読後感

歴史小説、ホラー、エッセイ、競馬本…。いろんなジャンルで、「書評」までいかない読後感を綴ってみます。

ハイウェイ惑星

2006年06月01日 | SF
              石原藤夫 筒井康隆編『60年代SFベスト集成』徳間文庫収録

 古本屋で偶然見つけた短編集にのっていた話。その昔、とある惑星に自己修復機能を持つ高速道路を縦横に張り巡らして滅亡した知的生物がいた。原始的な段階にあったその星の生物は「道路があることを前提にして」進化していく。不時着した地球人が出会う「原始車輪」「運搬車輪」「飛行車輪」(立体交差でジャンプしているうちに進化した)など様々な車輪生物が楽しい。
 この本には他に、競馬の血統評論家として名高い山野浩一さんの「X電車で行こう」、おいおい主人公どこに行くって感じのラストの「幹線水路2061年」(光瀬龍)、SFというより一級ホラーの「渡り廊下」(豊田有恒)、編者の筒井さんのユーモアSF「色眼鏡の狂想曲」など好短編多数あり。