M.R.ジェイムズ 創元推理文庫
これまた古風な、19世紀的(と、自分で言っているらしい)ホラー集。でも、いい味出してまっせ。浜辺で白い幽霊に追いかけられるイメージが怖い「笛吹けば現れん」、小さな穴から地獄に引きずりこまれかけるシーンが強烈な「ハンフリーズ氏とその遺産」なんて最高。おそらく代表作の「消えた心臓」は、クライマックスよりも、中盤の浴槽の幽霊が怖い。
古風古風というが、おどろおどろしいモンスターが登場する代わりに、微妙な視覚や聴覚(「マグナス伯爵」の鍵の落ちる音)、触覚(同文庫『怪奇小説傑作選』の方に収録の「ポインター氏の日録」)を駆使する手法は、むしろモダン・ホラーに通じるところがあるのではなかろうか。
これまた古風な、19世紀的(と、自分で言っているらしい)ホラー集。でも、いい味出してまっせ。浜辺で白い幽霊に追いかけられるイメージが怖い「笛吹けば現れん」、小さな穴から地獄に引きずりこまれかけるシーンが強烈な「ハンフリーズ氏とその遺産」なんて最高。おそらく代表作の「消えた心臓」は、クライマックスよりも、中盤の浴槽の幽霊が怖い。
古風古風というが、おどろおどろしいモンスターが登場する代わりに、微妙な視覚や聴覚(「マグナス伯爵」の鍵の落ちる音)、触覚(同文庫『怪奇小説傑作選』の方に収録の「ポインター氏の日録」)を駆使する手法は、むしろモダン・ホラーに通じるところがあるのではなかろうか。