文春文庫 2000年(文庫)
「手間ヒマかけてる時間はない。でもサ、ちょっと目先の
変わったものは食べたいわ。それも買いおきの材料を使って
チョコチョコっと作れるヤツを」をテーマに掲げ、食材のウン
チクを披露していく。玄人口調のちょっとカッコいい感じで。
多分、高峰氏のつくったものはボクの若いころの口に合うと思う。
バターとか香辛料たっぷりの料理、好きだったですねえ。
ウンチクのあとの、箴言がまたいい。特に女に関するものが秀逸だ。
ローソクが消えたときは、どんな女も美しいものだ。(ブルタル
コス) うーん、そうだろうか? 正直、よくわからない。じゃあ、
秀逸ではないじゃあないか! が、いいのだ、なんかいいから
いいのだ!
自己矛盾しつつ、シュクシュクと美食の海に漕ぎ出すのだ。
活字メシはただだから、思いっきり夢想するのだ。その味を
その匂いを、高峰氏は美食家じゃないと言うだろうが、たしかに
この人はうまいもの食いだ……合掌。
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