武井武雄をあいする会

童画家武井武雄が妖精ミトと遊んだ創作活動の原点である生家。取り壊し方針の撤回と保育園との併存・活用を岡谷市に求めています

岡谷市議会会議録より3(平成21年6月定例会)

2013年06月29日 17時57分41秒 | 岡谷市議会会議録
武井武雄をあいする会の設立趣旨入会申込み生家の保存・活用を求める署名生家保存・活用のための募金


岡谷市議会会議録

平成21年6月定例会
平成21年6月19日

◆2番(武井富美男議員) おはようございます。2番 武井富美男です。
 次に、大きな4番、武井武雄生家敷地についてでございます。
 (1)西堀区の提言書への対応でございます。
 これは、今年4月16日に西堀区が武井武雄生家土地についての提言書を市に提出しました。その際、市長は、慎重に検討するとの趣旨の発言をされましたけれども、市は、従来の取り壊し方針を今後どのような方向で考えていくのかお聞きします。
 次に、(2)教育委員会の対応と建物の詳細調査の実施でございます。
 今回の西堀区の提言書を見て、市教育委員会は、文化遺産としての生家をどのようにすることが望ましいと考えているのか、また、詳細の建造物調査をする考えはないのかお聞きします。
 次に、(3)西堀保育園の建替えでございます。
 提言書の中に西堀保育園の建てかえのことが記されております。平成20年度に作成されました岡谷市保育園運営計画に保育園の適正配置のことが記されていますが、保育園と地域との結びつき、過去の地元区との経緯等と見ると、統廃合の困難な園もあると思います。西堀保育園についての統廃合の考え方は、現在どのように考えておられるのかお聞きします。
 次に、(4)あるき太郎花回廊であります。
 市では、著作権が寄贈されたことにより、岡谷市のまちづくりに武井武雄のキャラクターをたくさん使用されております。この4月に行われましたまちづくりウォーキング事業にもあるき太郎を使用されていますが、都合よく作品のみを利用し、生家に市民の視線が行くことを避けております。なぜ横河川とそんなに遠くない武井武雄の生家を周遊コースに入れなかったのかお聞きします。
◎経済部長(小泉光世君)次に、大きな4番の、武井武雄生家敷地についての(1)の西堀区の提言書への対応についてでありますが、武井武雄生家敷地が岡谷市に寄贈されたことに伴いまして、約1年間にわたる生家を考える会の真剣な御討議を受けた形で西堀区からの提言をいただきました。この提言の中で、生家建物の保存を要望するという御意見とともに、西堀保育園を生家と有機的に結合させて新築する、ほかに委員さんからのさまざまな御意見もいただいております。
 市といたしましては、寄贈契約に至る経過を尊重すべきと考えており、基本的に損傷の激しい建物は取り壊し、敷地は武井武雄生誕地として童画のまちづくりに生かしていくという方針を容易に変えることはできないと考えております。この基本的な方針を踏まえて、地元の皆さんの御理解をいただけるよう慎重に具体的な利用方法の検討を続けてまいりますが、その間につきましては、取り壊しを見合わせてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◎教育部長(松本哲郎君) 数点お答えをさせていただきます。
 まず、大きな4番、武井武雄生家敷地についての(2)教育委員会の対応と建物の詳細調査の実施についてでございます。
 武井武雄生家について、西堀区から提出されました提言書を拝見させていただきましたが、武井武雄の生家は保存するとともに、隣接する西堀保育園を生家と有機的に結合させた保育園として整備すべきという御意見と、その反面、寄贈契約また特別縁故者の要望は尊重すべきであり、とりあえず市の方針にこたえ、市の検証方法を見守るという御意見のほか、いろいろなさまざまな御意見をいただいております。
 武井武雄生家が江戸時代に建てられた中級武士の家という観点から、文化財的な価値を考えますとき、過去に2度の火災に見舞われたことや貸家をしていたころに大幅な増築工事や改修工事が加えられたことなど、そのまま江戸時代の建物として受け入れていくには保存状態はよくないものと認識をしております。
 昨年12月の定例議会でも一定の答弁をさせていただいておりますが、現在、市としましては、生家敷地等も含めまして寄贈を受けた際の経過を尊重すべきとしており、教育委員会といたしましても同様に考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、建物の詳細調査につきましては、今後必要があれば行ってまいりたいと考えております。
