前回の投稿より、体調不良(眠くて眠くてしかたがない)ぎみでした。その上、精神療法の体験を、治療者の視点でまとめる従来の事例報告ではなく、精神療法を受けた患者さん側の体験に添ってケース報告をすれば、小説風になって面白いだろうと思い、書きあげました。それをある出版社に送ったら、とても面白いと言われ、もう一つか二つ、ケースを書き足してほしいとの事でした。
私の記憶にはっきりあり、時々患者さんの発言をメモしたものもあり、それをまとめると、前の分と合わせてほぼ一冊分になりました。そんなことをしていると、患者さんの体験についていろいろ連想が浮かび、自分としてはかなり没頭していました。
本のテーマは、今のところ、
「私」が私になりゆくために
- 心の病に陥った私が受けた精神療法 -
と、考えています。その内容は、
第一部 「常識」がもつ落とし穴
第二部 「良い子」の危なさ です。
この本は精神療法の知識のない、普通の人が読むと、その基本が解りやすく記されています。また、精神療法家が読んでも、私の患者さんへの対応について、吟味したり、納得したりなど、読んだ人の連想を刺激して、私としてはかなりエキサイティングなものに仕上がっていると思います。
このような視点は精神療法の新たな視点であり、かつ、専門家が書く小説の一つのジャンルを形成するきっかけになるかもしれません。
無論、この本は精神療法を一般に知ってもらうという目的もありますが、もっと深いところでは、現在の学会の保守的な有り様を基本的に問い正すという目的もあります。出版社は3冊目ぐらいまでの構想がある様子ですが、まだ、私には未定です。
とりあえず、近況の報告まで。
きのう原稿を送ったので、ホッとているところです。