ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「借りぐらしのアリエッティ」

2010-08-26 10:38:18 | Weblog
                           「借りぐらしのアリエッティ」
J-MAX上越にて。
企画・脚本・宮崎駿
脚本・丹羽圭子
監督・米林宏昌

ようやく「アリエッティ」の登場であります(^^♪。
“人間に見られてはいけない”というキャッチコピーが意味深長です・・。

実は私、いわゆる「ジブリ物」を劇場で観るのはこれが初めてという不届き者でございまして、というか今までに観たのはテレビ放映されていた「火垂るの墓」のみという、江戸時代なら市中引き回しの上貼りつけ獄門並みの食わず嫌いなのであります(火垂る~はボロ泣きでしたが(T_T))。

なんと、あの「となりのトトロ」も見てないっちゅう親不孝(?)者です。
そんな「食わず嫌い自慢」はいいとして、ついに劇場で観て参りました!

あらすじは多方面で書かれておるので、割愛いたしますが、
観終わって思ったのは、この作品は大人向けなのだな、ということでした。
言い方を変えれば、小学校低学年くらいのお子さんには、ちょっとつまらないのかな(派手な戦闘シーンも、着飾った少女の魔法も出てこない)と、思いましたな。

他のジブリ作品をほとんど見ていないので、比較はできませんが、本作はストーリーの根底に何か作り手のメッセージが流れているのが感じられましたな。

人間と、人間に見付からないように床下で暮らす小人たち・・。

病気療養に一週間だけその家にやって来た12才のという男の子は偶然、床下に住む13才の小人の女の子アリエッティと出会ってしまうんですな・・。

父・ポッドと2人で、人間の「角砂糖」を「借り」に出かけたアリエッティは、再び翔の姿を目にして、あわてて角砂糖を落としてしまいますな・・。

しかし、アリエッティと翔の間の、とても淡い恋心は、ある意味とても悲しく感じられました・・。滅びゆく種族と、残ってゆく種族・・・。いったいそれがどちらなのか。作品は観る者に問いかけます。

この映画を見て、何故か「ブレードランナー」を思い浮かべている自分に気が付きました。
「ブレードランナー」では労働用に作られた寿命の短いレプリカント(アンドロイド)が人間に対して反乱を起こすのですが・・。
両作とも劇中で使われている音楽のメイン・テーマがほぼ「マイナー・キー」オンリーであることも手伝って、不思議とイメージが重なるのであります。

お手伝いのハルさんに捕らえられた母・ホミリーの救出作戦は無事成功しますが、人間に見られたアリエッテイら家族3人は引越しを余儀なくされます。

翔とアリエッティの淡い恋にも別れの時が訪れます・・。
このストーリーで救いだったのは、翔の祖母である貞子が、小人の存在を認識して、静かに喜んでくれた事でしょう(^^♪とてもステキなシークエンスでした。

作品全体としても、約90分とコンパクトにまとめながら、人間への静かなる警鐘を感じることも出来て、好きな映画となりました。

これを機に、過去の「ジブリ物」を観てみようと思いましたです(^^♪。食わず嫌い返上すんでね(上越弁でしめくくり、と)。




ひきばっち的満足度★★★☆