五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

9月13日(月)晴れ(東京)→晴れ(弘前)

2010-09-27 20:17:15 | Weblog
 8時起床。朝食はトーストと野菜サラダ。熱い緑茶を飲む。

 仕事に出かける両親の車に便乗して出かける。トローリーバッグは宅配便で送ることにした。昭島駅に送ってもらい、名倉堂に行く。しっかりと調整をしてもらって、体調は万全だ。

 拝島駅から電車に乗る。国立で下車。画廊「岳」さんで開催されている増田常徳先生の個展「JOTOKU展」を観る。能面をテーマにした作品は初めて観た。静謐さと、まるで生命を持っているかのようなまなざし。じっと向き合うと本物の面がそこにあるかのようだ。

 増田先生ともしばしお話しする。毎回毎回今回の展覧会に込めた思いを伺うのだが、常に新たな挑戦を続けている。その力強さに感銘を受けて、画廊を辞すときにはいつも元気になったような気がする。先生の作風とはちょっと違うような気もするのだが、実際そうなのだ。


 国立駅前の古書店で古本を2冊ほど買う。古書店の棚を隅から隅まで眺めるなんていうのは、大学院生の時分はいくらでもできたが、最近はなかなかそんな時間もない。古書の探索も専らネット頼みになってしまっているので、効率的だがどこか味気なくなった。

 早稲田に行く。昼食は「メルシー」のラーメンと半ライス。いまだに早稲田に来るとこの店に足が向いてしまう。やはりうまい。暑い日で、汗をさんざんかいても、ここのラーメンが食べたくなるのだ。

 早稲田大学図書館で資料収集。授業は前期のみでも、図書館の利用資格は今年度いっぱいある。残すところ半年ほどの特権を行使しない手はない。およそ弘前では入手できそうにない資料を借り出す。せっかく大きな荷物を送ったというのに、結局たくさんの荷物を持ち帰ることになった。バックパックにも手提げのサブバックにもパンパンに本を詰めて図書館を出る。

 真っ直ぐ東京駅に向かうには時間がある。結構な荷物を持っているので、あまり歩きたくもない。となると荒川線に乗るのがいい。早稲田電停は図書館のすぐ裏手だ。何度乗ってもこの電車に揺られると心躍る。一番前の席に座る。前方を見るには特等席だ。


 面影橋を出て、学習院下から東池袋四丁目まで、結構な勾配の坂を上ったり下りたりする。東京には坂が多いことを実感できる区間だ。小さな電車の床下でモーターが目一杯うなる。専用軌道の部分では、ここが一番好きなところだ。



 走っていると、次々に電車とすれ違う。気がつくと荒川線の車両もかなりバリエーションが増えてきた。わずかな乗車時間のうちに現役のすべての車両を見ることができた。




 飛鳥山から王子駅前までの路面区間を楽しむ。この区間だけは、堂々「路面の王者」、といった感じである。


 王子から京浜東北線で上野へ。少し余裕をもって「はやて29号」を待つ。乗車前に駅弁を買って乗り込むが、温かいお弁当がバリエーション豊富に揃っているグランスタと比べるといささか寂しいものがある。

 『エンジェル・ハート』33巻を読む。「1stシーズン終了」と帯には書いてあるが、カバーの著者のことばにはそれが納得のいかない形のアナウンスだといった趣旨のことが書いてある。読者の側もどうも釈然としない。どのような形であれ、続編は読みたいところ。

 弘前駅に降り立つ。空気はすっかりひんやりしている。そして寒い日の匂い。ようやく夏が終わったようだ。

9月12日(日)晴れ

2010-09-17 23:45:24 | Weblog
 8時起床。朝食はトーストと野菜サラダ、緑茶。今朝も大沢親分と張さんは絶好調だ。ただ最近はご両人のコメント以上に浅井信雄さんのベイスターズネタのほうが気になっていたりする。この人が出ると出ないとでは結構違う。

 9時過ぎに家を出る。父と一緒に青梅線に乗る。父は国立駅で下車。僕は新宿で山手線に乗り換える。恵比寿に向かう。

 本当は渋谷に行くのだが、何度行っても渋谷は勝手がわからず、食事をするにもどこに行ったらよいのか迷ってしまう。お店がたくさんありすぎるのだ。その点恵比寿はちょうどいい。

 ガーデンプレイスに向かって歩いていく。この辺の店舗やレストランは11時ないし11時半オープンのところが多い。だから新宿あたりと比べると、まだひっそりとしている。ガーデンプレイスタワーに上ってみる。恵比寿には何度か来ているが、このビルの上に上がったのは初めてだ。展望室があるとは知らなかった。今日は少し霞んでいるけれど、すっきりと晴れていたらかなりの眺望のはずだ。


