「おとうと」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・山田洋次
観終わったこの感じを、何といって表現したらよいのだろうか・・。
テーマ的には、“家族の絆”なのだろうけれど、そういう派手ではないテーマを“しっかり”と描く・・。山田監督にしかなせない“技”なのだろう。
ネタバレあります。
物語りとしては、主人公である高野吟子(吉永小百合)には不出来な弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が大阪にいる・・。
吟子の亡き夫の十三回忌で酒を飲んで大暴れして、それ以来、音信不通であった・・。
吟子が女手一つで育て上げた娘の小春(蒼井優)もエリート医師との結婚が決まり、
結婚式の披露宴も滞りなく進んでいた・・その時・・鉄郎が披露宴に現れたのだった・・・!
と、こんな感じで始まるのですが・・。
鶴瓶のダメ男ぶりが見事です(^^♪!
いい表現ではないかもしれませんが、鶴瓶演じる鉄郎と吉永さん演じる吟子が、なんとなく寅さんとさくらのイメージにダブりましたね!
吉永小百合さんの演技って、決して派手ではないし、いわゆる“上手いっ!!”という感じではないんですけれど、誠実で人情味が滲み出るというか・・この吟子の役は他の役者さんではイメージがわかないっすね・・。
後半、物語は、シリアスな場面を向かえます。
観る予定の方は読まないでください。
音信不通になっていた鉄郎の居場所が判明します。
大阪の通天閣の近くにある、身寄りのない病気の人々のためのホスピスでした・・。
このホスピスの所長を演じた小日向文世、はまり役でした!いたずらにジメジメしていなくて。吟子に状況説明をするシーンは目頭が熱くなりました・・。
さらに、このホスピスの職員を演じた石田ゆり子、とてもよかったです。
山田監督の演出なのでしょうが、冷静な中に、優しさがあって・・。
「ほら、てっちゃん、もうすぐらく~になるからね~」
観ていて、涙が溢れました。不謹慎な言い方ですが、てっちゃんこんな優しくしてもらえて、しあわせだったね、と思いました。
ラストシーン、おばあちゃん(加藤治子)の言葉に涙が・・。
やはり私は、古い人間なんでしょうかねぇ・・・。
ひきばっち的満足度★★★★★ 5/5
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・山田洋次
観終わったこの感じを、何といって表現したらよいのだろうか・・。
テーマ的には、“家族の絆”なのだろうけれど、そういう派手ではないテーマを“しっかり”と描く・・。山田監督にしかなせない“技”なのだろう。
ネタバレあります。
物語りとしては、主人公である高野吟子(吉永小百合)には不出来な弟・鉄郎(笑福亭鶴瓶)が大阪にいる・・。
吟子の亡き夫の十三回忌で酒を飲んで大暴れして、それ以来、音信不通であった・・。
吟子が女手一つで育て上げた娘の小春(蒼井優)もエリート医師との結婚が決まり、
結婚式の披露宴も滞りなく進んでいた・・その時・・鉄郎が披露宴に現れたのだった・・・!
と、こんな感じで始まるのですが・・。
鶴瓶のダメ男ぶりが見事です(^^♪!
いい表現ではないかもしれませんが、鶴瓶演じる鉄郎と吉永さん演じる吟子が、なんとなく寅さんとさくらのイメージにダブりましたね!
吉永小百合さんの演技って、決して派手ではないし、いわゆる“上手いっ!!”という感じではないんですけれど、誠実で人情味が滲み出るというか・・この吟子の役は他の役者さんではイメージがわかないっすね・・。
後半、物語は、シリアスな場面を向かえます。
観る予定の方は読まないでください。
音信不通になっていた鉄郎の居場所が判明します。
大阪の通天閣の近くにある、身寄りのない病気の人々のためのホスピスでした・・。
このホスピスの所長を演じた小日向文世、はまり役でした!いたずらにジメジメしていなくて。吟子に状況説明をするシーンは目頭が熱くなりました・・。
さらに、このホスピスの職員を演じた石田ゆり子、とてもよかったです。
山田監督の演出なのでしょうが、冷静な中に、優しさがあって・・。
「ほら、てっちゃん、もうすぐらく~になるからね~」
観ていて、涙が溢れました。不謹慎な言い方ですが、てっちゃんこんな優しくしてもらえて、しあわせだったね、と思いました。
ラストシーン、おばあちゃん(加藤治子)の言葉に涙が・・。
やはり私は、古い人間なんでしょうかねぇ・・・。
ひきばっち的満足度★★★★★ 5/5
渥美清さん亡き後の“山田洋二監督新シリーズ”的なふれこみでしたね(^^♪。
徳島が舞台だったんですか~!
山田洋二監督は、何といいましょうか、“奇をてらう”ことをしないんですよね・・。
観客の意表を突くとか、からくりがあるとか・・そういう事をしないんですね。
良くも悪くもいわゆる“予定調和”なストーリーが多いですね。
ですから、好みが分かれるかもしれないですね。
私にとって、山田監督の作品は、強い刺激はないけれど、なんちゅうか、「家で食べるご飯」みたいな、安らぎを与えてくれるのです・・。
もう10年以上も前に徳島県のわが町で「虹をつかむ男」のロケが行われ,そのときの監督さんが山田洋二さんでした。町をあげての熱狂ぶりでしたが,私は公開作を観て「地味だなぁ」と思った記憶が・・・(申し訳ない)
でもそういった地味なテーマをあたたかく描き上げるのがこの監督の得意技なんだなぁと,この「おとうと」を観て思いました。鶴瓶さんの演技にも注目して行ったのですが,やはり上手いですよね~。あと,加瀬さんも大好きな俳優さんなので楽しめました。
生きてきた道のりによって、感じる部分が
かなり違ってきますよね。
私も、若い頃は、親に反発したり色々ありました・・。
そんな道のりがあるので、劇中の何気ないセリフに涙ぐんだりしてしまうのですな。
私も山田洋二監督の作品はだいたい好きですね。「寅さん」(特に第一作と、「寅次郎と殿様」が大好きです)はもちろん、「母べえ」「たそがれ清兵衛」などは本当に好きですね(^^♪
また山田監督の次回作が楽しみです!
人は千差万別。合わない映画もありますって。
次の映画をたのしみませう(^^♪。
僕自身もある時まではそこそこエリート道に行きかけ、大学を途中で止めて3年ほどふらふらしていたらもうずっと落ちっぱなし。23.4歳で経験なし大学中退というだけでごんたくれ道一筋。一度足を踏み外さないと踏み外した人の気持ちはなかなか理解できないでしょうね。もちろん逆に僕はエリートの人たちの苦労話や苦悩を映画で見ても何も思わないように…。なのでゴンタ歴の長い僕にはドツボです。どんなに努力しても這い上がれないし、酒癖だって全然治らない。(飲まないという方法しかない)なので鉄っちゃんの気持ちはずっぽしではないけど共感できました。もちろん寅さん世代ではないし寅さんも3作ぐらいしか観た事無いけど、元々山田洋次監督好きで、数年前に学校シリーズのビデオを買ったり(DVDが出てなかったしレンタルでもなかったので)するほど好きで、最近の時代劇シリーズは別物としてこの作品は本当に観てよかったです。ネット上はかなりの酷評が目に付きますが、やはり観る人の年代やシチュエイションにもよるのでしょうね。