武井武雄をあいする会

童画家武井武雄が妖精ミトと遊んだ創作活動の原点である生家。取り壊し方針の撤回と保育園との併存・活用を岡谷市に求めています

岡谷市議会会議録より1(平成20年6月定例会以前)

2013年06月21日 22時31分58秒 | 岡谷市議会会議録
武井武雄をあいする会の設立趣旨入会申込み生家の保存・活用を求める署名生家保存・活用のための募金


岡谷市議会会議録

平成2年6月定例会
平成2年6月7日

◆20番(宮崎福二君) あと武井武雄美術館でございますけれども、武井武雄先生の生家が非常に御立派で門構えもすばらしいと、この間写真をいただきました。あの由緒ある建物を保存することを考える中でぜひあの地へつくったらどうかと私としては考えますし、地元の西堀区等でもそのような意向があるようでございますので、そのようなお考えはどうかということをもう1回お尋ねしたいと思います。

◎教育長(八幡栄一君) 武井武雄先生のお宅は門構えでありまして、しかも非常に古いお宅でございますが、先日千葉大学の大川教授に内部にわたって調べていただきました。
 文化財として保護するのには問題があるということでございます。非常に改造が多いということでございます。さらにあの土地へ美術館に類したものということでありますが、あれは御遺族の土地でございますので、私どもが今さらどうこうということは申し上げられないのですが、将来考えていく上で1つの候補地にはなろうと思っています。以上です。


平成8年9月定例会
平成8年9月11日

◆18番(三井正二議員) 18番 三井正二です。通告順に従いまして質問をさせていただきます。
 続いて6番目であります。故武井武雄宅の、いわゆる生家の保存についてであります。
 長い間議論されてまいりましたけれども、中央町再開発の第2街区に、アミューズメント施設の一角に、観光文化施設として武井武雄氏の、一応仮称として日本童画館が決まりました。具体的には平成10年の春オープンを目指してこれから着工していくことになっていくわけでありますけれども、当然完成をすれば、大勢の皆さん方がその童画を見に来るというふうに思います。しかし、より以上、やはりそうした童画に対する関心、夢などを持ってもらうためにも、郷土から生まれた童画家の武井武雄というものをよく知ってもらうために、やはり生家というものが現在ある以上、それをひとつ保存をして、できる限り岡谷を訪れた皆さん方に知ってもらう、こういうことも大変私は大事なことではないだろうか。そうしたつながりを持ちながら、本当に深く知っていただくということが、これからより以上、そういう童画館をつくったにしても関心を持ってもらうことになるんではないだろうかというふうに思っているわけであります。そういう点で、市として、現在ある武井武雄宅を保存をして、できる限り一般の皆さんにそうしたものを見てもらう。こういうことをやっていってもらえるようなお考えはないのかどうか。この1点をお聞かせをいただきたいと思います。

◎市長(林新一郎君) 三井議員さんの御質問にお答えします。
 武井武雄の生家の保存についてでございます。
 童画館の建設に当たって、武井先生の御遺族である武井美春(注 正しくは「三春」。以下同じ。)さんと、どのような館にしていくかについて御相談させていただいておりますが、生家の保存についての話をした経過はございません。生家の保存については、市として保存することは難しいお話であると考えますが、地元の皆さん、また御遺族の武井美春さんの御意向もお聞きしながら、機会をとらえ、お話をさせていただければありがたいと考えております。

◆18番(三井正二議員) それから、武井武雄宅の保存についてですけれども、これは少し、何か聞いておりますと積極性がちょっと感じられない。何か話し合って、向こうがいいと言えばやってやるけれどもというような感じですけれども、市として、少なくとも第2街区に童画館を、そういうものをつくるということになった場合に、恐らくやはり来た人たちも、武井武雄というものはどういう人かということを聞きたいと思いますよ。その場合に生家が実際にそこにあるといったときに、ああいう生家を訪れたときに、一体何というところだ、こういうことにもなりかねないので、それは相手が絶対だめだということならば、これは別ですけれども、ある面では保存の仕方とかいろいろと、これは今後の運営については十分考えていかなければならんわけですが、本当にやる意思があるのかどうか。そういうことについて、もう一度ちょっとお聞かせください。

