読後感

歴史小説、ホラー、エッセイ、競馬本…。いろんなジャンルで、「書評」までいかない読後感を綴ってみます。

ながい眠り

2013年03月29日 | その他
       ヒラリー・ウォー   ハヤカワ・ポケット・ミステリ

 ながらく絶版だったのが2006年にリリースされたらしい。
 ウォーの作品の特徴は 1、派手なアクションやドンパチがない。
2、奇想天外のトリックや異常心理、ン十年前の因縁だのなんだのがない。
 ひたすら地道に証拠を洗い、いろんな可能性を消去法で消していく。その極めつけが本作。空き家から黒こげになった女性の胴体がみつかるのだが、身元すらわからない。途中までは「本当にこの事件解決するんだろうか」って思えた。
 有名なミステリー・レビュー本「夜明けの睡魔」でも、「忘れられた作家」として紹介されている(著者の瀬戸川さんは大好きらしい)。
 どうやら警察小説やハードボイルドのファンからは1が嫌われ、本格推理のファンからは2が嫌われているようだ。私は大好きなんだけどなぁ!ローラー作戦で目撃者捜したり、電話帳くったり。それでいてちゃんと伏線も犯人の意外性もオチもあるしね。
 同じ作者の「事件当夜は雨」も読んだが、「ながい眠り」の方がウォーらしさがあっていい。