 (3)西堀保育園の建替えでございます。
 昨年度策定をいたしました保育園運営計画の中で、保育サービスのニーズが多様化している現状を踏まえ、児童福祉の向上を図りながら、一方で児童数の減少に伴う保育園運営の効率化の観点から、保育園の適正配置を検討することとなっています。適正配置の方法といたしまして、統廃合も検討してまいりますが、統廃合の基準としましては、計画期間中に児童数の減少が著しい場合や施設の安全面から整備の必要があるものの、児童数や用地などの状況によって新たな整備が適当でない場合に、廃園または他の園との統合を行うため、保護者や地元関係の皆様方と協議を行うこととしております。したがいまして、西堀保育園につきましても、この計画を基本に今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
◎福祉政策担当参事(小口啓子君) 大きな4番、武井武雄生家敷地についての(4)あるき太郎花回廊についてお答えさせていただきます。
 なぜ武井武雄生家を周遊コースに入れなかったのかについてでございますが、今回あるき太郎花回廊のコースの検討に当たりましては、横河川の桜の並木を中心に距離6㎞、所要時間2時間として詳細を検討いたしました。あるき太郎のキャラクターを利用させていただくことから、武井武雄生家を組み入れるかどうかも検討をしたところでございます。検討の結果、生家をコースに含めると、横河川から生家まで西堀新道を利用する場合、コースの距離が長くなり所要時間が延びてしまうこと、そして、特に西堀新道の交通量を考慮すると、多数の参加者が歩行することは危険であると判断し、通常のコースには入れないほうがよいという結論となったものでございます。
 しかし、今回の花回廊のコースには、参加者が自由に動ける設定にもなっておりました。見たいところ等の情報提供として、生家もウォーキングガイドのマップ上に表示をさせていただきました。
 以上でございます。
◆2番(武井富美男議員) 次に、大きな4番、武井武雄生家敷地についてでございます。
 西堀区は、約9カ月かけまして生家を考える会の答申を踏まえて、市に提言書を提出しておりますので、その重みをよく受けとめていただきたいと思っております。まず、西堀区の提言の重みを、市民総参加のまちづくりの観点から市はどのように受けとめられておられるのかお聞きします。
◎経済部長(小泉光世君) あの提言により、地元の皆さんのさまざまな思いを伝えていただいたというふうに考えております。その意味でも、慎重に検討することが大切であるというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◆2番(武井富美男議員) 市は、先ほどの答弁の中に、慎重に具体的な利用方法の検討を続けるけれども、その間は取り壊しを見合わせるとの答弁でございました。検討のきっかけとなるものは何かということと、またどのぐらいの期間検討されていくのか、概略で結構ですのでお願いします。
◎経済部長(小泉光世君) 先ほども申しましたとおり、あの提言の関係につきましては、慎重に検討するということでありまして、そういう意味でも期間は特に設けずに、財政状況とか、また生家を取り巻く状況等を十分に考慮しまして考えてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
◆2番(武井富美男議員) 次に、教育委員会のほうにお聞きしますけれども、先ほど部長のほうの答弁の中に、西堀区の提言の内容は、私は2つだと思っていますけれども、もう少しあるようなことを言われましたけれども、その点だけ確認したいと思っています。
◎教育部長(松本哲郎君) 御答弁で申し上げましたとおり、さまざまな御意見ということで感じておりますけれども、内容として大別しますと、1点が生家の保存するとともに隣接する西堀保育園との有機的な結合という御意見と、もう一つ、市の対応について見守る中で検証方法を考えていく、検証方法を見守るという、大別すればその2つかなというふうに感じております。
◆2番(武井富美男議員) 今、検証方法を見守るという話は、これにつきましては、生家を考える会が出した話でございまして、区としては、そのようなことは意見としてはあったということは書いてあるかと思いますけれども、その点だけ間違いないようにしてもらいたいと思っていますけれども、どうでしょうか。