◎市長(林新一郎君) 故武井武雄の生家に関してでございますが、これは現在相続人であります武井美春さんの個人の財産になっておるわけでございます。市としては、武井美春さんと、この生家のことに関してはまだ何もお話をしてございません。したがいまして、この席ではこれ以上進まないと思いますので、御理解いただきたいと思います。

◆18番(三井正二議員) ちょっと申しわけございません。市長が言われたの、ちょっと私の質問と違うものですから、もう一度ちょっと精査してお答えいただけたらなと思いますが。相手の考え方ではなく、市の考え方を聞いているわけですから。

◎市長(林新一郎君) これは先ほどから申し上げておりますように、武井美春さん個人の資産、財産でございます。武井美春さんの御意向をこれからお伺いして、市としての対応が出てくるのではないかと思っております。現時点では申し上げられないということでございます。

◆18番(三井正二議員) 三井正二です。
 ちょっと時間がございませんので、以上で終わりますけれども、ただ1点、今、市長答弁の中で、私は美春さんとの関係はそこに当然出てくるわけですけれども、市として今日、そういう童画館をつくるに当たって、そういう熱意を持って交渉してみる意思があるのかどうか。これを問うているわけですから、相手がそれはいかんと言えば、それはやむを得ないと思いますけれども、市の考え方を少し、本当に前向きでやるのか、やらないのかということをちょっと問いただしたわけですから、もう一度お願いいたします。

◎市長(林新一郎君) 武井武雄の生家に関しましては、地元西堀区でも水面下の動きがあるやに聞いておるわけでございます。そのような状況の中で、現時点では何も岡谷市として明確なことを申し上げられないという状況でございます。


平成19年6月定例会
平成19年6月12日

◆2番(武井富美男議員) 2番 武井富美男でございます。
  岡谷市の生んだ童画家武井武雄先生の作品は、御承知のとおり、その多くがイルフ童画館に納められまして、展示をされております。そのメルヘンチックな作品は多くの人を魅了し、市民のほか、内外の多くの方々に見ていただいているところでございます。また、武井武雄先生の作品は、ハード、ソフト両面にわたりましてまちづくりに生かされておりまして、岡谷市は特色あるまちづくりとしまして童画のまちづくりを推進しているところでございます。
 さて、昨年5月、武井武雄先生の長女の方が亡くなられましたけれども、武井武雄先生の作品を中心とした童画のまちづくりを推進している岡谷市にとって貴重な作品、また西堀の生家の行方が心配になるところでございます。現在、市として先生の作品、生家等についてどのように市は考え、どのように対応しているか、お聞きします。
 次に、(2)相続財産の整理の時期であります。
 民法の特別縁故者となるかもしれない人がいるようでございますけれども、その人への財産分与及び相続財産の国庫への帰属の可能性も含めまして、最終的にいつごろ財産の整理がなされる見込みでしょうか。

