五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

「今和次郎 採集講義」展

2011-12-06 20:56:42 | モノ

 青森県立美術館で開催されている「今和次郎 採集講義」展を見に行った。個人的に1回、それからゼミの有志を募って1回。

 今和次郎が弘前出身の人だと知ったのは、弘前に来てからのことである。もっとも、若いうちに東京に出て、それから戻ることはなかったから、これまでさほどクローズアップされることはなかったのかもしれない(とはいえ郷土雑誌などではたびたび特集が組まれていた)。

 受付で入場券を買う。ここでは地方自治法制定60周年を記念して発行された500円の記念硬貨を両替してくれる。合掌土偶があしらわれた、なかなか素敵なデザインである。

 展覧会場に入る。民俗学者柳田国男、建築家佐藤功一らとの、白茅会の活動の一環としての民家調査。おそらくそれほど時間をかけずにさっと描いたと思われる民家のスケッチに見入る。建物の細かな特徴を見逃さない、鋭い眼力が、やさしいタッチのスケッチから伝わってくる。

 郷倉建設への取り組みを紹介する展示室では、往時を知る人々への聞き取り調査のビデオが流れていた。われわれが鯵ヶ沢町で行ってきた調査と趣旨が似ていて、そのときのことを思い出した。数少なくなった郷倉に宿る記憶というものが実にうまく引き出されたインタビューだった。

 兄和次郎の考現学研究をサポートした画家、今純三の絵画を眺めてから、いよいよ考現学の展示へと進む。震災復興のさなかでのバラック装飾社の活動に始まり、様々な「採集」へと進む。ここではイラストを用いての集計結果もさることながら、観察用のメモやペーパーの作り方が参考になった。どうしてもアウトプットの面白さのほうに目を奪われてしまうのだけれど、観察結果を要領よく記録していくための方法論というものも実によくできている。

 様々な習作群のなかには、荒唐無稽なものもある。「社会調査」という観点からすれば、おおよそその問題意識とは何ぞや?と問いただしたくなるものもある。だが、これらはあくまで考現学であるのだからして、そこを追及するのは野暮というものなのかもしれない。それにしても「欧米紳士淑女以外」なんていうネーミングセンスにも頭が下がる。

 意匠家としての今、建築家としての今の作品も、楽しさにあふれている。割と近いところに今が手がけた家が現存していることも初めて知った。

 生涯を紹介した映像を見る。そこにすべてが集約されているわけではもちろんないが、一緒に見学した学生ともども、「何だか幸せそうだなあ」という感想を持った。研究のなかに、あるいは研究を通じて、幸福を見いだせたのだとしたら、こんなに素晴らしいことはないだろう。

 最後の展示室は生活学に関わるものである。生活設計の思想から生活病理へ、そして服飾へ、という、今の晩年に至る思考の流れをたどる。個人的には、「開拓婦人の一日」と題して、開拓地の女性の生活時間を描いた図が面白かった。この人も開拓地に関心を寄せていたのかと思うと、何だか励みになった。

 割とゆっくり眺めていったら、両日とも2時間ほどを要していた。内容的に大満足である。1点1点をじっくり見られたのもうれしい。



 せっかく青森市まで出てきたのだ。ならば向かうべき場所はひとつである。これまた両日とも、「シュトラウス」に行く。店内ははやクリスマスの装飾である。

 初日は、寒かったこともあって、ミルヒラーム・シュトゥルーデルという温かいデザートを食べた。人肌よりもう少し温まったクリームのなかに、柔らかなケーキが鎮座在している。甘すぎず、実にやさしい味である。残念なのは、ドリンクがセットになっていることだ。コーヒーか紅茶が付いてきて、どちらかを選ぶしかない。普通のコーヒーももちろんおいしいのだが、ここはやはり差額を払ってでもウィーンコーヒーと一緒に楽しみたいところである。

 上は栗をふんだんに使ったデザート(マローニ・パラチンケン)、下がミルヒラーム・シュトゥルーデル。いずれも日・祝日限定のデザートである。





 2日目は、学生たちともどもザッハートルテを注文した。僕が勧めたからなのだが、果たして彼ら彼女らの口に合うのか、いささか心配ではあった。もっともこちらのザッハートルテは、本場のものから思えば甘さ控えめである。僕はアインシュペーナーともども、生クリームをたっぷりと味わう。みんなにも喜んでもらえたようだ。



 自宅には、ザッハートルテとカシスケーキをひとつずつ、おみやげに買って帰った。「シュトラウス」の看板商品のひとつのカシスケーキの上品な甘酸っぱさもまた絶品であった。年内にもう一度くらい行ってみたくなる。


2月12日(木)晴:早チョコ

2009-02-14 00:52:40 | モノ
 9時に起きる。体が重い。肩が凝る。低周波治療器があるおかげでずいぶんとラクにはなっているのだが、それを上回る疲労が蓄積している。

 大学に出る。YMを飲む。疲れているときほど、このお茶が全身に染みわたる感じがする。体のあちこちの、コチコチした部分が幾分ほぐれていくような気がするのだ。

 大学院入試の日なのだが、僕自身は担当から外れているので比較的暢気に過ごす。と思ったら、21世紀教育センターから、「特設テーマ科目」を開講せよ、との通知が届いていた。21世紀教育の授業は、年間に15コマを担当することが義務づけられている。そして15コマに達していない場合には、この「特設テーマ科目」を開講して埋め合わせよ、ということになっている。

 僕の場合、「社会学の基礎」が2コマ×3=6コマ、それと「社会とジェンダー」が2コマ×2=4コマで、計10コマ、つまり5コマの不足である。実際には「社会学の基礎」のガイダンスにも出席しているし、試験監督の手伝いにも行っているから、15コマを充足しているのだが、センターのほうで「精査した結果」というのだから、まあ仕方がないな。

 今年度までは「基礎ゼミナール」15コマを受け持っていたので、その分で義務時間を充足していた。つまり上の10コマ分は「オプション」だったのである(オプションをやった分だけ研究費が追加配分されるのはありがたい)。ただ、来年度は基礎ゼミの担当から下りることにした。今年度までは、様々な専攻の学生を寄せ集めて構成していたものが、来年度からは各専攻ごとに行われることになったからである。確かに専攻ごとなら、その内容に沿うカリキュラムでやれるからいいかもしれない。でも僕としては、多様な学生が集まる基礎ゼミが面白かったのだ。そのことで横の人のつながりもできていたように思うのだが。

 その点、21世紀の授業は全学部から学生さんが集まってくるから、そうした雑多な面白さはある。とりあえず来年度は自分ひとりで15コマ、どんな感じの授業になるか試してみよう。

 午後に学生会館での劇団Bisco公演「ある日常の中で」を観た。作・演出の学生さんは、昨年度の鰺ヶ沢での調査実習に参加してくれた人である。引退公演とのことで、わざわざ先日チラシを届けてくれたのである。

 アルバイトをしている女子学生3人組の「会話」で成り立っているお芝居。40分ほどの短い作品だが、密度はとても濃かった。流れるようなテンポがいい。ただ笑いのネタは少し大人しめな気がした。もっとも、ありがちな「日常」を表現しようとしたのであれば、それは正解だったのかもしれない。

