現場力(げんばりょく)

理科は感動だ!を実践する感動サイエンスteacher。
つながりを活かして社会貢献活動する地域に飛び出す小学校教師。

3分の模擬授業の原則

2006-12-31 | 教師修業
完成図があり、局面を限定することで
授業を組み立てる

清永氏の授業から授業の原則を導き出す。

原則1 第一声は、完成の姿とせよ。

「虹色の魚を書きます。」(文責佐藤)
絵本を見せることで完成図を予想する。

原則2 教材は、3分間の逆算で組み立てよ。

教材を準備するに当たり、次のことが必要であった。
1 ボール紙を切る
2 7色の下地を塗る
3 黒をぬる
4 魚の顔を描く
子どもとの45分の授業を考えれば
最初から子どもと一緒にする
しかし、3分で完成まで持って行くならば
4までは、しておく。

原則3 最初は、抵抗の少ない局面に限定せよ。

最初に書かせたのは、しっぽ。
これ以上ないほど局面が限定されている。
これが体なら抵抗が大きい。
しっぽだからやってみようと思う。
しかし、このしっぽを描かせるまでにも原則があった。

原則4 シンプルな例示を与えよ。

「こういう形やこういう形、こういう形でもいいです。」
スマートボードに示された形は、シンプルであった。
例示を与えて、イメージをふくらませるには
スマートボードに例示して、書かせると、
紙に向かうまでに自分なりの形が生まれる。
そのためにもシンプルなイメージを脳に残す。

原則5 例示は、3つまでにせよ。

さらに3つの例示で、子どもが選択ができる。
これが2つなら少ない。4つなら多すぎる。
様々なバリエーションの中の3つを選ぶ。
これを他の授業で考える。
一つだけ例示することもあるだろう。
例えば、口に2画の授業。
これに例示を2つすると、それを使えない寂しさがでる。
子どもから必ず
「その2つは入れていいんですか。」と質問が出る。
この場合の例示は、1つ。
やり方を示すことが主だからだ。
清永氏の授業では、
「様々な形があって良いですよ。」
と言うメッセージが込められている例示であった。

原則6 子どもを見て適切な指示を与えよ。

私がわりばしを持って、迷っていた。
「どちらで描くのだ。」
と思ったのだ。他の方も同じ人がいた。
その様子を見て、清永氏は、
「どちら側で描いてもいいんですよ。」
と優しく認めてくれた。
子どもが見えていなければ、できない指示である。
安心して描き始めることができた。
「どちらでもいい。」
選べるとき人は嬉しい。
「こうしなさい。」
選べないとき人は悲しい。
私の絵の指導は、「こうしなさい。」がほとんどだ。

原則7 始点と終点を明確にせよ。

顔としっぽをつなぐ。
どこからどこまでが明確である。
だからこれも局面の限定である。とも言える。
しかし、自由である。
ここからここまでなのだが、自由なのである。
さらに、例示2パターンで
イメージがわく。やりたくなる。

原則8 自由度を増やしていけ。

次は、ひれとうろこ。
しっぽ、体、と段々と自由度が
高くなる。
ここでの例示は、1つ。
自由に描かせることで
自分の絵にしていく。


原則9 次、次、次と3つの活動を組め。

しっぽ   (シンプル局面の原則)
体     (始点終点の原則)
ひれとうろこ(自由度増加の原則)
で組み立てた授業であった。
活動が3つ
つまり単純計算で1分なのだが、
急いだ感じがしない。
正確に言うと最後に鑑賞があった。
それまで、自分の作品に集中していた
からご近所の作品が見えていなかった。
鑑賞までの4つの活動が、みごとに収まっていた。

原則10 確実な成功体験で終わらせよ。

紙の質
紙の大きさ
わりばしペン
へたうま
削っていく楽しさ
ゆっくり描く楽しさ
一つ一つを見切ること
鑑賞
すべてが、成功体験をさせるために
吟味されていた。

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