◎経済部長(小泉光世君) 大きな3番の武井武雄の作品、生家等についての(1)の市としての考え、対応についてでありますが、岡谷市としまして、童画のまちづくりを進め、イルフ童画館を運営していく上で、武井武雄の作品及び著作権については今まで同様の使用ができる状況にしてまいりたいと考えており、三春氏が亡くなられた後、昨年末に東京家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、現在は相続財産管理人のもとに管理されております。作品についてでありますが、岡谷市の童画のまちづくりに対する考えを相続財産管理人に御理解いただき、ほとんどの作品を当分の間、市に寄託をいただくこととなり、イルフ童画館において適切に管理をしているところであります。また、著作権の使用についても、従来と同様の取り扱いを認めていただいているところであります。
 いずれにしましても、作品の所有者や著作権がどうなるのか、西堀の生家など、その他の財産はどうなるのかは基本的に個人の相続財産であり、最終的には東京家庭裁判所の判断となります。今後とも、童画のまちづくりに支障がないよう対応してまいりたいと考えております。
 次に、(2)の相続財産の整理の時期でありますが、法的相続人の明らかでない場合は民法の規定により相続財産は法人化され、相続財産管理人のもとに管理されます。一定の期間、債権者、相続人の捜索がなされ、清算後、残った財産が特別縁故者の申請により分与され、残余財産は国庫に帰属することとなっております。武井三春氏の場合は法定相続人が明らかでなく、民法上の規定により相続財産は財産管理人のもとに管理されております。現在は相続人捜索の公告に入った段階にあると聞いております。この期間は6カ月以上とされており、ここで相続人がいないことが確認された後、特別縁故者が3カ月以内に申し立てを行うことになっております。これらの手続の期間から考え、最終的に財産の整理がなされるのは少なくとも9カ月以上先になるというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆2番(武井富美男議員) この問題は基本的に個人の財産に関するものでございますけれども、相続財産管理人も官報でもって公告されておりまして、公にされております。御答弁のとおり、最終的には家庭裁判所の判断を待つしかありませんが、市として財産管理人に申し出できることは、積極的に対応してほしいと思います。
 なお、私は、財産管理人とよく連絡をとりながら、作品を何とか市のものになるように努力をしてほしいと思いますし、また地元西堀の生家の行方がどうなるのか、西堀の生家が国有財産となりまして、即競売に付されたのでは心配でございます。そこで、1点お聞きします。時期を見て、また必要に応じまして、地元西堀区にも説明をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか、お聞きします。

◎経済部長(小泉光世君) 現状は相続人を捜しているところでありまして、また個人の財産の相続にかかわる問題のために慎重な対応が必要であるというふうに思われますが、地元区等に説明する必要が生じた場合には、適切な時期に対応を検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆2番(武井富美男議員) よくわかりました。ある時期が来ましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
 それから、もう1点お願いします。現在、市に寄託されている作品はどのくらいあって、これを財産管理人の許可を得まして早期に展示できないものかどうか、お伺いします。

◎経済部長(小泉光世君) 現在、市に寄託されております作品は、原画、版画類、約2,000点のほか、刊本作品、アルバム、制作資料、書籍類などがあります。お預かりした作品や、その資料は、現在イルフ童画館におきまして分類、整理を進めているところであります。現在、行っておりますその分類、整理に見通しがついた段階で、なるべく早期に展示をしたいというふうに考えておりますが、非常に多くの、また貴重な作品等でありますので、イルフ童画館のPRにつながるような効果的な展示の方法と、そのタイミングを考えてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。


平成19年12月定例会
平成19年12月13日

◆2番(武井富美男議員) 2番 武井富美男でございます。
 次に、大きな3番、武井武雄作品、生家等についてでございます。
 この件につきましては、ことしの6月の議会に一般質問をいたしましたが、その続きとなるものでございます。私は、岡谷市が生んだ童画家、武井武雄先生の作品を中心とした童画のまちづくりを推進する立場から質問させていただくものでございます。
 (1)としまして、著作権や生家についての市の考え方と今後の見通しでございます。
 これは、過日、経済建設委員協議会にも報告がされ、また、新聞報道もされておりますけれども、作品、資料等は特別縁故のあった方から今年9月に東京家庭裁判所の許可を得て岡谷市に寄贈されましたが、著作権だとか自分の生家、土地・建物でございますけれども-につきましては、どうなるのでしょうか。市は、その必要性をどのように考えているのかお聞きします。
 次に、(2)相続財産の処分の最終的な時期でございます。
 これは、東京家庭裁判所による最終的な決定はいつごろになるのかということでございます。
 次は、(3)寄贈作品の一般公開の時期についてお聞きします。