 最後まで観終わったところで、どこまでが「日常=現実」で、どこからが「虚構」だったのか、わからなくなる。観た者にその辺を考えさせるのが演出のねらいなのだろう。なかなか憎い仕掛けである。一緒に観たゼミ生たちもその辺の「謎かけ」を楽しんだようだった。

 3年のゼミ生2人から、バレンタインデーのプレゼントをいただいた。手作りのチョコレートケーキと、お茶に和三盆のセットである。今年のバレンタインデーは土曜日だから、前倒しで渡すということになっているらしい。そうまでしてやるものかなあ、とも思うのだが、大事な人には大事な儀式なのだろうなあ。

 夕方から、副査を務める修士論文を読む。いずれも専門外の領域なので(そもそも社会学の大学院生なんて、まず教育学研究科にくることはないのだから、これは宿命である)、四苦八苦しながら読む。ところどころわからない用語を調べてみたり。

 夕食を挟んで1本を読み、それからもう1本を読む。テストの採点も遅いが、本を読むのはそれに輪をかけて遅い。だが、当然のこととはいえ、丁寧に読んだ。付箋を貼った箇所を読み返しながら、質問を練る。

 2時に帰宅。風呂に入る気もせず、着替えだけして直ちに眠る。

1月12日(月)曇時々雪:電動歯ブラシ

2009-01-12 23:50:22 | モノ
 11時ちょっと過ぎに起床。冷凍庫の中村屋の肉まんを温めて食べる。以前にも触れたように、やはり肉まんといったら中村屋に限る。よその肉まんももちろん食べるが、皮の張りが何ともいえぬ。これで5つ食べ尽くしてしまったから、また買ってこよう。

 年末に帰省した折りに買った電動歯ブラシをようやく使い始める。実家で父が使っているのをみていたが、そんなに違うのかね、と半信半疑でみていた。

 加えて僕は口のなかに異物を突っ込まれるのが大の苦手だ。歯医者さんで歯を削る際、ドリルと唾液を吸い出す管を入れられただけで、オエッ、となってしまうのだ。それどころか風邪を引いて喉を診てもらうときにも必ずオエッ、となる。ゆえに前歯を磨くのはいいとして、これで奥歯を磨くことができるのか、どうにも不安が残るのだ。

 実際やってみると、まあ何とか奥歯も磨くことができる。多少不愉快ではあるが、我慢できる範囲だ。

 磨き終わって口をゆすいでみる。するとどうだろう。今までにない「磨いた感」だ。歯の表面がツルツルになっているのがわかる。歯の根本の磨き残しもない。いや、これは驚いた。こんなにいいものならもっと早くから使うんだった。加えて糸楊枝を使うと、かなりいい気分である。

 今日も雪はちらほらと降る感じで、ニュースが伝える大雪とのギャップが著しい。修繕を頼んだセーターを受け取り、サンデーで灯油を買ってから大学に出る。

 懸案の報告書をまとめる。7割方できあがったので、今日はここまで。最後に今日中にやっておく予定のデータの移動(パソコンの内蔵HDから外付けHDへ)を済ませたところでうっかり完成間近の報告書の入ったフォルダを上書きしてしまったことに気づいた。ここまでの作業がすっかりおじゃんである。最近こういったミスが多いなあ。まあ明日一日頑張れば取り戻せるとは思うのだが。

 帰宅して、夕食を摂り、今日届く予定の宅配便を待つ。が、来ない。いつもなら発送の案内メールが届いてから2日後に届くのだが。問い合わせてみると明日になる、とのことだった。ならばわざわざ早く帰宅することはなかった。慌てて帰らなければファイルを消してしまうこともなかったのに、と、関係ないところまで恨めしく思ってしまう。

 とはいえ、録画してみるつもりだったドラマ「そうか、もう君はいないのか」をみることができた。一昨年亡くなった作家、城山三郎の遺稿集をドラマ化したものである。

 僕が最初に読んだこの人の著作は、広田弘毅を描いた『落日燃ゆ』だったと思う。広田は政治家だが、経済人をモデルにしたものが多かった。ゆえに、ちょっと硬い作家というイメージをもっていた。晩年には、特攻隊に所属した経歴もあって(今日のドラマでもそのシーンが登場する)、「戦争をする国」になっていくことへの警鐘を鳴らすべく、テレビに登場する機会もたびたびあった。とくにNEWS23で、筑紫哲也氏と対談する姿をみた。

 ドラマでは、そんな硬派の作家とは違った、あたたかな家庭人として、そして妻を喪うことに動揺する素の人間としての姿が描かれる。大切な人をどのようにして看取るのか。終焉に向かう過程で、過去の様々な思い出が甦っていく。

 城山三郎(杉浦英一)を田村正和が好演している。古畑任三郎のクールでニヒルな役どころとは対照的に、初老の、ちょっと弱さを感じさせる演技は上品でもある。だんだんお兄さんの田村高廣さんに似てきた感じがする。

 妻容子役は富司純子が、そして若き日の2人を中村勘太郎、長澤まさみがそれぞれ演じている。

 しかし何といっても僕の注目は田中哲司である。新聞のラテ欄に名前をみつけ、どんな役どころで出てくるのかと思ったら、夫妻の誠実な長男役だった。「Sweet Rain」の冷酷なヤクザとも、「ハッピー・フライト」の職人気質の整備士役とも全く異なる。それでいて違和感なく演じてしまうあたり、さすがである。

 終末は静かに訪れる。これだけのドラマなら、映画でもよかったような。最近ますますテレビドラマと映画との境界線が薄くなってきているような気がする。

 当初の予想通りというかなんというか、仕事面ではどうも3日間を無為にしてしまったような気がしてならない。休養だけは十分に取ることができた。

12月14日(日)晴:至高のおみやげ

2008-12-16 02:08:42 | モノ
 10時近くに起きた。トーストを1枚かじってから、明日の授業の講義ノート作成に取りかかる。何年かの経験を重ねて、最近はある程度要領よくまとめられるようになってきた。それでもまだまだ遅い。昼食を摂り、車で出かける。

 途中仙台からみえた先生を迎えて大学に出る。今日の研究会は僕の研究室で行うことになった。同僚の先生2人がみえるまで、しばらく雑談。これは高瀬君へのおみやげ、と封筒をいただいた。中身は色紙だとすぐにわかった。となると開けなくても予想がつく。ライオンズの岸投手のサイン色紙だった。先生は岸投手の母校の先生なのだ。こんなにうれしいおみやげはない。家宝ものである。研究室のどこに飾ろうか考える。棚には伊東前監督のサインなんかもあるのだが、今はやっぱり岸君である。

 そうこうするうちに4人が揃った。ちゃんと全員の席はあるのだが、ゼミのときとは違い、あれこれ資料をテーブルの上に出すので少々手狭に感じる。割と暖かい部屋ではあるのだが、やはり冷える。スチームは当然入らないので、ファンヒーターを焚く。

 科研費の研究会なので、年度末に向けての報告書作成の打ち合わせが中心。僕も一本書かせていただくことになった。久しぶりに一から研究論文を書くことになる。感覚を忘れていないか心配ではあるけれど、ちょうどいいチャンスだと思うことにした。こういう外的な刺激でもないと、僕はいつまで経っても書かないような気がするので、ちょうどいい。

 何しろ先生が「下書き」として持参された原稿が質量ともにすごくて、他の3人はちょっと呆然とする。これこそ無言のプレッシャーというものだろう。研究代表の先生がこうやってリードしてくださるからには、やっぱりちゃんとやらなければならない。

