一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

八幡岳・天山 ……雨で中止になったはずの自然観察会であったが……

2010年10月03日 | 八幡岳・女山(船山)・眉山
八幡岳の自然観察会。
毎年、春と秋に催されるこの観察会を、私はことのほか楽しみにしてる。
数年間に初めて参加した時、私は八幡岳について何も知らなかった。
何度か登ったことはあったが、
〈車道が山頂まで延びているつまらない俗な山〉
というのが、八幡岳に対する私の正直な印象であった。
だが、自然観察会に参加して、天山にも負けないほどの貴重な多くの植物があることを知り、仰天した。
〈これほど魅力的な山だったとは……〉
それ以来、八幡岳の自然観察会には毎回参加するようになった。
この催しを担当されているのは、ネイチャー佐賀の平六さんとワカさん、
それに、八幡岳のことを知り尽くしておられる藤井先生。
お三方の魅力、
それに、
春は「春菜の天ぷら」、
秋は「豚汁」、
という観察以外の楽しみもあり、年々観察会のファンが増えていっている。

今年の秋の観察会「八幡岳の秋をたずねて」は、今日(10月3日)開催予定であったが、生憎の雨。
朝から雷をともなった強い雨が降り、私が集合場所の相知支所前に着いた時には、もうすでに平六さんは中止を決定されていた。
リーフさん、ビスターリさん、お母ちゃんなど、数人がすでに集まっておられたが、降り続く雨を見て、「まあ、仕方ないか……」と、諦めの雰囲気。
まだ来る人がいるかもしれないということで、とりあえず午前9時までは待ってみようということになった。
本来は30数名の参加申し込みがあったとのことで、賑やかな観察会になる筈であった。
残念!
その後、数人が「一応来てみました~」と到着。
午前9時には10人ほどに増えていた。
雨も少し小降りになり、
「せっかくなので、来ている人だけででも観察会をしませんか?」
と私は平六さんに提案してみる。
平六さんが皆さんに訊いてみると、「ぜひぜひ」とのこと。
ということで、急遽、観察会をすることになった。
すぐに藤井先生にも連絡。
ネイチャー佐賀のまったはんも駆けつけ、計13名で八幡岳に出発。

まず、いつもの場所で観察開始。


藤井先生の話に聞き入る。


カラムシ・ヤブマオの葉を二つに折り曲げ住みかにしているアカタテハの幼虫(さなぎ?)。


ついこの間まで咲いていたクズの花は、このようになっていた。


キツネノマゴや、


タカサブロウや、


ヒキオコシ(エンメイソウ)の花は、小さくてカワイイ。


場所を移動し、再び観察。


葉がレモンの香りのするレモンエゴマ。


天山でよく見かけるキバナアキギリは、八幡岳にも咲いていた。


八幡岳で見るアケボノソウの花は、天山で見るものより大きいような気がする。


ミズタマソウは、雨の水分を身に纏い、本当に水玉になっていた。


平六さんがいちばん喜んでおられたナンバンギセル。
今年ようやく逢えましたね。


サイヨウシャジンも雨に濡れて美しい。


なんと、コキンバイザサを発見!
嬉しい!


リンドウの花が咲くにはもうちょっと時間が必要。


タヌキマメは、太陽が出ていないからか、花がなかった。


ツルボは至る処に咲いていた。


11:55
八幡岳での自然観察会が終わり、ここで解散。


平六さん、藤井先生、ありがとうございました。


リーフさん、ビスターリさん、お母ちゃん、まったはん、タクの5名は、八幡岳のキャンプ場で昼食。
その後、雨も止んだので、5名で天山に向かった。

今日は、秘密のルートの探索。
まず出逢ったのは、レイジンソウの群落。


正直、ビックリの大群落であった。
まだ蕾が多かったので、10月いっぱい花が楽しめそうだ。


白花のツリフネソウを発見!


白地に赤い水玉が映える。


オタカラコウもたくさん咲いている。


ミョウガの花が美しい~


アケボノソウがこんなところに……
しかも、こんなにたくさん……
驚き~


花弁が4枚のアケボノソウ。


キバナアキギリもこんなところに……


ツルニンジンも咲いている。


タカクマヒキオコシを発見!


得も言われぬ美しさ。


タマアジサイの花もあった。


今日は朝から雨であったが、八幡岳と天山の両方で自然観察ができて、とても有意義な一日を過ごすことができた。
雨に濡れた植物たちは、皆イキイキとして、生命力にあふれ、輝いていた。
雨の日の花たちも素敵だった。
皆さん、ありがとうございました。

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