年越しの
そばに代わりて
ミーゴレン
日本では、今頃、年越しそばや紅白歌合戦やらで、バタバタしていることと思います。
こちらは、近所の人が亡くなって、法要をしている横で、個人がパンパンと、しょぼい花火をあげています。
前にも書きましたが、バリでは、お葬式の日は悲しむのでなく、皆が集まってワイワイ、ニコニコしています。
何しろ、お葬式に楽団がつくぐらいですから。
やっと、苦しいこの世から、何の悩みもないあの世への旅立ちを祝っているかのようです。墓など立てずに燃やしてしまって、そのままです。この世は仮の世で、仮の身体だから、自然に戻してしまうのでしょう。横から見ていると、何だかあっけらかんとして、日本でいう葬式とは、えらい違いなのです。ただ、子どもが亡くなった場合は、「命をまっとうできずにかわいそうだから、火葬はせずに土葬をして、小さな木みたいものを植え、暑いから日傘を立てる。」と、メイドのアリさんが言っていました。
先ほども、花火の音がポンポンするので、庭に出たら、止まってしまいました。年末などで、年の終わりにお葬式の話となってしまいました。
子どものお墓です。
バリの朝食です。
マンゴスティン、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、マンゴ、梨、バナナ ジュースはマンゴとライムのあっさりしたものです。
直子の便り
きょうの昼間、おとなしいメイドのアリさんが庭の方を見ていて、急に悲鳴をあげました。
私が「なに、なに。」と叫ぶと、海の方を指さし、「クロコダイル、クロコダイル」と叫んでいました。よく見ると、海側から1メートルぐらいのクロコダイルがこちら側に向かって、ごそごそ来ていました。私がアリさんより大きな悲鳴をあげました。次の瞬間、怖くても写真を撮らなくちゃと思って、そろりそろりと近づいて行くと、プールの機械室の横にいたハウスキーパーのダンデイさんが「オオ。」と叫んだら、アッと言う間にクロコダイルは逃げていきました。私が残念がっていたら、アリさんが手招きしてくれて、隣の空き地の草むらにいるのを見つけてくれました。私が喜んで写真を撮ろうとしたら、クロコダイルは突然、身体を伏せ、動かなくなりました。アリさんがクスッと笑って、「昼寝、昼寝、おやすみなさい。」と言ったので、私も諦めて、二人で「ダダ(バイバイ)」と言って帰りました。そして、アリさんが「キラキラ、ママ。(おそらく、お母さんよ。)」と言ったので、私は「アリさん、分かる?すごいね。」と言ったら、「サヤ、ルパ(私、忘れてた。)」と言い、おととい、15センチぐらいのクロコダイルの赤ちゃんがプールに水を飲みに来ていたらしいのです。何故、私に教えてくれなかったのと言うと、また、笑って、「サヤ、ルパ」と、また言っていました。それで、今度は私が「キラキラ、パパいるよ。」と言ったら、アリさんが少し考えて、「そうそう。」と言って、「後で、後で、クロコダイルがいっぱい増えて、どんどん大きくなって、直子を食べるよ。」と、ケラケラ笑いだしました。「直子、ダメ。先生のポッチャリお腹だけ、マカン(食べる)OK。」と私がいうと、皆が大笑いしました。
ヌルルさんが「正確には、クロコダイルではなく、コモドドラゴンで、バリでは、ピアワと言って、そんなに大きくならずに沼に住み、魚や鳥を食べ、人間は食べない。」と教えてくれました。
アリさんも生れて初めて、ピアワを見たそうです。おとぎ話のような毎日です。