読後感

歴史小説、ホラー、エッセイ、競馬本…。いろんなジャンルで、「書評」までいかない読後感を綴ってみます。

酒のほそ道

2009年04月27日 | マンガ
            ラズヴェル細木    日本文芸社コミックス

 サラリーマン、岩間宗達を主人公に、酒、つまみ、そして呑ん兵衛の生態をひたすら描いたマンがである。宗達は中堅サラリーマンなので、高価な酒や肴はめったに口にしない。数千円のワインには手が出ないが、蓋がコルクじゃない1000円ワインも嫌で、結局3000円に落ち着くってのも私と同じだ。
 上司や後輩、友人、宗達が豆腐やジャガイモで作るつまみを楽しみにしているおじちゃん・おばちゃん、そしてかすみちゃん、麗ちゃん、居酒屋の常連など飲み友達も多彩である。「つまみになるもので飯を食うのはもったいなく感じる」など、酒飲みの心理描写には頷くことばかり。
 外で飲む場面もいいが、宗達の手間がかからない家飲みのつまみがいい。私のNO1は、2巻「コタツだし」(その冬、はじめてのコタツで飲む酒とつまみ」の 湯豆腐、鴨焼、ぶり大根、里芋煮、白菜漬である。見開きカラーページの四季の酒と肴、酒のつまみレシピ、なぎら健壱、やくみつる、温水洋一、角野卓造など異色の後書き陣も見どころ。
 個人的には、著者の酒の失敗エピソード、とりわけピザ屋の駐車場のスクーターの間に挟まって意識を失っていた件に一番はまった。