 大好きな場所、三軒茶屋のキャロットタワーも見える。


  足元では、新型の成田エクスプレスが走り去っていった。


 やたらと長い倉庫のような建物は、防衛省艦艇装備研究所の施設。以前に尊敬する山田五郎教授が朝日新聞の連載で取り上げていたものだ。


 日の丸自動車の巨大なオブジェが目立つ教習所だとか、ここから見える建物は、結構目を引くモノが多い。


 11時を過ぎて、ヱビスビール記念館を見学する。かなり人気があるようで、まだ開館して間もないというのに、見学ツアーは先の回まで予約で埋まっていた。各種ビールはおいしそうであったが、飲んでしまったら大変なことになるので、ここは見学するにとどめておく。

 昼食はアトレ恵比寿のなかにある「花旬庵」で食べる。飲食店のメニューは、もうすっかり秋物になっている。もう9月も半ばになろうとしているから当然か。だが外は相変わらず暑い。

 渋谷に移動する。かつて東急文化会館のあった場所は、再開発の工事中。仮設の通路を通って、青山通りに出る。10分ほど歩くと、こどもの城の前に出る。シンボルである岡本太郎のオブジェも久しぶりに見た。


 今日は青山劇場に「井上芳雄 10周年記念コンサート」を観にやってきた。昨年の「組曲虐殺」「シェルブールの雨傘」以来、すっかり井上さんのファンである。いや、僕などがファンなどと自称するのは相当におこがましい。何しろこの1000人以上のキャパの劇場で、10日間連続でソロコンサートができてしまうほどのお人なのだ。開場を待っていると、普通のミュージカルの公演とはちょっと違った雰囲気が漂っているような気がする。

 青山劇場は、とても懐かしい場所だ。初めてチケットを買って、ミュージカルの舞台を観たのがここ青山劇場。1991年に「ミュージカル 李香蘭」の初演を観た。そこからミュージカルに魅了されていったのである。でもその後劇団四季が専用劇場を持つようになってからは、ここに足を運ぶことはなかった。いざロビーに入ってみると、何だかとても感慨深い。あのときは2階席の1番後ろで観たのだった。


 そんな感傷に浸りつつ、「現在」輝いている井上芳雄のコンサートを観る。

 開演前の舞台上では、ダンサーやミュージシャンが入念なチェックを行っている。はて、そろそろ開演のはずだが…と思って眺める。少しして、すでにショーが始まっていることに気がついた。観客の目線の先、舞台の奥には客席の書き割りがある。舞台上は舞台裏という仕掛けだ。

 井上さんが登場する。客席の雰囲気が一変する。オープニングの曲は「ようこそ劇場へ」(アプローズ)だ。CD(「WELCOME TO THE THEATRE」)を聴き込んでいたので、とても自然な流れ。そして、1部は単に歌うだけではなく、ちょっとした芝居仕立てにもなっている。鏡台に向かってのモノローグ、さらにはわかる人にはわかる(世代を選ぶ)小ネタなどもあって、笑わせてくれる。おまけに2人のダンサーにも、えっ!?と驚かせるような演出がされている。いきなり舞台の世界に引っ張り込まれる。「モーツァルト!」の「影を逃れて」は、この演出とぴったり合っている。

 舞台上での衣装の着せ替えもあったりして、これが面白い。「ウエディングシンガー」から2曲。明るく楽しく。ギターの演奏も堂に入っている。ジャケットの青色とともに、爽やかだ。

 軍服を着て登場したときには「ミス・サイゴン」のクリスや「シェルブールの雨傘」のギイを演じる。別々の作品をある共通項でつないでいくわけか。「シェルブール~」は、もう一度観てみたいと思っていたからとてもうれしい。感情をぐっと押し殺して、淡々と、切々と歌っていく様は、この人が「ミュージカル俳優」なのだということを再認識させてくれる。

 「ミー&マイガール」の2曲は明るく楽しく。小道具も気が利いていて、手拍子に合わせて歌う。この辺はやっぱり「王子」なのだ。トークのなかでも、しきりに「王子ネタ」が持ち出されていた。本人のアイデンティティと周囲からの期待。両方を引き受けての「王子」なのだろう。いろいろなしんどさもあったのかもしれないが、それを感じさせないところが「王子」である。