 打ち合わせではあるけれど、何だか講義を聴いているようで、勉強にもなり、とても楽しかった。引き続き飲み会でも楽しいひとときを過ごす。初めてぶりこを食べた。かなりの歯ごたえだが、噛めば噛むほど味が出ておいしい。噛むだけ噛んだら、白い殻をぺっ、と吐き出す。本来はお酒のおつまみなのだが、飲まない僕でも楽しめる珍味である。

 結構長い時間おしゃべりできたのだが、何しろスタートが早かった(お店に入ったときに「笑点」の大喜利が始まるところだった)ので、割と早く帰宅することができた。再びノート作り。こちらは早々に完成した。その後で明日のグループ作業の課題を考える。簡単な調査もどきをやってもらうつもりでいるのだが、9つのグループがスムースに動けるようにするにはどういったガイダンスが必要かを考える。いつの間にかコタツでうたた寝をしてしまった。外をみると、雪がちらほらと降ってきた。今度はしっかり積もるだろうか。

8月10日(日)晴:デジタルホーン

2008-08-11 01:34:27 | モノ
 11時まで眠った。まだ寝られそうだったが、起き上がって朝食兼昼食。

 洗濯を済ませてから1日半分のブログをアップする。ここのところ週末の更新をサボりがちである。

 テレビをみていたら、「いいでば!英語塾」が始まった。引き続いて「太陽と海の教室」もやっている。あれ、今日は土曜日だったか、と錯覚する。単に土曜日の番組が日曜日にスライドしただけだったのだ。おかげで「いいでば!」を録画し損ねた。今日のレイチェルはせっかくの鰺ヶ沢ロケだったのにな。

 3時過ぎに出かける。メガネ屋さんに立ち寄る。今かけているメガネは気に入っているのだが、もし何かの拍子に壊れてしまうと困る。安い予備のものをもうひとつ誂えておこうと思ったのだ。丸いフレームのメガネを探したのだが、最近の流行は割と角張ったもののようで気に入ったものがみつからず。

 イトーヨーカドー地下のドトールでアメリカンコーヒーとザワークラウトドッグのティータイム。新商品ザワークラウトドッグはかなりのお気に入りだ。30分ほど読書する。

 大学までは歩いていく。ガソリン代がもったいないし、運動不足解消にもなる。陽気はすでに秋の訪れを感じさせる。日は照っているが、風は涼しい。夜には半袖だと肌寒い。

 研究室で昨日と同様の作業。しばし手を休めて「笑点」をみる。今日は木久扇さんがよし。

 ネット中継のライオンズ-ファイターズ戦をみる。前回の対戦でやられた多田野投手の登板だったので少々気をもんだが、石井選手のタイムリーを口火に、栗山・黒瀬・中村・後藤の4発で大勝した。黒瀬選手のプロ入り1号は頼もしい限り。中島・G.G.佐藤の主軸が抜けても穴を感じさせないところが今のライオンズの強み。誰かが抜けても次々に若手が台頭する。スカウトの眼力とコーチの手腕に関しては黄金期と比べても遜色ない。

 今夜は両親も現地観戦していたようで、途中で父からメールが届いた。うらやましい。せめて1試合くらい観に行きたいものだ。仙台なら行けるかな。「美女と野獣」と合わせて行けるといい。

 帰宅して夕食。ときどき無性に餃子が食べたくなることがあって、昨日イトーヨーカドーで半額引きになったものを買っておいた。自分で作るのは手間だし、冷凍だとうまく焼けないし、近所に手頃な中華料理の店もないので、ついついこうなってしまう。でもたくさん食べて満足だ。

 食後に弘前郵便局に不在通知の荷物を取りに行く。中身はカシオのデジタルホーン。先日ジャンク品をオークションで落札した。ジャンク品ゆえまともに音が出ない。今度は別のオークションで修理を依頼し、直ったものがようやく届いたのである。  



 かつてサックス奏者の坂田明さんがCMに出ていた。形はサックスに似ているが、オーボエ、フルート、クラリネット、トランペットなど、6種類のトーンが変更可能。音源内蔵のウインドシンセである。おもちゃのようなものだが、なかなかどうして、吹いてみるとなかなかいい音が出る。今は生産中止になっているが、現在も結構人気があって、製造元のカシオには再生産の要望がずいぶんと出されているようだ。

 僕自身は管楽器の経験なんてないから、しばらくは運指表をみながら、ちょっとずつ遊びがてら勉強していくつもりだ。もともとは仕事の合間の気分転換に何か楽器を、と思い、夜中に弾いても周囲に迷惑がかからないサイレントギターを買おうと思ったのだが、高価でおいそれとは手が出せない。そこで白羽の矢が立ったのがデジホンだったのだ。ヘッドホンをつければスピーカーの音は漏れない。

 製品が流通していなければ教則本も絶版になっていて、上達への道は遠いが、「Truth」を吹けるくらいにまでなれればいいなあと思う。

6月17日(火)晴:網戸OK

2008-06-18 00:29:33 | モノ
 8時半に目が覚めた。よく眠れなかった。ある方から昨夜のことを心配してのお電話をいただいた。何ものにも代え難く、ありがたいことである。どれほど救いになっているか。

 シャワーを浴びてから大学に出る。ゼミ生のWさんがすぐにやってきた。僕が来て研究室を開けるのを待っていたのだとか。それは悪いことをした。せめてもの罪滅ぼしに、WさんとAさんが行うTuesday実習の授業の予行演習の準備のお手伝いをする。はさみで国旗をチョキチョキ切って、封筒に貼り付ける作業。授業で使う教材なのだそうだ。大あわてで出て行ったので、配布プリントは僕が教室まで持っていく。他の学生さんたちは突然関係ない教員が入ってきたので面食らったようだ。

 スコーラムで昼食。シーフードの炒め物は、あっさりとした味付けながら僕好みでおいしかった。コーヒーを飲みながら、浅田次郎の『新選組読本』を読む。最近再び個人的に新選組ブームになっている。土方歳三は多摩が生んだ数少ないスターだからなあ。以前は何のありがたみも感じなかった多摩が、妙に愛おしく思われる今日このごろである。

 3時半からサポーター実習の省察検討会。僕は一応クラスの取りまとめ役のような立場で、タイムキーパーのような役目を務める。配布物の説明をしたり、議論のポイントを読み上げたり、学生さんたちの討論を聞いたり。一人一人が熱心に取り組んでいること、そしてそこから何らかの発見をしようと努力していることはよくわかった。彼ら彼女らは挨拶の仕方ひとつとってみても、いかにも学校関係者といったしっかりした形でできるようになっている。大したものだ。

 注文していた網戸が入荷したという電話連絡をもらった。思ったより早い。すぐに帰宅して、車で取りに行く。こういうのは待っていられないタチなのだ。早速取りつけてみる。ネジで高さを微調整できる、川口技研のOKアミド。組み立て式のものもあり、こちらのほうがサイズの融通が利くのだが、失敗したときのリスクは大きい。その点既製品なら安心だ。やや横幅が足りないものの、ほぼぴったり嵌った。見た目もいい感じである。幅が足りない分はすき間を埋めるクッションテープか何かを詰めてやればいいだろう。1週間と待たずに届いて、値段は半分なのだから、まずはうまくいった。

