五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

4月19日(木)晴:正直な人

2007-04-20 01:06:44 | 
 朝8時、定時どおりの起床。最近は自転車をこぐときにもメモリーウォークマンを聴くことが多い。一日のスタートにふさわしい勢いのある曲に乗って、風を切って走る。これまでは専ら映画「RENT」のオープニング曲である「RENT」であったが、ここ何日かはZIGGYの「GLORIA」(懐かしい!)を聴いている。

 何通かメールへの返事を書いた後、4時限目の演習(今年度はゼミと分けて開講している)の購読文献である『反社会学講座』に目を通す。読みやすい文献だと思うが、議論をどう展開するかは僕のほうでも一応のシナリオを作っておかねばならない。必要がなければ何よりである。

 父からメールが来て、芸術新聞社のHPに掲載された画家増田常徳さんの対談記事のことを教えてもらった。両親が増田さんのファンクラブである西風の会に関わっていることもあって、子どものころから親しくさせていただいている。僕は増田さん(普段は増田先生、と呼んでいる)の絵はもとより、生き方そのものに強く惹かれる。対談記事も前半部分は増田さんのライフ・ヒストリーになっている。そこには端的に彼の価値観が投影されている。

団体が合わないことが分かったんですよ。ぼくは本音で生きていきたいので、団体展は、本音と建前を使い分けざるえないところがありますから。」

いかなる組織であれ、そこの一員であるということは、本音と建前の使い分けを必要とする。僕なども、それに戸惑い、嫌悪しつつ、それでも、メンバーシップを失うことを恐れるから、使い分けというルールに従属している。増田さんの生き方は、ぶれることがない。ただひたすらに、探究し続けている。対談の相手には失礼だが、それを「反骨」「反時代」という形で表現するにはちょっと安っぽいのではないか。

 今の僕は、増田さんと同じようには生きられないけれど、いや、だからこそ、彼を尊敬し、憧れる。研究が仕事のすべてではない以上、組織の中にあり続けていくしかないが、研究者としては、どこまでも本音で生きていきたいと思う。

 演習は、僕のほうで用意したシナリオを使うまでもなく、積極的に議論をしてくれてなかなか面白かった。少年犯罪の統計データをみながら、考えうる変化の要因を仮説としてどんどん挙げてもらって、それぞれにつっこみを入れていくという形が、この授業のスタイルになっていきそうだ。やはり4年生になると、かなり安心して授業の展開を任せることができる。たった3年ほどの間に、それだけ大きく成長しているのだ。

 苦戦したアドバイスペーパーをようやく9時に書き上げ、添付ファイルで送る。本当は研究会にも参加して、直接執筆者とやり取りをしたかったのだが、どうしてもスケジュールの調整がつかず、残念。

 1時間ほど明日の講義ノートの修正に充てる。これまでに何度も講義はやってきたのだが、やはり初めて担当する科目の初回というのはついつい入れ込んでしまう。

 10時に帰宅し、そのまま桃太郎へ。瓶のコーラを一気に飲み干す。とても長く感じた先週とは正反対に、今週(の仕事)はあと1日で終わろうとしている。