 王子服(?)の衣装では、「ルドルフ」と「エリザベート」の曲が歌われる。いずれもハプスブルグ家の皇太子ルドルフ役の歌だ。「ルドルフ」の「明日への階段」も、一度ナマで聴いてみたかった曲。アンサンブルのコーラスがないのは残念だけれど(これは仕方がない)、晴れやかな表情で歌い上げるこのナンバーはぐっとくる。対して「闇が広がる」のほうは一気に奈落の底に落ちるかのように暗転する。ここでは映像を活かした素晴らしい仕掛けがなされる。過去と未来との出会い、といったところだろうか。未来の可能性も十二分に感じさせるものになっていた。

 しかし、1部のラストの「モーツァルト!」の2曲「僕こそ音楽」は、「王子」たることの恍惚と不安とが交錯するかのような、そんな思いを感じさせるものであった。これらの曲は、舞台とは少し歌い方も変えているようで、以前に観たときよりも迫ってくるものがあった。

 2部は少しばかりミュージカルナンバーを離れて、ポップスやジャズを歌ってみせる。らしさは損なわず、新境地を開拓する。マイケル・ジャクソンに尾崎豊、フランク・シナトラにシャンソンまでと、振り幅は広い。

 スペシャルゲストは香寿たつきさん。これまた僕の好きな女優さんである。何といっても「天翔ける風に」の三条英がいい。何度も井上さんとは同じ舞台に立っているのだが、2人で歌うナンバーというのはほとんどないのだそうだ。そういえば「シェルブールの雨傘」なんて、直接顔を合わせる場面は一度もなかったな。

 そんな香寿さんと井上さんが歌ったのは「愛していれば分かりあえる」だった。きりっ、としたイメージの香寿さんが、一生懸命に女の子っぽく歌っている感じが何とも微笑ましかった。さらに宝塚の曲「青い星の上で」をソロで歌う。今度は2人が直接向き合うような舞台というのも観てみたいものだ。

 ブロードウェイミュージカル「イントゥ・ザ・ウッズ」と「カンパニー」から1曲ずつ。そして、「組曲虐殺」から「独房ソング」を歌う。このコンサートでも井上さんは「虐殺」の曲を歌ってくれるだろうか、と注目していたのだが、ちゃんと取り上げてくれた。てっきり「胸の映写機」かと思っていたのだが、「独房ソング」だった。独房のなかにいる小林多喜二が、自らの苦悩を絞り出すように歌う曲である。舞台では、とても壮絶な場面で、コンサートには似つかわしくないような気もする。しかし井上ひさしさんへの思い、そして小林多喜二への思いをしっとりと語りつつ、見事にあの場面を再現してみせた。「王子」としての井上さんを愛してきた人々にとっては、引いてしまうような曲と語りだったかもしれないが、僕自身はここに大いに感動させられた。役者としての凄みを存分に感じることができた。心の底から拍手を送る。深読みをしてしまえば、10年という時間の意味は、ここに集約されているようにさえ思えた。何より、2人の井上さんの出会いは、短い期間のものであったとはいえ、それぞれにとって大きな意味を残したように思う。

 コンサートの締めくくりは、サラ・ブライトマンの「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」だった。美しく歌い上げる。そしてアンコールへ。エリック・クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン」。そして最後の最後が斎藤和義の「歌うたいのバラッド」だった。きれいに美しく、ではなく、思いをそのまま歌に乗せて、といった感じがよかったな。

 素晴らしい2時間40分の舞台だった。これだけの時間を、まったく飽きさせることなく、あっという間と感じさせてしまうのは実にすごいことだ。10周年。すごいもんだなあ。このところ、ミュージカルからもらえるパワーがなくなってきたように感じていたが、そんなことはない。しっかりとした役者と、それを支えるスタッフがいれば、やっぱりミュージカルは何ものにも代え難い希望を与えてくれるものだ。井上さんの舞台を観て、あらためてそう思った。

 劇場の外に出る。何だか甘いものが食べたくなった。表参道のほうに向かって歩いていると、「京はやしや」という甘味屋さんがある。階段を下りてお店に入る。人気のあるお店のようで、少し待たされる。紅茶のパフェを注文する。ボリュームはあるが、甘さは控えめでさっぱりとした味わい。これはいいね。周りを見渡すと、井上さんのコンサートのパンフレットを抱えた女性たちが多く見受けられた。劇場との位置関係でいうと、絶妙のロケーションだもんね。

 表参道へと歩く。交差点で立ち止まって、見上げると、何だか見覚えのある高いビルがある。この間「タモリ倶楽部」でお取り上げられていたビルだ。日照を考慮してこのような形態になったのだとか。裏手にはバルコニーがあって、なかなかの眺め。