 夕食を摂り、8時に帰宅。荷物を取り替えてジムに行く。エアロバイクを20分(200kcal)とウォーキング(6.6km/hと8.5km/hを30分ずつ、380kcal)。今日はマシンジムがインストラクションで使われていて、なかなか空きそうになかったので、この2つだけでおしまいにする。それでもたっぷりと汗をかいた。しばらくは水分を摂っても摂ってもノドが渇く。運動をした日は気持ちよく眠れるのがいい。

4月22日(火)晴:路線バスのミニカー

2008-04-23 03:02:43 | モノ
 8時起床。トースト1枚とコーヒー。9時ちょうどに調査校に到着。今日の撮影は接写台を用いず、三脚のみで行うことにした。接写台のほうが便利だが、いかんせん持ち運びが大変なのだ。

 今日も時間は1時までと限られているので、トイレに行く以外は4時間ノンストップでの作業。1時きっかりに終える。あと2日あれば完了するだろう。明日と来週の月曜日を予定していたが、明日は休むことにした。木曜日と金曜日のスケジュールを考えると、少し休みを取らないとダウンしてしまう。

 帰宅して、自転車に乗り換えて大学へ。途中のコンビニで昼食のおにぎりの会計をしていたら、レジ脇に京商「路線バスミニカーコレクション」が半額で売られていた。定価の420円だったらたぶん買わないだろうが、1つ210円なら安い。3つ残っていたので3つとも買う。

 研究室に行くとWさんとAさんがおしゃべりしていた。おにぎりを頬張りながらしばし雑談する。2人とも来週のゼミの花見を心待ちにしているようだ。

 のんびり休む間もなく、4コマの「社会学の基礎」の教室に向かう。今日はビデオの担当(人類学・社会学・現代社会論のグループが毎年持ち回りで担当する。今年は社会学の番で僕が受け持つ)だ。本来なら学期の半ばくらいが順番なのだが、テキストの刊行が遅れているので、先にビデオ授業をやって、テキストを使った授業の開始を少しだけ先送りしようというわけ。

 しかし社会学の総論(何しろ実質的授業の初回なので)を扱えるような適切な映像資料というのを持ち合わせていない。思いつきで「不都合な日本の真実」というDVDを用意した。アル・ゴアの「不都合な真実」の日本版といったところ。ナレーターが岸部四郎で、ちょっと「狙った」つくりになっている。淡々とした、眠りを誘うような、それでいて岸部のナレーションでホラー映画のような、そんな映像だ。

 受講者の反応は賛否両論。素直に勉強になった、というものもあれば、トンデモ環境論のようで、この時間じたいが無益だった、なんていう辛辣なものもあった。ツッコミどころは多いが、決して悪くもないと思うんだけどな。

 研究室に戻ると立て続けに学生さんの来訪。顧問をしているサークルの代表だったり、オリエンテーションに出損ねたのだが、授業を履修したいという学生さんだったり。

 人民食堂で夕食。アニキH先生と同僚のY先生とご一緒する。アニキPWF会長に、来月のNOAH青森大会のチケット代をお渡しする。3列目が取れたそうで楽しみだ。

 研究室に帰り、先ほどの路線バスミニカーの箱を開けてみる。1つめは小田急バスのボンネットタイプ。



 さすがにボンネットバスの現役時代というのは知らないが、ボディ側面のシェパードのレリーフは、小田急系列の立川バスの観光バスに付いていた。遠足で乗ったときにはシルバーがいかにもかっこよく、子ども心にも憧れたなあ。

 2つめは西武バス。



 ちゃんとライオンズのマスコット、レオのマークが入っているのがうれしい。今でも実家に帰り、母方の墓参りに行ったりすると、「長円寺」行きのこのカラーのバスに出会う。うーん、懐かしい。

 そして3つめは都営バスだった。



 ああ、これはよく乗ったタイプの型式だ。黄色が新たなアクセントになっている。

 そんなわけで、3つとも縁のあるものが出てきた。これはうれしい。欲をいえば、あと1つ売っていて、それが東急バスだったら最高なのだが。早速研究室の「趣味の棚」に陳列する。

 科研費の書類作成。そのうちに、と思っていたら、気がつくと〆切は明日だ。何とか間に合わせる。まだ書かなければならない事務書類がたくさんある。やはり明日の資料調査を休みにしたのは正解のようだ。

3月31日(月)曇時々雨:人生銀行

2008-03-31 23:40:25 | モノ
 9時起床。やはり自宅だとぐっすり眠れる。酒田木村屋のコーヒー味のフレンチトーストを食べて大学に出る。今日いっぱいで教育学部から異動する総務のSさんとお会いする。本当に仕事がよくできて、かつトシも近いので割と気楽に話せる素晴らしい事務員さんだ。大学という組織の定めとはいえ、ちょっと寂しい。

 今ごろになって今年度の授業関係の資料やノートの整理。ゼミのレジュメなどは資料ボックスに入れ、当年用の引き出しを空ける。捨てるもの、保存するもの、裏紙用の三種類に分けていく。

 昼食はスコーラムで。生協で受け取った赤瀬川原平・南伸坊・藤森照信編『路上観察学入門』(ちくま文庫)、林丈二『路上探偵事務所』(講談社文庫)を流し読みする。もし今年度も総合演習を引き受けなければならなくなったら、これらをテキストとして使おうかと思っている。

 明日からの新年度は、授業内容を大きく変更することもなく、去年の今ごろほど授業へのプレッシャーがあるわけではない。内容は2年に1回のペースで大幅改定することにし、間の1年はマイナーチェンジにとどめることにしているので、割と落ち着いている。

 夕方、人文学部のY先生の研究室に遊びに行く。ちょうど社会心理学のS先生、H先生、つまり移動研のメンバーが揃うというところだったので。

 人文学部棟に入ると、廊下がえらいことになっていた。改修工事の際に箱詰めされた本が戻され、廊下に壁のように積まれているのである。うっかりどこかにぶつかって落としたりしたら骨折くらいするだろう。本は重いから。よりによって年度末も最後の日の31日に完工というのがいかにも国立っぽい。

 各先生に旅行のおみやげを渡し、それから先週の調査依頼に対し、正式に書面での許可が下りたことを報告する。口頭ではなく、きちんと書面で約束を交わしているので、双方にとって心強い。いよいよですねえ、と話す。ただ、実際の調査が新年度になってからになるので、作業のペースは必然的に遅くなる。授業が始まったらなかなか学生さんにアルバイトを頼むというわけにもいかない。

 その後はお茶をいただきながらしばし雑談。しばらく僕の持病のことが話題になる。昨日までの旅は、まさにこの持病との闘いでもあったわけだが、実際のところは全く問題なかった。鉄道旅行を愛する者にとって宿痾とでもいうべきこの病については、故宮脇俊三氏もどこかの本で書かれていたのを読んだことがある。

 多くの人が知っていながら、しかし言及することはなかなかはばかられるものではある。が、われわれ4人の間ではそんなことは関係ない。かなり真面目に議論する。H先生がご実家のほうで買ってきた丹波の黒豆とコーヒーをいただきつつ、学者が雁首揃えて結構熱く語っているのは傍からみたらかなり異様ではあるだろう。っていうかバカである(もちろんいい意味で)。まあ、社会学者にタブーなし、というのが僕の信条でありますから。

