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映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

告白はつろうございました

2010-06-09 21:15:55 | 新作映画
 今年一番期待しておりました「告白」を初日に観ました。
中島作品は全て絶大な評価をしておりましたので、この作品の出来を疑う事はありませんでした。
そして、その通り流石の出来栄えなのですが、わたくしはその真っ暗な世界があまりに辛くて苦しみました。

 立ち直るためにわたくしが選んだ口直しは、小津先生の「晩春」でした。
あの「東京物語」のラストが連れあいを失った老人の枯れた寂しさなら、「晩春」の寂しさは愛娘を嫁に出した父親のそこはかとない哀愁です。原節子と笠智衆の慈しみの情愛に涙が止まらず、やはり映画はこうでなくてはいかんと心したものです。