ここから景色を見ていたら、これまた気になる寺院風の建物があったので、近寄ってみる。結婚式場のチャペルらしい。

 今までこの辺の路地を歩いたことはなかったのだが、なかなか魅力的だ。表通りからは目に付かないところに奇抜な現代建築群が隠れていたりする。

 迷路のような細い道を適当に歩いていたら、表参道ヒルズのすぐ前に出た。表参道ヒルズは、思ったほど人がいない。テナントの入れ替わりも激しいようだ。時期や時間にもよるのだろうが、再開発の目玉だった割には、いささか活気に欠けるようだ。

 竹下通りに回ってみる。こちらは大変な人混みだ。そろそろ夕食どきなので、いろいろお店を物色するが、どこも混雑していてすぐには入れそうにない。結局、東京駅まで出る。丸の内オアゾの「つばめKITCHEN」でハンブルクステーキを食べる。やっぱり慣れ親しんだところに入るのが安心だ。おのぼりにはこういうのが合っている。

 帰りの電車のなかでは、コンサートの余韻に浸る。いい舞台というのは、長く後を引くものだ。その点今日のコンサートは満点だった。


9月11日(土)晴れ

2010-09-16 21:03:45 | Weblog
 7時起床。朝食はトーストと野菜サラダ。抹茶の食パンは、少しだけバターを塗って食べると実にうまい。

 早いうちに出かける。今日は午前中のうちに用務を済ませる。幸い、予め段取りをつけておいたので、スムースに進んだ。

 またしても急なお誘いをくれた弟と合流する。向かう先はもちろん西武ドームである。まさか先週に引き続いて観戦することになるとは思ってもみなかった。しかも予告先発投手は、仙台での炎上劇の記憶もさめやらない涌井投手である。だが今日はきっちりリベンジしてくれるんじゃないかと思う。

 今日の相手はマリーンズ。何しろ相性の悪いチームだし、優勝争いのなかでの強力なライバルだから、試合前から俄然緊張する。

 球場に到着すると、すごい人出だ。ペナントレースも最終盤。盛り上がるのは必然といえ、こんなに混雑するのを見るのは久しぶりのような気がする。

 入口の前では、ライオンズOBの小関竜也さんのトークイベントが開かれていた。現役時代も好きな選手の一人だったが、こうしてスーツを着ていてもカッコいいなあ。



 弟が用意してくれたのは1塁側の内野指定席。3塁側は満席で、やっと確保したのだそうだ。この球場ではビジター側になるが、周りは圧倒的にライオンズファンが占めている。


 ライオンズの練習風景を眺める。僕のほうは結構緊張しているが、選手たちはリラックスムード。仙台では負傷したフェルナンデス選手も、中村選手と一緒にふざけていた。


 マリーンズ戦を観るのはいつ以来だっけ?何だか応援が大人しくなったような気がする。一体感こそあれど、うねるような熱気がなくなって、割と普通の野球の応援になっているような。その辺の事情は弟が解説してくれた。


 さすがに西武ドームの明るさだと、デジタルズームを使っての撮影はなかなか難しい。一脚でも持っていればいいのだろうが、手で支えているだけではやはりブレてしまう。

 注目の涌井投手の立ち上がり。いきなり先頭の西岡選手に3塁打を打たれる。続く清田選手は三振に仕留めたものの、3番井口選手にタイムリーツーベースヒットを浴びる。あっさりと先制される。何だかイヤな感じ。

 対するマリーンズの先発は吉見投手。こちらは1死後に栗山選手の2塁打、死球、四球であっという間に満塁。期待の中村選手が倒れて、ちょっとがっかりしたが、続く山選手がレフトの頭上を越えるツーベースヒットを放って、あっさり逆転。懸命にフラッグを振る。山選手は3回にもタイムリーヒットを打ってくれた。引き続き好調のようだ。

 涌井投手は、それほど調子がよくないように見えたが、きっちりと抑えていくあたりはさすがだ。3回から7回を投げ終わるまで、ヒットを許さなかった。


 レフトスタンドには、大きなユニフォームが掲げられて、さらに試合を盛り上げる。何だかサッカーの応援ぽい気もするが、これもまたよし。


 試合の中盤は、膠着状態が続く。ライオンズもランナーを出すが、決め手に欠ける。中島選手の併殺打もここのところ目立つような。

 弟が、ここ西武ドーム名物の日本茶を買ってきてくれた。ペットボトルに入って売られているのとは違う。濃いめの狭山茶で、少々粉っぽい舌触りなのもよい。お茶そのものは濃いのだが、飲んだ後はすっきり。この球場ではジュースではなくお茶だ。

