フデコは、
強引なマキにおれて、
ナオミのお見舞いを決意した。
その際、
付き添い看護婦を、
元女ヤクザに指名。
そして、
マキに背中を押されるかたちで、
ナオミの病室に入った。
ナオミはフデコをじっと見て、
涙を流して、
「お母さん」と言った。
その時、
付き添い看護婦がカンペを出したので、
フデコはそれを見つめて、
「げ、元気そうやないか。お前」と棒読みした。
マキは、
「カンペがいるんですか😳❓棒読みじゃないですか😡⁉️」と小声でキレた。
ナオミは泣き出し、
「お母さん。会いたかった」と弱々しく言った。
再び看護婦がカンペ出したので、
フデコはそれに視線を向けて、
「元気そうでなによりや。何か食うか?」と棒読みした。
マキはガチギレして、
看護婦を追い出した!
フデコはマキに、
「何さらすんじゃおんどれ❗️孤独になったやないか😡」とキレた。
マキは、
「きちんとお母さんと向き合ってください!」と言い返した。
ナオミはやさしく、
「いいのよ、マキちゃん。お母さんがいるだけで、それでいいの」と言った。
その時、
フデコは、
ナオミの手を握り、
「あての子は、どんなときでもくじけんさかい」言うて、
外に出て行った。
ナオミは、
「ありがとうお母さん」と泣き崩れた。
マキも泣いた。
数ヶ月後、
付き添い看護婦から、
フデコのもとに、
ナオミが奇跡的に完治した旨の報告が入った。
ガチギレしたフデコは、
ナオミの病室に行き、
「なんで完治するんじゃ⁈スジが通っとらんやろが!!」と怒鳴った!
そのとき、
付き添い看護婦が、
「あても極道しましたさかい、嘘は言いまへん」言うて、
完治に至った次第を話した。
それは、
ある夕に、
観音菩薩が現れて、
「生きなさい」と語り、
ナオミの額に手を置いたという話しから、
病状が落ち着き、
完治へと至ったというもんやった。
フデコはショックを覚えた。
ことがどうあれ、
ナオミは完治してるんやから。
フデコは病室を後にして、
その足で、
四国に向かい、
お遍路の旅路の日々を過ごした。
そして、
「親分は仏様。親分は仏様」と繰り返して呟いた。
風が涼しげに、
何度も何度も、
フデコの頬を撫でる。
フデコは思った。
“人生は吹き付けては帰らぬ風であることを“
お遍路から戻ったフデコから、
改めて、
ナオミに、
絶縁状が届けられた。
その理由は、
仏と人に喜ばれる任侠の道筋に、親子の情愛は、修行の妨げ以外のなにものでもない、
というものやった。
けど、
ナオミはうれしく、
フデコの絶縁を、
受けた。