 こんな話しでずいぶん長居をしてしまった。こんなノリでやっていけたら、研究会も、そこでやる研究そのものも楽しそうだ。しっかりやらねばならない。

 研究室に戻り、引き続き整理作業。今日一日では片づかなかった。というよりもダラダラしすぎた。まだのんびり旅行の「時差ボケ」から立ち直っていないようだ。

 人民食堂で夕食を摂り、8時前に帰宅。いつもより早いのは宅急便の受け取りのため。送り主にまったく覚えのない荷物なのだが、届いてみると「人生銀行」というおもちゃのような貯金箱だった。そういえば引っ越しのときにアンケートだか応募ハガキだかを渡されて、あまり欲しくもないのに応募だけはしたのを思い出した。はなから当たるはずなどないと思っていたので、びっくりした。



 500円玉専用の貯金箱で、一定の期間を定めて、その間にいくら貯めるかといった目標を設定することができる。しかも預金の難易度に応じたキャラクターが、その日常生活を垣間見せたり、貯金の催促をしたりするというもの。少し強気に1年間で10万円貯金を目標にした。どこまでできるだろうか。

 いくらくらいするものかと思ってネットで調べてみたら、3000円から5000円くらいで売られているものだった。そこそこ人気の商品のようである。当たってくれたら、と思うような懸賞はなかなか当たらないけれども、こういう気のない懸賞に限って、忘れたころに当たったりするものなんだなあ。

12月8日(土)晴:おみくじリベンジ

2007-12-08 23:38:36 | モノ
 朝9時に起きる。洗濯をしてから家を出る。一度大学に寄って、一杯コーヒーを飲む。

 人文学部のH先生を迎えに行く。昨夜先生にひとつ頼みごとをしていた。昨日引っ越しを決めたのはいいのだが、10月に先生と、先生の妹さんと岩木山神社を訪れた際、おみくじそのものは「小吉」だったのだが、引っ越しについては「控えたほうがよい」といった趣旨のことが書かれていた。その後ゼミ巡見で浅草の浅草寺で引いたときには、「凶」で、「取りやめるべし」だった。これではどうも気分的によろしくない。

 そこで再度おみくじの引き直しを思い立ったのである。できればメンバー構成もそのときと同じがいい。とはいえ先生の妹さんはドイツにお住まいだから、さすがにわざわざ来ていただくわけにもいかない。I先生がいてくださったら、なおのことよかったのだがなあ。

 お忙しいのは重々承知のうえで、「お昼ご飯をごちそうしますから」と懇願したら、快諾してくださった(実際にはご飯もご自身で払ってくださったので、とても恐縮している)。10月は神無月でもあるし、そのときのはアテにはならない、という激励のことばもいただく。

 先生も僕も社会学者ではあるのだが、非科学的なものには結構惹かれるのである。岩木山は重要なパワースポットであることを信じて疑っていない。

 それにしても見事なまでの快晴である。弘前公園のあたりからは、雪化粧をした岩木山の全容が望める。すっかり見とれてしまう。

 駐車場からは、鳥居の向こう側に山頂を望むことができる。



 好天にもかかわらず、神社に参詣している人はまばらで、雪の残る参道を滑らないように気をつけながら歩く。朱塗りの山門の上に、本当に見事なまでの白さで山頂がみえるのだが、例によって肉眼ではみえるものの、なぜか写真となるとよくみえなくなってしまう。



 手水をつかい、しっかりとお参りする。H先生が、「タカセさんのこともしっかりお祈りしといたよ」とおっしゃるので、恐縮する。僕にはそんな余裕はなくて、自分のことしかお祈りしませんでした。すみません。

 さて、問題のおみくじである。引いてみる。出たのは「吉」。引っ越しに関しては「よろしいでしょう。とくに東のほうがよいでしょう」とのことだった。移る先は東ではなく北だが、引っ越しそのものについては問題ないとのことだったから、まずはひと安心。ついでに肝心の学問については「努力しましょう」とのことだった。まさに言い得て妙とはこのことである。とりあえずリベンジは果たしたといえようか。

 せっかく岩木山まで足を伸ばしたので、温泉にも行ってみる。先日3人で行った「アソベの森 いわき荘」のお風呂はとてもよかったのだが、先生が嶽温泉に行ったことがないとのことで、そちらに行ってみる。「縄文人の宿」というところの風呂に入ったのだが、男湯は誰もお客がおらず、貸し切り状態で実に快適だった。

 山を下りがけに「いわき荘」からさらに奥まったところにある、「野風パン」というお店に立ち寄る。こんなところに、という場所にあるログハウスがお店になっている。



 店内には、天然酵母のパンのいい香りが漂っている。どれもうまそうだ。田舎パンと、スコーン、それからミルクロールとブルーベリーパンを買う。これから数日はちょっとリッチな気分の朝食を楽しめそうだ。

 弘前市内に下りてきて、遅めの昼食。お目当てのお店が営業時間を過ぎてしまっていたので、「回転鮨 清次郎」に入る。2時を過ぎてもお客さんがいっぱいで、待たされる。そのうち人文学部の日本文学のY先生が一人でおみえになったので、3人で寿司をつまむ。しかし昨日といい、今日といい、適当にお店に入っても、誰かしら知っている先生がいらっしゃるものだなあ。東京ではまず考えられないことだ。

 H先生をお送りする。午前中のつもりが、かなり長い時間お付き合いいただく格好になってしまった。感謝してもしきれない思い。先生にとっても、いろいろと困難がある中で、多少なりとも気分転換になったとしたら、うれしいことこの上ない。

 大学に行き、ちょこちょこと原稿をいじる。岩木山のパワーのおかげか、今日は割と仕事がはかどった。これが一時のものに過ぎないのか、明日以降も継続できるか、どんなものだろう。いやいや、他人ごとではないのだ。あくまでも自分自身の問題である。

11月22日(木)雪:後継靴

2007-11-22 23:21:34 | モノ
 昨夜は研究室でブログを書いた後、1階のF先生の研究室でしばし話し込んで、結局帰宅は3時近かった。朝8時半に起きる。睡眠時間は十分ではないが、寒いせいかよく眠れたという感じ。 外をみると、雪は降り続けている。

 少々心許ないバスの運行時刻を鑑みて、大学まで歩くことにする。歩いているうちに体は温まるのでさほど寒さは感じないが、衣服に付着した雪が融けてくると途端に冷えてくる。それも研究室に入ると、すでにスチームで十分に温まっていて、安心する。

 今日の3つの授業は滞りなく進んだ。2コマと3コマの間の昼休みも、格別用事がなかったので、弁当を食べ、少しばかりANATAKIKOUの曲を聴いたりしてリラックスできた。

 4コマのゼミでは、少し話しが脱線して津軽弁の話しになる。2人のゼミ生は、ほぼ完全な標準語を話す。少なくとも僕自身は話していてあまり違和感を感じない。どのあたりで津軽弁を主に話す人、標準語を上手に使い分ける人の違いが出るのだろう、といったら、口を揃えて大学に入ったのが転機だとのこと。うちの大学は比較的地元出身者が多いのだが、それでも岩手や北海道などからの入学者もいる。そういった人びとと交流すると、自ずと標準語を話すようになるそうだ。大学にはそんな社会化機能があるのか。

