今から38年前。
ウメズという子どもが、
公園の砂場で、
ボウルを使いながら、
砂のどんぶりを作った。
見事な仕上がりやった。
その時、
デカい犬がやってきて、
砂場を猛突進した。
その為、
砂のどんぶりは、
踏み崩された。
飼い主が、
犬を捕まえて、
詫びひとつ入れずに、
公園から出て行った。
30年の月日が流れる。
ウメズは35歳。
ヨシコという女に貢がせて、
大学進学、就職、昇進。
同時に、
浮気していた女と同棲して、
ヨシコを捨てた。
五年が更に経過。
ウメズは40歳。
奥さんと5歳の息子との家庭生活をおくる。
が、
ウメズは会社辞めて遊び回り、
奥さんが、
保険会社で働いた。
ウメズは、
自分勝手な生き方に、
悔いなく楽しく生きていた。
そんな矢先、
やたら首筋が痛む😖
そして、
夜中に犬が吠え出して、
不眠症になる。
ある夜。
子どもが目を覚まし、
起きて、
窓の外を見た。
そこには、
真っ赤な目をした犬が宙に浮いていた。
翌日、
遊びにきたウメズの父親に、
子どもが、
昨夜のことを話した。
ウメズの父親は言った。
「それは宙犬バチ皇や。悪い人間のところにきて、吠える。ひと鳴きごとに、悪人の命が100日消える。どこか近所に悪もんがおるんやな」
ウメズはキレて、
「やかましい！ジジイ❗️」と罵った。
数日後、
痛みは更にひどくなり、
犬の鳴き声もうるさくなった。
精神的に耐えられなくなったウメズは、
病院で、
MRI検査受けた。
結果は、
末期の骨肉腫やった😩
すぐに入院。
その夜、
犬の遠吠えが聞こえた。
そしたら、
隣ベッドの男が、
「おお！あれは宙犬バチ皇！！」と言った。
ウメズは、
あまりの恐ろしさに、
鼻血を出した！
ウメズの入院先にいる、
俺の知り合いの看護師から、
ウメズが寂しげにこう語ったことを知らされた。
「昔、砂で作ったどんぶりをデカ犬が踏み潰し、今度は、宙犬バチ皇が、俺の命を踏み潰す」
ウメズは、
その年に、
亡くなった🙏
