブラストを楽しんでいきたいと思っている。また、働き出したら、再びブラストを愛用するつもりである。少なくとも輸入廃止銘柄に指定されるまで、ブラストと縁を維持し続ける。何せ煙草は、ただの大量消費品ではなく、本来くつろぎと癒しを求めるための嗜好品である。その目的を鑑みれば、ブラストは、煙草の原点を忠実に維持し続けている銘柄であり、拙者に最も合った銘柄である。ブラストは、拙者がかように評している煙草、である。

追伸1
 ブラストは、日本では、映画化もされた矢沢あいの人気コミック"NANA"で一躍有名になった銘柄である。それ故、件のコミックに触発されてブラストを吸い出した人は多く、コミックとワンセットで扱われる傾向が強い。言わば、あくまで拙者の印象ではあるものの、ブラスト・ユーザー="NANA"ファンの如く図式が成立しているように思われる。 
 しかし、SuZさん共々、拙者は件のコミックを一度も読んでいない。それ故、ファンでもない。拙者がブラストを吸い出した動機に、件のコミックは一切関係ない。個人的にあまり誤解されたくない故、その点を特に強調しておく。

追伸2
 ただの蛇足、である。ブラストは、100sサイズである事情もあって、カートン・パッケージも通常とは異なる。従来型の「長細い」四角柱型ではなく、立方体である。デザインは、従来型同様に、煙草箱のデザインとほぼ同じである。
 ただ、バニラをカートンで買ったことはないが、チェリーのカートンは箱から甘い香りがにじみ出ている。ブラストを知らない人が箱の香りを嗅ぐと、「洋菓子」の箱と勘違いする場合があるほどである。パッケージのデザインも相まって、相当の存在感を放って目を引くカートンである。





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