 ゼミが終わるとすぐにバスで帰宅。今日のうちに車の雪かきをしておかなければ。幸い、雪の水分が少ないのと、風が吹いたおかげで車の上の雪はそれほど多くはなかった。



 暖機運転をしながら雪を下ろす。下ろした雪を今度は車の後ろに捨てる。少しずつ雪の山が大きくなっていく。

 慣れていないものだから、結構時間がかかる。1時間くらいかかったかもしれない。ひととおり雪をかいたところで買い出しに出る。あまり気にせずにいたら、部屋の灯油の備蓄がわずかになっていた。ポリタンクを2つ積み込んで出かける。近くのホームセンターの駐車場に車を停めると、雪と風が一気に強くなってきた。ちょっとした吹雪のよう。

 灯油を部屋まで運び入れて(4階まで階段しかないので、それなりに骨の折れる作業だ)、クリーニングに出してあったスーツを受け取り、雪用の靴を買いに行く。このブログを書き始めたときに一緒に風呂にまで入った黒1号の後継が必要になった。

 イトーヨーカドーの靴売り場を眺めていると、男性用の雪用の靴は、くるぶしの上くらいまでの高さのものと、あとは長靴である。女性用はあれこれブーツが揃っていて、高さもよさげである。男性用のやや丈のあるブーツがあるといいのになあ、と思いながら、黒いもの(黒3号)と茶色いもの(茶2号)を購入する。昨年の冬は実質的に2足(黒2号と茶1号)で乗り切ったのだが、やはり2足だと心許ない。4足+ゴム長靴1足あればどうにかなるだろう。

 だが、ひとつ問題がある。僕は講義をするときにはどうしても靴でないと落ち着かなくて(研究室で履いているサンダルのままだと教室を歩き回るときにペタペタした感じでどうもよろしくない)、授業の前に必ず履き替えるようにしているのだが、雪用の靴だと教室を歩く際に音がする。とくにスパイクのついているものはカチカチ音がする。授業のときのために履く靴を一足宿舎から持参する。捨てようと思っていたボロ靴だが、やはりこのほうがしっくりくるような気がする。

9月3日(月)曇:フロッピーディスク

2007-09-04 10:21:33 | モノ
 半袖のシャツを着て玄関まで出て、どうも少し寒いかも、と長袖のシャツに着替える。本格的な衣替えはまだ少し先になりそうだが、夜は半袖では寒い感じだ。なかなか実感できないが、やっぱりもう秋になっている。

 研究室で書類書き。一応期限は把握しているつもりなのだが、時々忘れているものがあってヒヤヒヤする。まだ、これくらいなら遅れても大丈夫、といった機微を弁えるには至っていない。若干過ぎてしまったものについては、パタパタと駆けていって(今さら走ったところでどうなるものでもないのだけれど)、平謝りする。事務員さんにはよく笑われる。いつもすみません。

 先週末に調査実習のデータ入力の指示を出して、ぽつぽつと学生さんが取りにやってくる。調査票と入力マニュアルとフロッピーディスクを渡すのだが、うちのパソコンではフロッピーが読めません、というケースが多い。確かに、最近のノートパソコンにはFDドライブはついていませんからね。じゃあ、メール添付で送ってあげるよ、というと、パソコンのメールは使っていません、とのこと。何だか進んでいるんだか遅れているんだかわからない話しだ。結局USBメモリをわざわざ取りに行って、そこにデータを移してあげて対応できた。やっぱり添付ファイルの送受信くらいはできるようでなくてはね。

 世界に誇る日本の発明品も、やがては忘れ去られる運命にあるっていうことか。それはそれで何だか寂しいものがある。カバンの中に、フロッピーが10枚くらい入るケースを入れて持ち歩いていた(共同研究のデータが入っていた)のも、もうすっかり昔話だ。USBメモリの価格もびっくりするくらい安くなっているもんなあ。

 ゼミ生のAさんから、問題のあるデータについての問い合わせがくる。3つ選ぶ設問のところで8つ選択されている、とか。事前に学生さんたちにアンケートに答えてもらって、この内容なら間違えようがない、といった反応がほとんどだったが、いざやってみるとこの手の誤答はしょっちゅうなのだ。どのあたりにトラブルが生じるのか、僕としても興味があるので、手元にあるデータを入力してみる。何となく、傾向もわかってきた。2往復ほどやりとりする。マメに情報を上げてくれると、こちらとしても助かる。

 久しぶりにテンキーを操って入力するのは結構楽しい。調子に乗ってあれこれやっていたら、1クラス分あっという間に入力できた。7人に対して9クラス分あるから、これで頭数を出てしまうのは1クラス。ついでにやってしまえ、と片づけてしまった。さらについでにSPSSであれこれ分析をかけて遊んでみる。結構面白い結果が得られた。ただし、何がいえるかについては、一切教えてあげません。

 それにしてもテンキーは便利。学生さんたちの間では、ノート型が主流だから、わざわざテンキーを買って、という人はあまりいないかもしれない。でもデータ入力の際はあったほうが断然早い。パソコン周りのものって、どんどん新しいものが出てきても、なかなか使い慣れたものからの切り替えが難しかったりする(僕に限ったことかもしれないが)。現在宿舎のほうで使っているパソコンじたいは、割と新しいものだが、キーボードは12年くらい使っている。使い込んだキーボードのキータッチ感というのは、なかなか別の新しいものにはないのである。

 データで遊び出すとキリがなくなるので、あくまで今日限り。こっちが現実逃避になってしまってはいけない。

6月7日(木)曇後晴:六連銭

2007-06-08 01:02:44 | モノ
 出がけ、今朝も少し晴れ間が覗くくらいの曇り空。よし、自転車だ(ちなみに昨夜は雨が上がって自転車で帰宅した)、とこぎ出すと、ぽつ、ぽつ、と降ってきた。やはり!と思ったが、先日前輪の脇に取りつけた傘受けにはしっかりと傘が差し込んである。降るなら降れ、と半ばやけになっていたが、傘を差すまでの降りにはならなかった。

 修理に出したスキャンコンバータが戻ってくる。しかし、ある部品がない。しかもその部品を入れておいた内箱ごとなくなっている。修理先から「欠品」があった、との連絡は入っていたが、返送する際に入れ忘れるはずなどない。すぐに先方に電話して、説明する。先方は箱を開封したときからなかった、という。ちょっとした水掛け論である。それこそ魔法か何かでなくなったとしか考えられない。しばらく押し問答の後、ようやく先方で部品を調達してくれることになった。それにしても、不思議なことが起きるものである。修理に出すだけでも面倒だったのに、やれやれ、といった感じ。

 明日の講義のノートとプリント資料を準備したところで昼食。いつもならスコーラムに行くところだが、何となく麺類が食べたくなって、1階の学食へ。いつもの麺類のメニューに加えて、長崎ちゃんぽんがある。どうやら「九州&沖縄フェア」の一環らしい。以前長崎を旅行して以来、ちゃんぽんが大好きだ。生協のちゃんぽんは、本場の味には及ばないけれども、麺の感じなんかはなかなか本格的ではあった。

