スティーブン・キング 扶桑社ミステリー
モダン・ホラーの巨匠にして稀代のストーリー・テラー、スティーブン・キングの短編集。怖い、不気味な作品も多数あるのだが、私が驚き、惹かれたのは、激烈おバカホラーともいうべき一群の作品。キングにこういう一面があったのか。
腐ったビールを飲んで怪物と化した父親(このあらすじだけで雰囲気が伝わろう)の恐怖を描いた「灰色のかたまり」。血の味を覚えたクリーニング工場の機械が人間を襲い、果ては町に繰り出す「人間圧搾機」。悪魔祓いを仕掛けようとする主人公たちを迎え撃つ準備ができた圧搾機が、自らに気合を入れる場面が最高。
トラックたちが人間に反旗を翻し、バスやブルドーザーを抱き込んでドライブインの客と従業員を追い詰める「トラック」。脅されて給油をしていた主人公が、「もうガソリンスタンドは空っぽだ」というところに、「いんや、続きだ」とばかりにガソリン満タンのタンクローリーがやってくる。最初怖いと思って読んだ「地下室の悪夢」にしても、振り返ってみると、ずっと手をつけていない物置や押入れの奥(うちにもある)を掃除する時の恐怖を描いている気がする。
なんとも楽しくて怖い本でした。
モダン・ホラーの巨匠にして稀代のストーリー・テラー、スティーブン・キングの短編集。怖い、不気味な作品も多数あるのだが、私が驚き、惹かれたのは、激烈おバカホラーともいうべき一群の作品。キングにこういう一面があったのか。
腐ったビールを飲んで怪物と化した父親(このあらすじだけで雰囲気が伝わろう)の恐怖を描いた「灰色のかたまり」。血の味を覚えたクリーニング工場の機械が人間を襲い、果ては町に繰り出す「人間圧搾機」。悪魔祓いを仕掛けようとする主人公たちを迎え撃つ準備ができた圧搾機が、自らに気合を入れる場面が最高。
トラックたちが人間に反旗を翻し、バスやブルドーザーを抱き込んでドライブインの客と従業員を追い詰める「トラック」。脅されて給油をしていた主人公が、「もうガソリンスタンドは空っぽだ」というところに、「いんや、続きだ」とばかりにガソリン満タンのタンクローリーがやってくる。最初怖いと思って読んだ「地下室の悪夢」にしても、振り返ってみると、ずっと手をつけていない物置や押入れの奥(うちにもある)を掃除する時の恐怖を描いている気がする。
なんとも楽しくて怖い本でした。
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