 ラッキーセブンの攻撃前には、しっかりと風船を飛ばす。これを忘れたから仙台ではやられたのだ。依然としてそう思うことにしている。


 涌井投手は7回で降板。球数に余裕を持たせたのは、調子のせいか、それとも今後のローテーションを見すえてのことか。そんなに余裕のある点差ではないけれども。

 8回裏に、片岡選手のキャッチャーゴロの間に追加点。マリーンズが小林宏之投手を投入して、というところだっただけに、この1点は大きかった。

 9回表は、守護神シコースキー投手が登板。やはりこの明るさだと腕をぐるんぐるん回す動作はまともに撮ることができない。


 シコースキー投手は、先頭の井口選手に2塁打を打たれ、金選手のタイムリーヒットで1点を失った。何だかまたイヤな感じがしたが、何とか後続を断って、勝利をものにした。どうもシコースキー投手が登板過多で疲れているように見えるのが気になる。


 とにかく今日の勝利は大きい。この余勢をかって、先に3タテされたマリーンズにお返しをしたいところだ。



 ヒーローインタビューは、涌井投手と山選手。涌井投手は仙台の悪夢を払拭して、山選手は仙台で見たときと同じような活躍。どちらも素晴らしい。これでますます勢いがついていくことだろう。



 いい気分で球場を後にする。本拠地西武ドームでのレギュラーシーズンの試合は、明日と23日の2試合のみ。もちろん観に行くことはかなわないが、やっぱり本拠地が盛り上がるのはうれしいし、楽しいなあ。

 実家に帰って、両親と4人で夕食を摂る。弟のお嫁さんは、一時帰省していて、一緒に帰った姪っ子はとうとう歩くようになったそうだ。まだ10ヶ月だが、本当にすくすく成長しているようだ。今度会ったときに人見知りされなければいいがなあ。

 再び熱帯夜が戻ってきたようだ。1階の部屋で寝ることも考えたが、窓を開けてみると、案外涼しかったりする。もう少しで夏から抜け出せるだろうか。

9月10日(金)晴れ(弘前)→晴れ(東京) 

2010-09-16 00:17:10 | Weblog
 8時起床。朝食は摂らずにトローリーバッグをゴロゴロと転がしながら弘前駅に向かう。ドトールに寄って、モーニングセットを注文する。どうやら列車の出発まであまり時間がなさそうなので、テイクアウトにする。

 サンドウィッチとカフェラテの朝食を摂り終わると、しばらく眠る。やっぱり眠い。バッグには文庫本の小説を何冊か入れてあるが、ほとんど読むことはなさそうだ。

 八戸で新幹線に乗り継ぐ。列車を乗り継いでも、眠いのは相変わらずだ。大きな駅に停車すると、そのときだけ目を覚ます。盛岡に停車中に、開運橋のほうに目をやる。一昨日レンタカーで渡ったばかりだ。


 遠い場所なのに、中1日で通ると何だか不思議な気分になる。続いて仙台へ。仙台駅からは見ることができないが、出発して少しすると、Kスタ宮城のスタンドと照明灯がかすかに見える。こちらは先週訪れたところ。


 つい最近のことなのに、懐かしく感じる。

 東京駅のホームに降り立つ。覚悟はしていたが、やっぱり暑い。新幹線の車内では上着を羽織っていたのだが、それも放り出したくなる。

 昼食がまだだった。教えてもらった新丸ビルの7F、丸の内に行ってみる。かつての旧新丸ビルのスカイラインをあしらった低層階の上部に相当するところだ。余裕をもった空間配置で飲食店があり、それぞれテラスに出て、屋外でも食事を楽しめるようになっている。これは面白い。

 おまけに「高野山カフェ」なるイベントをやっている。高野山の観光キャンペーンのようで、南海電鉄が誇る観光列車「天空」の案内なども行われていた。驚いたのは、至るところに本物のお坊さんが歩いていたことだ。そして8つある飲食店それぞれが精進料理にちなんだスペシャルメニューを提供していた。

 どのお店も魅力的なのだが、何となくパスタが食べたくなったので、「欧風小皿料理 沢村」というお店に入る。アサリのジェノヴェーゼのランチセットを注文する。パスタもおいしいが、それ以上に付け合わせのパンがうまい。何でも軽井沢のパン屋さんが出しているレストランなのだそうだ。なるほど。前菜にデザートのプリン、カフェまで付いて1,600円は、場所柄を考えるとかなりお値打ちだ。