 ちゃんぽんをすすっていたら、学生さんに声をかけられる。僕は全く忘れてしまっていたのだが、4月の新入生歓迎会で同じテーブルだった学生さんだった。大学院に進みたいのですが、どうしたらいいでしょう、と聞かれたので面食らったが、とりあえず大学院は学部教育の延長線上にあると考えて、今から卒論までの勉強をしっかりやることです、とやや当たり障りのない答えをした。まだ1年生だからねえ。でも、これくらいの時期から大学院を意識しているというのは立派だと思う。ただ、研究したいというよりは、教員採用試験に有利になるらしい、といったことに動機づけられているようで、大学院がどんどん職業訓練校的な性格を強めていくことには複雑な気持ちになる。でも、そうでもしなければうちのような大学の大学院はやっていけないという事情もある。

 研究室に戻り、夏に向けた研究室改装(とは大げさだが)の締めくくりとして、暖簾を入口のドアの前にかけた。風が通り抜けるようにしないと熱がこもって仕方がない。そこでたいていの先生の研究室には夏場になると暖簾がかかる。さすがに廊下を歩く人にじろじろみられるのも厳しいという事情もある。暖簾など、どこでも手に入るのだが、僕なりにこだわってみた。六連銭模様の暖簾である。

 六連銭といえば、信州真田氏である。僕が戦国武将の中で最も好きなのが真田昌幸。というわけで、ネットであれこれ探して入手したものである。といっても、真田氏の旗印の六連銭は、横に3つ、縦に2つ並ぶのが通常で、しかも赤地である。だが、この際細かいことはどうでもいい。風が吹いて廊下のほうにたなびくと、さながら旌旗のようである。うん。なかなかいいじゃないかと悦に入る。

 夕方再び学食へ。珍しさにつられて鹿児島の名物らしい、鶏飯(けいはん)という、お茶漬けを注文。会計の際に、20種類を食べると食券がもらえるスタンプラリーの用紙をもらった。昼もちゃんぽんを食べたので、今日で2つか。これは挑戦しがいがある。

 夕食後は来月の社会教育主事講習のシラバスを作成する。内容は好きなことをやっていいから、という、結構いい加減な依頼である。だが、社会教育なんて僕の専門外だから、本当に好きなようにやるしかない。受講者の方々がどれくらいの年齢層で、どんなお仕事をされているかなど、皆目見当がつかないが、自分にやれることをやるしかない。

 昨夜行けなかった「花の湯」に行く。閉店間際で、最後は僕一人になった。広い湯船を独占するのはなかなかいい気分だ。やはり、少なくとも週に一度は、ゆっくりと風呂に浸かりたいものである。
 

6月5日(火)晴:いいもの

2007-06-06 00:15:40 | モノ
 朝から暑さを感じる。何でも今日は26℃前後にまでなるらしい。半袖にしておけばよかったかな、と思いつつ大学へ。

 途中、近所のサンクスに寄って午後のおやつの菓子パンを買う。雑誌の棚を眺めてレジに行こうとしたところで、目に留まった商品があった。先日まで、サンクスではガンダムくじなるものをやっていた。地球連邦軍ではなく、ジオン公国にちなんだものが景品で、ちょっと心惹かれるものがあったのだが、500円を投じる気にはなれず、気づけばいつの間にか終了していた。その際に余った景品が出たのだろう。ひとつ200円で投げ売りしている。その中でひときわ目を引いたのが、マ・クベのマグカップである。

 僕はマ・クベ閣下が大好きである。ガンダムに登場する人物の中では一番といってよい。そのそも、ジオン軍の連中ときたら、シャアを筆頭に戦バカばかりである。昔の戦国武将を想起すればわかるように、本来将たるものは美を嗜む者である。洒落っ気もなくてはならない(伊達政宗をみよ)。やたらと前に出て闘いたがるなんてのは、まさに葉武者の振る舞いである。だいたい、シャアには戦略的思考なんてものがほとんどない。彼の部下たちはろくな死に方をしていないじゃないか(その点についてはマ・クベ閣下も同様だが)。

 あれこれ考えてみると、僕のマ・クベ閣下好きは、石田三成好きに通じるところがあるような気がする。三成が決して戦下手などではなかったように、マ・クベ閣下も決して愚将ではないと思っている。陰湿な策略家といったイメージは、徳川史観ならぬシャア史観の産物であると思うのである。原作者の安彦良和さんは、その辺をわかっているからこそ、『THE ORIGIN』の作中で、テレビ版の大佐よりずっと格上の中将という位を与えているのだろう。

 だいたい、シャアの赤なんざ、自己顕示欲の表れである。その点、マ・クベ閣下のスカーフは、ワンポイントの控えめな「逸脱」である。シャアみたいな奴こそ、制服が個性を抑圧している、なんてのたもうのだ。実際の若者は、制約や秩序の枠内において精一杯の個性の表現をしているのであって、それこそが美しいのである。でも、全体的に連邦軍よりジオン軍のほうが自由度が高いような気がする。

 で、箱を開けてみると、マ・クベ閣下が「これはいいものだ…」とおっしゃっている。裏面にはちゃんと北宋の壺が描かれている。

 今日からはこのマグカップで旨いお茶が飲めそうだ。

 午後に21世紀科目の授業がある関係で、T実習のほうはお休みさせていただく。本当は今日のグループの実践こそ、ちゃんと観たかったのだが、残念。

 4コマ目に「社会学の基礎」の授業に赴く。うちの大学で一番大きい教室を使っての講義。テーマは自由に設定させてもらえるので、僕は「学歴社会」を選んだ。今日はその前半、「立身出世主義」のお話しである。

 この内容の授業は、かれこれ5年くらいやってきたもので、だいたいの流れも頭に入っているつもりだった。だが、進めていくうちに、だんだんペースが狂ってきているのがわかった。このくらいの時間でここまで、という進度が、どんどん遅れてくる。回復しようと思って少し急ぐのだが、なかなかペースが上がっていかない。結局、最後の結論部分をきちんと整理しないままに終わる形になった。内心、忸怩たる思いがある。何より「立身出世主義」は僕の卒業論文のテーマで、思い入れがある。それがグダグダになってしまったのだから、かなり落ち込んだ。

 どこかに油断や過信があったのかもしれない。大教室というシチュエーションでの板書を書いて消して、という構成にも隙があったか。とにかく反省するばかりだ。幸い、今日の授業は僕のゼミ生2人が出てくれている。色々と感想を聞いて、修正を図っていこう。彼女たちの意見が一番頼りになる。この授業は金曜日にも同内容で開講されていて、15日にもういちどこの回が回ってくる。そこでは抜かりのないように。

 いつもならT実習の後始末に追われるところなのだが、今日はそれがない。気分転換も兼ねて、防虫網2型の製作に取りかかる。薄い木の棒で作った枠を2つ作り、重ね合わせるようにして防虫網を挟む。網の固定などは、すべて3号針のホッチキスで行う。最後にマジックテープを窓枠と木枠とに貼り付けて完成。1時間半ほどでできた。早速取りつけてみる。

 右側が1型、左側が2型ということになる。2型はこのままでも施錠と窓の開閉ができるので、このまま据え付けておいて問題ない。1型は取り外しが必要なので、やはりこのままのほうがいいようだ。この2面を常に開けておくことができれば、いくらか通気性も確保できるだろう。

 夕食を済ませ、研究室に戻ったところで、新たに購入したプリンターの設定をする。こいつが入ったことで部屋の風景も一変した。今までいちいち印刷室まで足を運んでいたコピーが自前でできるようになるのと、幅を取る教授会資料なんかをデジタルデータにして省スペースが図れるのがいい。

