読後感

歴史小説、ホラー、エッセイ、競馬本…。いろんなジャンルで、「書評」までいかない読後感を綴ってみます。

イン・ザ・プール

2007年05月02日 | その他
                       奥田英朗      文春文庫

 水泳依存症、陰茎硬直症、ストーカー妄想癖、携帯依存症、強迫神経症…、精神科医の伊良部先生を訪れる患者達にまつわる短編集。軽度の症状なら、私(ガスや電源を何度も確かめる強迫神経症は当てはまるかも)も含め、人ごとではないだろう。
 夜のプールに忍び込む、患者の元妻に怒鳴り込みに行く、患者の目の前で子供と喧嘩する、ライバル病院に石を投げる…、結局は症状を治してしまう伊良部先生の暴走ぶりが楽しい。この先生、デブで色白で声がカン高く、マザコンで金に汚いなどキモい要素満載なため、決して格好良くはみえない。まあ、神経症の治療なんてきくと、私ら素人はそれだけで神経的に参ってしまいそうなので、この本のユルさは救いである。
 先日DVDを見つけたので、借りてみた。面白かった。松尾スズキさん演じる伊良部先生は、イカレポンチぶりは原作以上だけど、見た目はうんと渋い。オダギリジョーが「勃ちっぱなし」を演じているのが可笑しい。原作中3本の短編がもとになっているが、私の好きな「フレンズ」と「コンパニオン」が省かれているのは残念。
 


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