一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

登吾留山 ……“蘭、らん、ランの森”に、今年もまた、花はただ咲く……

2016年05月10日 | 登吾留山
5月8日(日)に、登吾留山でシライトソウを見た後、
実は、別の登吾留山の“蘭、らん、ランの森”に、
キンラン、ギンラン、エビネラン、サイハイランなどを見に行ったのだった。
そのことを書かないでおくのは、少し勿体ないかなと思い、
今日、出勤前に、ちょっと書いておこうか……という気になった。

その前に、
みなさんは、「花目」(はなめ)という言葉をご存じだろうか?
山仲間の言葉なので、
辞書などには載っていないのだが、
「花を見つける目」というような意味で、
「あの人は花目もっている」などと使う。
山の初心者には、この「花目」はほとんどない。
登ることに一所懸命で、
他には目がいかないということもあるが、
気持に余裕がないというのも原因であると思う。
山慣れして、気持ちに余裕ができてくると、
周囲が見えるようになり、「花目」もできてくる。
花を見つけることができるようになってくるのだ。
たとえば、山道を歩いているとき、
こんな風景を見たとしよう。
普通の人は、ただ通り過ぎるだけである。
だが、よく見てほしい。
この中に花があるのだ。


ズーム。
判ったかな?
写真の中央を見てみて。


もっとズーム。
もう判ったでしょう。


花に近寄っていく。


もっと近寄る。


そう、キンランが咲いていたのだ。
「花目」ができてくると、
花の方から、
「ほら、ここにいるよ」
と呼びかけてくれるようになるのだ。


まあ、この日訪れた登吾留山の“蘭、らん、ランの森”は、
「花目」を必要としないほど、たくさんの花が咲いていたんだけどね。


あっちにも、




こっちにも、




目移りするほど咲いている。


もっとも美しかった株は、これかな。
遠くから見たときは、黄色いスイセンかなと思った。(笑)


いいね~


真上から見ると、もっと美しい。


角度を変えてパチリ。


個人的に好きだったのは、このキンラン。


立ち姿が美しい花であった。


キンランを堪能したので、
ギンランを探す。
「あった~」


いいね~


たくさん花をつけたギンランを発見。


ギンランはキンランよりも見つけるのが困難なので、
見つけると嬉しい。


「美しい~」


サイハイランの群生地も見つけたが、


まだ開花していなかった。
これからに期待。


ちょっと場所を移動して、


エビネランを見に行く。


咲いてる、咲いてる。


こちらも目移りするほど咲いている。




いいね~


もちろん、キエビネも咲いている。


美しい~


さらに、場所を移動して、


チゴユリに逢いに行く。
小さくて、


カワイイ花だ。


イチヤクソウは、まだ蕾だった。


また見にくることにしよう。


この他、
頬をピンクに染めたギンリョウソウや、




葉の中に花を咲かせるハナイカダなども見ることができた。




人間の世界がどうであろうとも、
花は、咲くべき場所に、今年もまた、咲いていた。
“花はただ咲く”ということが、
とても有難いことに思えてきた。

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