◎教育部長(松本哲郎君) その辺は、御指摘のとおり、区別して認識するようにいたします。
◆2番(武井富美男議員) 教育委員会は、かつて旧渡辺家住宅だとか、旧林家住宅を文化財指定し復元修復工事をしたときのように、なぜ元気を出して武井武雄家について執行機関としまして積極的に対応しようとしないのか、教育委員会としましては、あるべき姿とか理想像というものがあると思います。また、教育委員会発行の岡谷歴史の散歩道には、この建物の重要性と保存の必要性がうたわれていると思います。
 また、教育委員会は長屋門の前に標柱を立ててございまして、いわれまで書いてあるのであります。また、先般シルキーチャンネルでは、岡谷歴史散歩道としまして建物を映して、建物のいわれまで述べているのではないでしょうか。これを壊すことに賛同するのでしょうか。この点、教育委員会の見解をお聞きしたいと思っています。
◎教育部長(松本哲郎君) 教育委員会といたしましては、あくまでも市の方針に合わせていくということでございますが、いずれにしましても、武井武雄生家の大事な部分といいますか、提言にもございますように、非常に童画の父と言われた武井武雄の部分で童画美術館もございますし、文化を発祥するというようなことで市としましてはそういう取り組みをしておりますので、そんな部分を含めまして非常に武井武雄の顕彰という部分では非常に大事な部分だというふうに考えておりますが、いずれにしましても、市の考え方に沿っていくということでございますので、よろしくお願いします。
◆2番(武井富美男議員) 余りしつこく言うのもあれですけれども、先ほどの答弁の中に、2度の火災だとか貸家をしていたころに大幅な増築だとか工事が改修等がなされた、そのまま江戸時代の建物として受け入れていくのは保存状態よくないと言われていますけれども、私は、渡辺家住宅が建てかえしたときのことを少し知っていまして、あのときは渡辺家住宅も教員住宅として多分使っていたときがあったと思うんです。教員の先生が使っていたことがあった。そのためにかなり改築等、いじられておりましたけれども、実際は復元修復工事をしておりますので、それらを踏まえて武井武雄をどうするかについても検討してほしいと思っています。
 次に、西堀保育園建替えでございますけれども、現西堀保育園敷地は、武井武雄先生が児童の育成こそ僕の最大の念願と言いまして、子供の教育育成には熱い思いを持っておりまして、西堀区に寄贈したものでございます。西堀保育園は、昭和41年に建てられた木造平屋の老朽化した建物でございますので、早期に改築が必要と思われます。私は、現保育園ができた経緯、武井武雄先生の思いからしますと、統合して他の位置に建てかえるのは非情なことだと思いますし、西堀保育園は保育園運営計画をクリアしそうな気がしますので、ラムラム保育園など、西堀区の提言どおりに進められますように強く要望します。
 次に、あるき太郎花回廊でございますけれども、私の言いたいことは、もっと武井武雄先生を大事にしてほしいということでございます。都合よく作品は使うけれども、後のことは知らないという冷たい行政の姿勢が感じられます。市では、当日、長屋門をあけまして若干人が訪れたようでございますけれども、何人ぐらい来られたのかお聞きします。
◎福祉政策担当参事(小口啓子君) 当日、生家に見学においでいただいた方は9名ということでございます。
◆2番(武井富美男議員) 9人ということでございますけれども、市では、このことをどのようにPRしたかわかりませんけれども、このことを知らない人が多かったと思います。あるき太郎というならば作者の武井武雄先生の生家をここだぐらいはしっかり見せてほしかったと思っております。先ほど西堀新道の交通量を考慮すると危険だということもお話しされましたけれども、その危険という西堀新道は小井川小学校の通学路となっております。
 私は、武井武雄先生のあるき太郎を読みますと、あるき太郎は1人で旅に出て、あちこちでいろいろな交通手段を使ったり歩いたりしまして、最後は自分の家に戻ってくるというストーリーになっていますけれども、いつの日か、このあるき太郎という書物が改訂出版をされまして、最後のくだりが、1人旅を無事に終えて帰ってきたら、家が壊されてありませんでしたとならないよう強く要望するものでございます。市は、人が暮らした家というものをもっと温かい目で見てほしいと思っています。


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