サントラ収集。

　二日の記事で、趣味について若干書いた。今回は、またしても個人的な話しながら、拙者の趣味の一つについて語ろう。
　さておき、多分に漏れず、拙者も音楽が好きである。しかし、他人に語る際にあっては、「音楽鑑賞」とは言わない。履歴書もまた然りで、「音楽鑑賞」とは書かない。代わりに、次のように書く。他人には、「サウンドトラック(以後、サントラ)収集」、と説明する。
　数多とあるジャンルの中で、サントラを最も好む。過去数年音楽情報から断絶され、音楽自体を聴く頻度はめっきり減った。最後に最新のCDを買ったのがいつかも、もはや思い出せない。最近の流行にいたっては、全く疎い。しかし、サントラだけは、今も時折買い、毎日聴いている。
　サントラにも色々ジャンルはあるが、ジャンルには特にこだわらない。映画音楽であれ、CM曲であれ、ドラマやアニメのテーマ曲であれ、サントラは、須らく好きである。ジャンルを問わず、特に印象に残ったサントラは、すぐに買いに行く。衝動買いも、珍しくない。
　今では、結構な数が集まるまでになった。極力オフィシャルサントラを買うようにしているが、財政事情や在庫状況もあって、手に入らない場合も珍しくない。しかし、レンタルやオムニバス版、果ては"iTune"も使い、欲しいサントラは必ず入手してきた。その結果、購入予定の作品も含めると、百作品ぐらいになった。
　かくもサントラを好む所以は、サントラ独特の造り方にある。言わずもがな、サントラは、ビジュアルの世界を念頭に作られている。ビジュアルにおける「その場」を引き立てるべく、作られている。その意味において、他のジャンルに比して、テーマに対する拘束度が高い。
　ともかく、ビジュアルの雰囲気に合わせられた独特の世界観が、良い。作品の雰囲気や使われたシーンを彷彿とさせ、感情がリンクし易い。緊迫感があるシーンの曲では緊迫した感情になるし、悲しいシーンの曲では悲しくなる。つまるところ、サントラは、様々な意味でノリがいい。
　しかも、そのノリは、自分の生活に応用出来る。自分の日常にあったノリの曲を使うと、何やら良いムードになる。ブルーに浸りたい時は悲しいシーンの曲を使い、士気を高めたい時は昂揚的な曲を使うと、意欲が沸いてくる。傍からみるとアブナイが、さながら作品のシーンの如く作品の雰囲気とのリンクが、楽しい。
　なお、やはり、サントラにもピンキリはある。ビジュアル作品の数と同じだけサントラも存在するが、良い作品は、どれだけ手間暇金を使おうが欲しいと思う。他方、悪い作品は、全くもって聴くに耐えない。拙者が聴いてきた限りでは、当たりよりも、ハズレの方が多いように思える。
　それ故、ここで、その善し悪しの見分け方が問われよう。一点示しておくと、良いサントラは、当たり前だが、必ずビジュアル作品全体なり使用されたワンシーンを上手く演出している。曲だけ聴いても使用作品なり使用シーンを見た際の心情が蘇れば、それは、良いサントラである。
　したがって、サントラの善し悪しは、必ずしもビジュアル作品それ自体のクオリティーとリンクしていない。素晴らしい作品は、大抵、サントラもまた素晴らしい。しかし、作品としてはそこそこでも、サントラだけは良い場合は珍しくない。
　他方、経験上、その逆はないように思える。サントラは駄目だが良い作品は、観たためしがない。サントラ一つで、作品の評価は大きく変わるものである。ビジュアル作品におけるサントラの重要性が如何なるものかを示している、と言えそうである。
　話を戻すと、拙者が入手してきたサントラは、無論良いものを選んできた。映画やテレビで事実上「試聴」した上で購入の是非を決める故、失敗は少ない。ただ、一点だけ注意事項がある。劇場予告編やTVスポットで使われている曲は必ずしもサントラに収録されているわけではない、という事実である。
　劇場予告編やスポットで使われた曲を気に入ってオフィシャルサントラを買ったはいいものの、肝心のその曲が入っていないケースは、往々にしてある。実のところ、拙者自身、かつて二度ほど辛酸を舐めさせられた経験を有している。それ故、購入前に、一度調べて確認しておいた方がいい。
　とにもかくにも、サントラ収集は、拙者の趣味の一つである。ダイビングと並んで、今後も続けていく趣味である。今後、本ブログにおいて、お勧めのサントラも順次紹介していこうかと思う。

追伸
　余談を一つしておくと、拙者が好きなサントラの一つに、映画"The Rock"のそれがある。闘う男の渋い曲で、数名の友人共々いたく気に入り、購入した。とある友人は、就職活動の際、面接会場へ入るBGMとして使用していた。別の友人は、勉強中、つねに流していた。
　興味無い人からすれば下らない話かもしれないが、サントラの効用である。