 食後にはテラスに出て、ぐるっと回ってみることにした。東京海上日動の2つのビルの間からは、江戸城の巽櫓と富士見櫓が見える。霞んでいなければ、もっとはっきりと見えるのだろう。はるか向こうには、市ヶ谷の防衛省の電波塔も望める。


 ぐるっと回ってみると、かつての東京中央郵便局舎の工事現場が見える。旧状は大きく損なわれているが、それでも何とか部分保存がされただけでもよしとすべきか。


 東京駅の丸の内口駅舎は、復原工事が進捗して、今はすっぽりとカバーに覆われている。戦災で失われた円形のドームも、着実に復原されつつあるようだ。


 東京駅周辺から皇居にかけて、ぐるっと見回すにはここは最高のスポットだ。お天気がいい日には、ここでのんびり過ごすのもいいだろう。たまたまランチのピークを過ぎた時間だったから、j比較的空いていたのかもしれないが、今度は夜にも訪れてみたい。

 国会図書館に行く。予め狙いをつけていた資料を閲覧する。だが、期待したほどのものではなく、複写も見送る。資料収集は毎回毎回思った通りの成果が得られるわけではない。こんな日もあるさ。

 約ひと月ぶりに松原名倉堂に行く。8月いっぱいで、よく調整をしてもらっていた先生がお辞めになっていた。先生とは野球の話しでよく盛り上がっていた。最後に直接ごあいさつをすることができなかったのが残念である。もっとも、独立開業のためにお辞めになったのだから、それはおめでたいことだ。院内には、12月に開業予定の整骨院の案内地図が貼り出されていた。こうやって、効果覿面の施術が広まっていくのはいいことだ。いつかお祝いにそちらも訪れてみたい。

 父に拝島駅まで迎えに来てもらい、帰宅する。一ヶ月ぶりの実家の食事は、例によって自然な味。たっぷりと堪能する。

 夜、クーラーのない2階の部屋で寝られるかどうか心配だったが、涼しい風が吹き込んでいる。これならよく眠れそうだ。

9月9日(木)晴れ

2010-09-15 20:36:13 | Weblog
 8時半起床。例によってイギリストーストとしょうが紅茶の朝食。食べ終えて、何だか急に満足感を覚える。相当にこの組み合わせの朝食を食べてきたが、何かこう、定量を食べたという気になった。なぜそう思うようになったのかはわからないのだが。

 大学に出る。窓を開け、テーブルの上を片づける。ほどなくして調査実習の学生が集まってくる。今日の作業は、テープ起こし(録音機材がICレコーダに変わっても、やっぱりテープ起こしはテープ起こしだ)のための音声ファイルの配分と、ご協力いただいた方々への礼状書きである。

 テープ起こしは、パソコンで音声データを加工できるようになって、以前よりもかなりラクになった。再生用ソフトも、フリーソフトでかなりいいものが出ている。かつてのようにトランスクライバーを用意しなくても、パソコンさえあれば容易に(あくまでも相対的なレベルでだが)テープ起こしができるようになっている。

 続いて礼状書き。こちらは僕のほうで定型化されたあいさつ文の他に、メンバーが手分けして弘前の四季を写した絵葉書にメッセージを書いて送ろうということになった。

 学生たちには、白紙に文案を書いてもらって、僕のほうでチェックする。ちょっと厳しくダメ出しをする。僕がパソコンで書いた、形式的な文面とほとんど変わらない。もっと対象者のことを考えて、心を込めて書くこと、と、ガラにもなくウェットな要求を出す。何度も話し合いを重ねて、書き直された文案にOKを出す。下書きができたところで、絵葉書にペンで書く。一人が3ないし4人分を書くのだが、相当に根気のいる作業だ。実際、時間もかなりかかったようだ。全員分が揃ったのは、14時を過ぎたころだった。

 できあがった絵葉書を手にとって眺める。これならご協力いただいた方々にも、ちゃんと感謝の気持ちが伝わるだろう。

 事務で封筒をもらってきて、宛名を書く。10通の封筒を揃えて、僕のあいさつ文と学生が書いた絵葉書を封入する。早速今日のうちに発送する。明後日には皆さんのお手元に届くだろうか。

 とりあえず調査直後の作業が終わってひと息ついていると、男女共同参画推進室の委員の方から、急ぎの打ち合わせをしたいのですが、という連絡が入る。わざわざ僕の研究室まで足を運んでくださるとのこと。先ほどまで学生たちが礼状書きをしていたテーブルで、緊急に処理しなければならない案件についての相談。1時間ほど打ち合わせをして終わる。