◎経済部長(小泉光世君)  次に、大きな3番の武井武雄作品、生家等についての(1)の著作権や生家についての市の考え方と今後の見通し、それと、(2)の相続財産の処分の最終的な時期についてでありますが、まず、武井武雄作品の著作権や生家、敷地につきましても、寄贈いただきました作品と同様、武井武雄氏がつくり上げた童画文化を後世に伝え、岡谷市の童画のまちづくりを進める上で重要な財産であると考えております。また、武井三春氏と特別に縁故のあった方からは、なくなった三春氏の遺志であるので、作品や製品、制作資料、著作権、西堀の生家、敷地については、武井武雄の童画文化を守り、童画のまちづくりを進めていくため、岡谷市に無償で受け取ってほしいというお話をいただいていることもあり、相続財産管理人に対しまして本年8月にこれらを無償譲渡していただくようお願いをいたしました。その結果、作品資料につきましては、本年9月岡谷市に無償譲渡をいただいたところでございます。著作権、西堀の生家、敷地につきましても、作品、資料と同様、無償譲渡を受けられるよう、現在、話し合いを進めているところであります。
 次に、今後の見通し及び財産処分の最終的な時期についてでありますが、現在、本年12月下旬までの間、相続人捜索の公告が行われております。その後に、特別縁故者が3カ月以内に相続財産の分与を申し立てることとなっております。申し立ての後、債権者への支払いが行われ、残った財産について東京家庭裁判所の判断により、その一部または全部が特別縁故者に分与され、さらに残った財産は国庫帰属となるものでありますが、これらの最終的な手続にどのぐらいの期間を要するかは法的に定められておらず、具体的にはわかりませんので、よろしくお願いいたします。岡谷市に無償譲渡をいただけるかどうか、また、その時期はあくまでも東京家庭裁判所の意向によることとなり、岡谷市は相続財産管理人等との話し合いを続けながら、その判断を待つものであります。
 次に、(3)の寄贈作品の一般公開の時期についてでありますが、今回寄贈を受けたものは、絵本原画、タブロー画、版画などの作品はもちろんですが、制作ノート、写真、日記など、武井を知る貴重な資料も数多く含まれており、現在、作品を初め資料等の整理を童画館にて進めていただいているところであります。公開の時期ですが、来年度童画館が開館10周年を迎えることもありますので、この1年間を武井の誕生から晩年にかけての生涯を5期に分け紹介していく展示を童画館において計画しており、その中で未公開作品や資料等を随時公開していく予定であります。
 また、制作ノート、写真、日記などの武井に関する貴重な資料等は、展示にあわせ一般公開を行いながら、今後、総合的な武井の研究に役立ててまいりたいと考えております。

◆2番(武井富美男議員) 
 著作権だとか生家についての市の考え方は、作品と同様、岡谷市の童画のまちづくりを進める上で重要な財産であると考えているとのことでございまして、無償譲渡を受けられるよう、現在、相続財産管理人と話し合いがされているとのことでありまして、ぜひ今後のさらなる努力に期待するものでございます。
 また、寄贈作品の一般公開の時期も来年度ということでございますので、ぜひ早期に公開をお願いしたいとお思います。
 ここでもって1点お聞きしたいんですけれども、仮に生家の土地、建物が市に寄贈された場合、武井武雄先生の童画文化を守り童画のまちづくりを進めていく上でも、生家の保存をすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

◎経済部長(小泉光世君) 仮に土地、建物が岡谷市に寄贈された場合ですけれども、建物につきましては、議員さんたちにも見ていただいておりますけれども、老朽化がひどくて現状のままで保存することは相当に困難ではないかというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆2番(武井富美男議員) どうもありがとうございました。
 建物の老朽化がひどくて、また現状のままで保存することは相当に困難であるのではないかということでございますけれども、地元の西堀区だとか武井武雄ファンの意向も踏まえまして、ロマンあふれる作品を残しました武井武雄先生の生家の保存につきまして、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと要望いたします。



