たけしはほっとため息をつき、囁くように言う。「6000円です」
「おまえ、そんな金ももねーのか」
「はい・・」
「いつでもとりにこい、今俺は渋谷のセルリアンタワーだ」
「今から、急いで向かいます」
そう言って電話を切ったたけしは、ジャケットを拾い上げ駅に向かった。
午後4時30分。
渋谷駅に着くと、駅前をストリートミュージシャンが占拠している。聞くに堪えない彼らの演奏に「俺なんか死んじまえ!!」と怒鳴り散らし、歩いていく。
たけしの声に、そして素振りに周囲の人々は、首をかしげ、異常者を見るように、しかし淡々とそれぞれの道を歩いて行く、何も係わり合いを持ちたくないかのように。
五分ぐらい歩くとセルリアンタワーに到着した。
待ち合わせの33階のレストランで少し遅めの昼食を口にしている満をみつけた。
「満さん、急にすいませんでした」たけしはそう言って丁寧に頭を下げた。
「早いな・・」そういうと満は眼鏡をはずしギョロっとした目でたけしの顔を見上げた。
「おめーの心臓持ってきたんだろうな」
にやりと笑みを浮かべた満は困ったたけしを見て言葉を棒のように投げる。
「なんなら、ここでえぐってやってもいいぞ」
「勘弁してください、それだけは・・」
「お前俺にいくら借りてるか覚えてるか?」
「は、はい」
「いくらだ、言ってみろ」
「2000万です」
「利子は?利子つけて言ってみいや」
「・・・・」
「まあいい、座れ」
緊張の糸がほどけて、たけしは寄りかかるように椅子に座った。
「おまえ、そんな金ももねーのか」
「はい・・」
「いつでもとりにこい、今俺は渋谷のセルリアンタワーだ」
「今から、急いで向かいます」
そう言って電話を切ったたけしは、ジャケットを拾い上げ駅に向かった。
午後4時30分。
渋谷駅に着くと、駅前をストリートミュージシャンが占拠している。聞くに堪えない彼らの演奏に「俺なんか死んじまえ!!」と怒鳴り散らし、歩いていく。
たけしの声に、そして素振りに周囲の人々は、首をかしげ、異常者を見るように、しかし淡々とそれぞれの道を歩いて行く、何も係わり合いを持ちたくないかのように。
五分ぐらい歩くとセルリアンタワーに到着した。
待ち合わせの33階のレストランで少し遅めの昼食を口にしている満をみつけた。
「満さん、急にすいませんでした」たけしはそう言って丁寧に頭を下げた。
「早いな・・」そういうと満は眼鏡をはずしギョロっとした目でたけしの顔を見上げた。
「おめーの心臓持ってきたんだろうな」
にやりと笑みを浮かべた満は困ったたけしを見て言葉を棒のように投げる。
「なんなら、ここでえぐってやってもいいぞ」
「勘弁してください、それだけは・・」
「お前俺にいくら借りてるか覚えてるか?」
「は、はい」
「いくらだ、言ってみろ」
「2000万です」
「利子は?利子つけて言ってみいや」
「・・・・」
「まあいい、座れ」
緊張の糸がほどけて、たけしは寄りかかるように椅子に座った。