 明日からの帰京の準備をする。資料収集を行うので、事前の情報収集もしておく。図書館や文書館に行ってからでも対応できるが、予め下調べできるものについてはできる限りやっておこう。考えてみると、久しぶりの帰京である(といっても約1ヶ月ぶりだ)。主旨はもちろん研究だけれども、コチコチに凝り固まってしまった首と肩の施術をようやく受けられるのがうれしい。

 東京の予想最高気温をチェックする。こちらはだいぶ秋めいてきたけれども、まだまだ東京は夏のまんまのようだ。それでも帰れるのはやっぱりうれしいのである。

9月8日(水)晴れ(弘前)→晴れ(盛岡)→晴れ(弘前)

2010-09-15 20:01:57 | Weblog
 7時半起床。朝食はイギリストーストとしょうが紅茶。資料やフィールドノートを詰め込んだバックパックを背負い、右手にお菓子の入った袋、左手にビデオカメラと三脚の入ったバッグを持って、弘前バスターミナルに向かう。今日の集合場所は8時55分発の「ヨーデル号」の車内である。ちゃんと4人が乗り込んだ。

 盛岡までは極力眠るように心がけた。日帰りの調査だから、時間の制約も大きい。そうそう簡単に行ける場所でもないので、できるだけ多くの成果を得たいという欲も出る。でも焦りは禁物だ。そんなことを考えながらウトウトする。

 盛岡駅前でレンタカーを借りる。ようやく荷物から解放された。予算が限られているので、5人乗りといえども小さい車を借りる。僕にとっては運転しやすい。

 フィールドに向かう前に「ぴょんぴょん舎」に寄って昼食。まだかろうじて冷麺がおいしい時期だ。いや、冬だって冷麺はおいしいが、やっぱり暑い日に食べるのがいい。しっかり昼食を摂って、意気揚々とフィールドに向かう。カーナビがしっかり案内してくれる。約束の時間より15分ほど早く到着した。まずはいろいろとご手配くださったおじいさんにごあいさつをする。

 今回の聞き取りの会場の集会所には、10人ほど集まっていた。奥の調理場では、奥さんたちがお菓子や枝豆、漬け物、それにお茶を用意してくださっている。心づくしのもてなしに恐縮する。

 僕はビデオカメラの撮影に専念する。聞き取りは学生に任せる。初めから上手くいくことは少ない。まずは経験が大事。ただし事前にどれだけイメージトレーニングできているかどうかは、流れを左右する。その辺はちょっと心配だ。

 順番に自己紹介をしていただく。僕は先行研究の聞き取りの記述を思い出しながら、ああ、この方が、という感慨に浸る。お会いできて本当にうれしい。僕にとっては、聴き入ってしまう話しばかりだ。活字になったものよりもより詳細で、深い話しを聴くことができる。ワクワクしながら耳を傾け、ビデオのフォーカスを調整する。

 ただ、場を取り仕切る学生は大変だったと思う。どうしても用意した質問項目をきっちりと消化しようという気持ちになるし、また長く話す人がいると、別の人が退屈そうな仕種を見せることもある。どこかで介入する必要があるのだが、どこで割り込んでいいのか、そのタイミングの見極めは難しい。僕のほうは、極力口を挟まないように自制した。ただし、どうしても突っ込んで聴いてみたいところだけは、僕も発言した。

 やや流れが悪くなったところで、ライフコース整理表を「投入」する。集まってくださった方全員分を用意できたわけではないが、情報は薄くても、人生年表のインパクトは大きかったようだ。初めから使ってもよかったのかもしれないけれど。この辺のところは僕もよくわかっていないのだ。

 長時間にわたる聞き取りになったので、今回お世話いただいたおじいさんと相談して、締めることにする。今日の聞き取りだけでもとても魅力的な情報をたくさん得ることができた。まだまだ話してあげるよ、と言ってもらえたのがうれしい。雪が降る前に、何度足を運べるか。僕は学生より先走って考えている。

 集会所の前にある、開拓を記念した碑を見る。おじいさんに建立の際のエピソードを教えていただいた。ただの石碑ではない。この地に生きてきた人の思いがたくさん詰まっているものだ。



 近いうちにまた訪れることを約束して、フィールドを後にする。おみやげに新鮮な卵を頂戴した。あたたかい心遣いに感謝する。去り際にも、車が見えなくなるまで手を振ってくれていた。

 盛岡市内に戻る。一日、普段とは違った緊張感のもとで聞き取りに臨んだ学生たちを労ってあげよう。調査をして、すぐに帰るというのも味気ない。せっかく盛岡まで出てきたのだ。