平成20年6月定例会
平成20年6月16日

◆15番(横内東洋雄議員) 次に、2番の武井武雄の生家の有効活用についてお伺いします。
 (1)の生家の岡谷市への寄贈でありますが、昨年9月、武井家で所蔵されていた大量の作品群が、長女の特別縁故者より岡谷市に一括寄贈されて以来、引き続き、生家の法的裁定、帰属が注目されていました。これについて漏れ聞くところによると、先月中旬裁判所の決定が下ったということですが、その辺の経過、状況についてお伺いします。
 次に、(2)成長期資料の生かし方ですが、現在、イルフ童画館開館10周年記念展で展示公開されている、生家の蔵から発見されたという武井武雄の幼少・青年期の絵画や自筆資料は、極めて貴重な資料だと思いますが、今後どのように扱っていくのかお伺いしたい。

◎経済部長(小泉光世君) 次に、大きな2番の武井武雄の生家の有効活用いついての(1)の生家の岡谷市への寄贈についてでありますが、武井武雄生家敷地につきましては、本年5月14日に東京家庭裁判所の審判があり、寄贈契約を結ぶこととなりました。今回生家敷地につきましても、特例的に寄贈されることとなったのは、三春氏が大切に守ってきた童画文化を、岡谷市が継承し、さらに童画のまちづくりを進めるために活用するという意思を示したことと、特別縁故者もそれを望んだためであると考えております。
 次に、(2)の成長期資料の生かし方でございますが、武井武雄の幼少期の作品につきましては、今回多くの寄贈を受けたことによる新収蔵作品の公開と、開館10周年記念として武井武雄の生涯を振り返る意味で公開しているものであります。展示後は収蔵庫において保管し管理するとともに、その他の資料とあわせて武井武雄の幼少期の様子を知る上で貴重な資料となると考えておりますので、今後とも、作品・資料等の整理、調査を進めてまいりたいと考えております。
 今後につきましては、今年度開催する武井武雄の生涯、新収蔵作品展の結果等を検証し、来年度以降も、折に触れ展示公開を進めてみたいと考えております。具体的な内容につきましては、指定管理者である岡谷市振興公社と協議してまいりたいと考えております。

◆15番(横内東洋雄議員) わかりました。3社とも円滑な操業が開始されるよう、側面的協力をなお要望しておきます。
 次に、2番の武井武雄の生家の関係に移ります。
 生家の岡谷市への寄贈は、最もふさわしい帰結だと思います。その生家の今後の扱いは、答弁では基本的に取り壊す方向とのことですが、それは余りにも短絡的は判断と言わざるを得ません。それと、市は特別縁故者の意向を踏まえてとおっしゃっていますが、特別縁故者と武井武雄の直接的接点は何もないわけでして、その言葉をうのみにし、これ幸いにその意思を踏まえ取り壊しというのはいかがなものか。そこで、保存を仮定し、再度お伺いします。老朽化した建物の改修及び垣根など防護さくの補修などにはどのくらいの費用がかかるのかお伺いしたい。

◎経済部長(小泉光世君) 今回の寄贈に当たりまして、特別縁故者のほうから、保存には多大な金額が必要となることから、維持できなくなる状況にならぬように、岡谷市として無理なく永続的に武井武雄の童画文化を伝えるために、老朽化した生家建物は取り壊し、活用していってほしいとの要望をいただいております。また、その意向を踏まえまして、老朽化の著しい生家建物につきましては、基本的に取り壊す方向として土地活用をしていきたいというふうに、相続財産管理人に対しましてお話をしてまいりました。
 以上のような経過の中で、寄贈されましたことを重視し、あの建物の記録や調査等に配慮した上で、検討を行ってまいりたいというふうに考えておるということでございまして、そういう中で、改修等につきましては、一般住宅の改修とは違うものと考えておりますので、どの程度専門的に調査し、どの程度に改修するのかで金額は大きく違ってくるものと思われます。保存を仮定した改修等につきましては、現在のところ考えておりません。したがいまして、正確な費用については不明でございますので、よろしくお願いします。

◆15番(横内東洋雄議員) これからでも、ぜひ見積もってほしいと思います。
 そこで、参考に教育委員会にお伺いします。文化財の視点から、武井武雄生家をどのように見られ、考えておられるのか。また、市文化財審議会に諮問することになりそうかどうかお伺いします。