 本を読むのもいいが、こうやってあれこれモノいじりをしていると、時間が経つのがあっという間で、誰からも理解されない充実感がある。とりあえずひととおりのことが終わると、やった!という気持ちで帰宅することができる。


6月4日(月)晴:防虫網2型

2007-06-04 22:49:56 | モノ
 朝8時半に起きる。どうにかノドの調子は元に戻った。だがまだちょっとばかり「不調感」がある。大学に行ってしまえばどうにかなるだろう。

 午前中は細々とした用事を片づけているうちにあっという間に過ぎる。せっかく導入したスキャンコンバータのリモコンが効かない(開封した当初から)。買った店のサービスセンターと連絡して、返送・交換することになった。着払いでいいとのことだったが、指定された業者の取り扱い店は近所にはない。仕方がない。夕方に出しに行くか。

 昼休みは生協の弁当(タコライスと生ハムサラダ)。定番メニューもあるが、あれこれ工夫しているな、と感心する。そこそこあたたかいのもいい。

 午後の大学院の授業は、昨日用意した戦隊ものの映像を観る。だが、履修者の皆さんのほうがそっち系に断然詳しく、こちらがあれこれ教えてもらう始末だった。テレビには滅法詳しいA君のおすすめは「鳥人戦隊ジェットマン」だそうだ。何でも、この手のシリーズには御法度(?)の恋愛ドラマ(しかも結構ドロドロらしい)が展開するとのこと。そうなのか!では近々借りてみるとしよう。

 5コマ目の基礎ゼミは、『知的複眼思考法』の1章を読んだうえで、実際の新聞記事を「批判的に読む」ということをやってもらった。素材となる毎日新聞の記事は、2004年のものなのだが、格好の「ネタ記事」だ。学生さんたちは比較的早く問題点を発見してくれた。毎日は署名記事だから、当然この「ネタ記事」を書いた記者さんの名前も明らかになる。名指しで批判する格好になるのがちょっと悪いような気もするが、それでも非常に優れた「信用できない記事」の例である。

 一度帰宅して、昨日に続いて100円ショップで防虫網の材料を買う。昨日張ったものは、一日経って網とマジックテープとがはがれてしまう(マジックテープ同士の貼りつきのほうが強い)ようになって、やはり改良が必要と判断した。こうなるといてもたってもいられない。午前中から、早く夕方にならないかとうずうずしていた。2枚目の網は薄い木材で枠を作って取りつけてみようと思う。網に直接マジックテープを取りつけたもの(防虫網1型)と、枠を作ったもの(同2型)と、どちらが性能的に優れているかの比較を行う。ただし、本格的に2型の製作に取りかかると今週の仕事がおろそかになりそうなので、とりあえず今日は材料を購入したところで我慢する。

 生協に注文しておいた、日本城郭協会監修『日本100名城公式ガイドブック』(学研)とギャラリー・間編『建築MAP大阪/神戸』(TOTO出版)が届く。こういった本を眺めているときが、日常生活の中でもっとも幸せな時間である。いつもなら研究室に置いておいて、空いた時間に時折ぱらぱらとめくるのだが、この待ちに待った2冊はいったん自宅に持ち帰って、寝るまでのわずかな時間も楽しむことにする。

6月3日(日)晴:防虫網

2007-06-04 00:32:50 | モノ
 まだ本調子ではないが、どうにか明日からの仕事には支障なさそうだ。昨日に続いて布団を干す。やはり干した布団だとよく眠れる。ついでにシーツ一式を洗濯する。

 昼食を済ませてから大学へ。早慶第2戦に間に合うようにと1時少し前に着いたのだが、今日は中継が2時からだ。昨日買ってきたテレビのアンテナ分配コードを取り付けて、一昨日据え付けたテレビで観る準備を整える。

 すでにネットで試合経過を把握していたので、中継が始まったときには完全な早稲田の優勢になっていた。慶應の中林投手がここまで打ち込まれるとはちょっと予想外。今日の中継の解説も早慶の前監督、野村さんと鬼嶋さんで、2人のテンポが結構面白い。鬼嶋さんは慶應の監督時代、素人目にも??な采配が多かったが、解説者としてはごくまともだ。

 早稲田は昨日とは対照的に、打線がよくつながった。おまけに要所で一発攻勢にも出られる。昨日の敗戦の一因といわれた上本選手の活躍ぶりも目覚ましかった。それにしても、斎藤投手というのは、よくよくこういった星の下に生まれついたのだろう。もちろんテンポのいいピッチングが打線のリズムにもつながっているのだろうが、あまりいい調子ではない中で、そこそこにまとめ上げる力量は本当にすごい。

 何より、マスメディア的にも最高の展開だったろう。今日の中継が消化試合にもならず、文字どおりの大入り満員になったわけだから。欲をいえば、完投して欲しいところだったのかもしれないが。ただ、明日の試合は本来決して消化試合ではない。優勝したとはいえ、早慶戦の勝ち点を落としては何にもならない。

 休日なのをいいことに、音量を目一杯上げて、何度も響き渡る「紺碧の空」に聴き入りながら、僕は窓に張る防虫網を作っていた。昨日100円ショップで網戸の張り替え用の網とマジックテープを買い込んできた。本当はちゃんとした網戸を取り付けたいところだが、固定できるようなスペースがない。しかも1枚5,000円はする。マジックテープを窓の枠に沿って貼り付け、そこにべたっと網をくっつける。いったんマジックテープをはがし、テープに沿って網の余分な部分を切り取って捨てる。やはりぴんと張ることはできないが、四辺をマジックテープで留めるから、虫の侵入は容易ではないだろう。できあがった様をみて、独り悦に入る。コストも網+マジックテープで600円だ。とりあえず今年の夏を乗り切れればそれでいい。

 だんだん部屋が手狭になってきたので、立体的な空間利用を考える。組み立て式の棚板と脚を買ってきて、プリンタの上に組み立てる。明後日届くのれん用に棒を通す。こんな風にあちこちいじっているのが楽しく、時間が経つのを忘れる。

 TSUTAYAで借りてきた戦隊もののDVDを編集する。明日の大学院の授業はメディアにおけるジェンダーと暴力シーンがテーマで、2つの戦隊もの(「秘密戦隊ゴレンジャー」(1975年)が第1作で、もうひとつの「百獣戦隊ガオレンジャー」(2001年)は25周年作品)における女性キャラクターの位置づけ、色コードの使い方、戦闘シーンなどの比較をしてもらおうと思っている。ゴレンジャーは懐かしかった。といっても、僕が観ていたのは再放送か何かだろう。ガオレンジャーについては、本当は30周年作品の「轟轟戦隊ボウケンジャー」(2006年)がよかったのだが、生憎DVDが貸し出し中であった。ガオレンジャーになると、映像からして隔世の感がある。随所にCGが使われ、やたらと小うるさいキャプションが出てくる。金子昇や玉山鉄二が出ていたのにも驚いた。今回は、とってつけたような準備になってしまったが、今後本格的に研究する余地がありそうだ。

 もう一枚の防虫網を作るためのマジックテープだの、USB接続の小型扇風機だの、研究室のさらなる環境改善に必要なものと、夕食のおかずを買い、帰宅する。久しぶりに「風林火山」をリアルタイムで観る。金曜日の授業の「講義記録」を作成したところで仕事はおしまい。今週は週末もつぶれてしまうので、何とか体調を戻して、乗り切れるように。