◎教育部長(小林利男君) 武井武雄の生家ということよりも、江戸時代に建てられました中級武士の家ということで、そういった部分で文化財的な価値があるかどうかという部分だと思っております。経過を見ますと、過去に2度火災に見舞われましたし、また、一部民間の人に貸家をして、相当大幅な増築工事、改修工事等も加えておりますので、仮に正式に市という部分になりましても、そういった状況も含めまして、また、文化財審議委員会に諮問するかどうかも含めまして、検討していきたいと思っています。
 以上です。

◆15番(横内東洋雄議員) 本音で答えづらい今のお立場も若干理解できますので、一応了としておきます。
 引き続き、経済部サイドで質問を続けます。
 生家の取り扱いについて、地元西堀区の意向はどうか。このことで西堀区側と話し合ったことはございますか。

◎経済部長(小泉光世君) 地元であります西堀区長さんからは、生家敷地が寄贈される見通しとなった場合には、区として意見交換を行ってまいりたいというお話をいただいておるところでございます。現段階ではそれ以上の具体的なお話はしておりませんので、よろしくお願いします。

◆15番(横内東洋雄議員) 私は、武井武雄を岡谷市が後世に語り継ぐためにも、独特のメルヘンが醸成された生家は、多少費用がかかっても最小限の補修をし、保存すべきと考えます。また、維持管理は西堀区にお願いしていくというのが最もベターであると思います。西堀区のシンボルの一つにもなろうかと思うからであります。この辺について再度お伺いします。

◎経済部長(小泉光世君) 今回の寄贈には、この寄贈契約に合意していくまでの経過がありまして、それを最大限尊重していくべきであるというふうに考えておりますし、安全性の面からも、最小限の補修で維持していくのは難しいと考えております。また、具体的なお話をしていない現段階で、西堀区さんに対しまして維持管理をというお話をする状況ではないというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆15番(横内東洋雄議員) どうも水かけ論のようで、武井武雄についての理解度、温度差の違いを感じます。
 そこで、再度これについて市長さんにお伺いいたします。
 費用対効果などで市は消極的かもしれません。しかし、岡谷市の今日の童画のまちづくりに果たした武井武雄の役割は、はかり知れないものがあります。3点セット、すなわち、膨大な作品群にあわせ著作権までもが寄贈された上、生家の土地建物もまた寄贈という、岡谷市にとって願ってもない万々歳の帰結であります。こうした武井家と御遺族の並々ならぬ御厚意を考えると、当分の間生家はしっかり保存維持していくことは当然であり、岡谷市の道義的義務・責任だと思います。これについて、改めて市長さんの御所見を承りたいと思います。
 なお、ついでながら、実は、歴史的にも、市長さんの今井家は、下諏訪友之町の武井家とともに、元禄時代以来の西堀武井家の主要な姻戚関係にあります。

◎市長(今井竜五君) 武井武雄先生が岡谷市の童画のまちづくりということに果たしていただきました功績というものは非常に大きなものがあり、私も大きな評価をさせていただいております。しかし、今回の生家と敷地の寄贈に当たりましては、それぞれの関係者の方々の岡谷市に対する思い、それから、生家に対する思いというものが反映されての寄贈だというふうに考えております。これらの思いにこたえられますように、童画のまちづくりを進めるための土地活用というものを考えていきたい、そんなふうに考えております。

◆15番(横内東洋雄議員) 現時点では、市の判断もやむを得ないようにも思います。しかし、旧川岸支所建物の二の舞になるようなことは避けたい。なぜ、旧川岸役場を壊したのかといまだに地元でその声が聞かれるからであります。くれぐれも慎重な対応を強く要望しておきます。
 次の成長期資料に移ります。
 答弁でおおむね理解できますが、再度触れておきます。
 武井武雄の童画作品の多くは、メルヘンの世界がベースになっています。その原点は、従来の定説として、病弱だった幼少期、自宅にこもり妖精ミトと遊んでいたという武井先生自身の証言です。今回の新資料発見は、これを裏づける資料として極めて貴重な資料と考えます。これを学術的資料という位置づけで今後どのように生かしていくかは、重要な課題と言えるのではないか。これについて、地元西堀区の人々や武井関係者らの意見を聞く中、有効な方策を考えていかれてはどうかと思いますが、再度お伺いします。

◎経済部長(小泉光世君) 先ほどの答弁の中でも触れさせていただきましたけれども、今回の寄贈を受けた資料の中には、武井武雄の幼少期の様子を知る上で貴重な資料が多く残されておりますので、展示後も、資料等の整理、調査を進めまして、研究を深めていくことが必要だというふうに考えております。
 現在開催されております「新収蔵作品展武井武雄の生涯」の開催を契機に、親戚、関係者の方が館を訪れていただく機会もふえておりまして、その際に聞き取りなども行っておるところでございます。また、以前より武井関係者の方々からの聞き取り調査なども折に触れ行っておりますので、今後とも続けてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆15番(横内東洋雄議員) 御説明、おおむね了としておきます。
 次は、童画館のレイアウトの関係ですが、イルフ童画館のモーリス・センダックのコーナーについて一定の説明がありましたが、どうも違和感がぬぐえない。センダックとは特別な契約的な約定が交わされているのかどうかお伺いします。




◆2番(武井富美男議員) 次に、大きな2番、武井武雄の生家敷地についてでございます。
 この件につきましては、私は昨年の12月議会でも一般質問をしておりますけれども、今回、先番議員さんの一般質問で理解したこともありますので、一部を省略してまいりたいと思います。
 まず、(1)東京家庭裁判所の決定の時期、内容でございますけれども、決定の時期は5月14日であるとのことでありますので、省略します。したがいまして、内容のみをお聞きしたいと思います。
 次に、(2)岡谷市のものとなった場合の保存の可否ですが、岡谷市のものとなったということでございますので、なったことを前提に、初めに①として、生家敷地の土地利用の方向性ですが、市は、相続財産管理人に対して生家敷地の無償譲渡を要望していたようでございますけれども、現在市に財産が寄贈されていますけれども、どのような理由でもって寄贈されたと考えているのかということ。また、寄贈された財産を何に使っていくのかお聞きします。
 次に、②として、市民合意の方法でございますけれども、既に財産は市に寄贈されておりますが、その土地利用について市民合意をどのように形成していくのかお聞きします。

◎経済部長(小泉光世君) 次に、大きな2番の武井武雄の生家敷地についての(1)の東京家庭裁判所の決定内容についてでありますが、審判の内容については、今回結んだ寄贈契約の内容で、相続財産管理人が契約を締結することを許可する、そして、岡谷市へ寄贈することを許可するという内容であると相続財産管理人からお聞きしておるところでございます。
 次に、(2)の岡谷市のものとなった場合の保存の可否でありますが、岡谷市としての生家敷地活用の方向性につきましては、まず、寄贈契約書の第3条に、子供を初め多くの人に武井武雄の童画文化に触れられるようより有効に活用し、特別縁故者の要望を尊重しながら利用することを切に希望すると規定されております。一方、特別縁故者のほうからは、保存には多大な金額が必要となることから、維持できなくなる状況にならぬよう、岡谷市として無理なく継続的に武井武雄の童画文化を伝えるために、老朽化した生家建物は取り壊し、活用していってほしいとの要望をいただいております。老朽化の著しい生家建物につきましては、基本的に取り壊す方向とし、土地活用をしていきたいと相続財産管理人に対してお話してきた経過がございます。
 以上の経過の中で寄贈契約が締結されたことから、東京家庭裁判所にこの基本的な考え方が了承されたものと考えております。建物の取り壊しを基本方針としながら、現在の建物の記録や調査等には配慮しつつ、具体的な活用方法を検討してまいりたいと考えています。
 次に、土地利用についての市民合意についてでありますが、今回、市が特例的に寄贈いただけたのは、先ほどお答えしたとおり、特別縁故者からの要望や、市としての童画のまちづくりの考え方を相続財産管理人や東京家庭裁判所に御理解いただいたことでの結果であると考えております。寄贈契約にかかわったこれらの方々の意向については、最大限尊重すべきものと思っております。地元である西堀区長さんからは、生家敷地が寄贈される見通しとなった場合には、区として意見交換を行っていきたいというお話をいただいております。寄贈契約に至った経過は尊重し、西堀区初め市民の皆さんのお話を伺い、御理解いただきながら、市として具体的な土地活用方法を検討してまいりたいと考えております。

◆2番(武井富美男議員) 次に、大きな2番、武井武雄の生家敷地についてでございます。
 市は、建物の取り壊しを基本方針としながら、現在の建物の記録だとか調査等にも配慮して具体的な活用方法を検討をしていくということでございますけれども、確認でございますけれども、市は、この財産をもらったいきさつからしまして、内容だとか時期はともかく、あの土地について、武井武雄先生を顕彰します何か有効な活用をしていかざるを得ないという理解でよいのかお聞きしたいと思います。

◎経済部長(小泉光世君) 先ほどからも申し上げておりますけれども、寄贈にかかわった皆さんの思いは最大限尊重しましてあの土地活用を考えていく必要があるというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆2番(武井富美男議員) 市は、生家の建物を取り壊すことを基本方針としているようでございますけれども、岡谷市が生んだ世界の童画家武井武雄先生の生家が、文化的な価値が少ないというような話もございまして、これらの理由によって取り壊されるのが、地元西堀の住民の一人として残念でございます。
 岡谷市は保存されている伝統的な建造物が少なくて、ペーパー上にしか記録がない、まさにペーパー文化財が多いと思います。先般西堀区は、区議会の承認も得まして、武井武雄の生家を考える会を発足させることを決定をしております。今後、区でもって人選がされまして発足していくものと思われますけれども、西堀区民は地元でございまして、武井武雄先生の生家につきましては、その周辺住民の方も含めまして、特別な思いを持っている方が多いと思います。昨日でございますけれども、区長を初めとしまして、関係西堀区民の方20名がイルフ童画館を訪れまして、イルフ童画館開館10周年記念事業の「武井武雄の生涯Ⅱ」を学芸員の解説だとか、刊本作品を直接手に触れまして、特別鑑賞などが行われまして、皆さん満足をしておりました。
 西堀区民は、武井武雄先生の生家がどのようになっていくのかの関心が高く、今後市が何に利用していくかにつきましては、西堀区の意向だとか、先生の作品に愛好を持っておられる方だとか、先生にゆかりのある方、また市民全体の合意を得る中でもって決定していってほしいと思います。したがって、住民合意が形成されるまで生家建物は取り壊しをしないでほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。

◎経済部長(小泉光世君) 岡谷市の立場は、これまでもお答えしてきたとおりでございますけれども、土地利用については、地元を初め住民の皆さんの御意見をお伺いし、市としての考えを御理解いただきながら、進めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◆2番(武井富美男議員) どうもありがとうございました。
 ぜひ、市は、市民全体の合意をもとに、地元西堀区と話し合いを密にしていってほしいと思っております。
 次に、先ほど、現在の建物の記録や調査に配慮と言われましたけれども、教育委員会としましては、復元調査も含めてですけれども、建物の調査をする予定があるのかどうかお聞きしたいと思います。

◎教育部長(小林利男君) 先番の横内議員さんにも本日お答えした部分がございますが、武井武雄の生家という部分ではなくて、教育委員会としては、あくまで文化財という部分がございますので、文化財として、過去に江戸時代から2度の火災を受けてしまったこと、それから、相当の手が加わって、屋根も当時の鉄平石から随分変わっていることというのを含めまして、中級武士としての文化財的な価値があるかという部分が教育委員会としての検討課題かなと思っておりますので、今後調査研究するかどうか、復元も含めまして、教育委員会としては検討してまいりたいと思っています。

◆2番(武井富美男議員) ぜひ調査をして、岡谷市の文化の継承にとって悔いのないものにしていってほしいと要望いたします。


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