 内丸に車を停める。盛岡は面白いところがたくさんあるが、真っ直ぐ僕の一番好きな場所に来た。



 じゃじゃ麺を食べに「白龍」に行く。狭い店内はずっと席が埋まったままだった。アツアツのじゃじゃ麺を食し、しっかりちーたんも楽しむ。

 食後には「Cafe OOD」でブラウニーを食べる。甘いものを食べたら、学生たちも元気が戻ったようだ。明日には礼状書きをする相談をしている。いいぞいいぞ。

 学生たちを1本早い「ヨーデル号」で弘前に帰し、僕はレンタカーの給油と返却を済ませ、盛岡駅ビル・フェザンをぶらつく。「さわや書店」でコミックの単行本を2冊買う。小説だと酔ってしまうが、マンガなら大丈夫。23時少し前に弘前に戻る。調査の後は心地よい疲れが残る。

9月7日(火)晴れ

2010-09-15 19:13:25 | Weblog
 8時起床。イギリストーストとしょうが紅茶の朝食。今日もネクタイを締めるかどうか少し迷って、なしにする。自転車で大学に出る。

 教育学部棟では、少しずつだが、改修工事が始まろうとしている。工事にともなう不便さは、実際に授業が動き出す10月になって感じるようになるのだろう。

 研究室で直後の会議に必要な書類を揃える。あ、これもあったほうがいいかも、と気がついて、大急ぎで印刷する。大事なことほどぎりぎりになって思い出したりする。

 9時半に「参内」する。いつまで経ってもこの建物の独特な雰囲気は苦手だ。時間ぴったりに行ったつもりだったのだが、すでに他の先生方は揃っていて、頭を下げながら席に着く。直前に研究室で用意した資料が役に立った。1時間ほどで会議は終わる。

 研究室で出張の手続きを取る。これまでは書類を作成して、それに基づいて旅費計算をしてもらっていたのだが、今年度からオンライン申請になった。このシステムが実にややこしい。一応マニュアルがあるのだが、果たしてちゃんと申請できたのかどうか、よくわからないのだ。ウェブ上で何かの申し込みをする際には、必要な項目が漏れていたりすると自動的に不備を指摘してくれたりする。ところがこのシステムだと、遺漏があっても申請を受け付けてくれる。どこかで誰かが間違いを指摘してくれるのかもしれないが、今のところそういったことに直面していない(というより、まだ精算処理された出張がない)から、実に心許ない。事務員さんたちのご苦労を知るという点でいえば、教員に対する「教育的効果」がないわけでもなさそうだが、それにしても煩雑だ。

 スコーラムで早めの昼食。すき焼き丼のランチ。結構なボリュームで、さらに卵が載っている。しっかり食べて満腹になった。大満足だが、これは間食は控える必要がありそうだ。

 13時から「地域コミュニティ調査実習」の打ち合わせ。これまでの調査準備は個人を対象とした聞き取りを想定して進めてきたから、明日の座談会形式の聞き取りに合わせた準備をしなければならない。いささか泥縄式の準備といえなくもないが、4人のメンバーのうち2人は、先週まで教育実習に追われていたのだから仕方がない。

 細かな質問項目をそぎ落として、出席者全員に聞けるような質問を取り出す。同時発話という事態も考えられるから、誰の発言をメモするかといったこともある程度割り振りをしておく必要がある。

 質問を作った側からすれば、それぞれ思い入れのあるものばかりだから、自分が考えたものを削られるのは面白くなかろう。けれどもそこで妥協するわけにもいかないので、僕も仕分け作業に少しばかり口を挟む。

 われわれの調査の前にも、同じ対象者に聞き取りをした記録があるので、それに基づいて、10名程度のライフコース整理表を作成する。元になる情報はそれほど多くはないので、1人分を作るのはさほど時間を要しない。その間に僕は座談会用のメモ用紙のフォーマットをExcelで作成する。実際のメモ書きに使えるかどうか、試作したものをみんなに見てもらって、さらに修正を加える。

 ひととおり会合を終えて、生協におみやげを買いに行く。どうせなら弘前大学にちなんだものがいい、との意見を受けて、アップルケーキを持っていくことにした。一応対象者の人数は聞いているが、当日飛び入りということもありうる。少し多めに用意する。かなりの荷物になった。自分の車で行くようなら、積み込んでしまえば終わりだが、明日は盛岡までは高速バスでの移動だ。これにビデオ機材も加わる。運転しなくて済むのはラクだが、荷物の持ち運びは結構大変だ。

 少し早めに帰宅して、100円ショップで小さな紙袋を買ってくる。おみやげのアップルケーキは、ビニールのパッケージに入って中身がむき出しなので、紙袋に包むことにした。ひとつひとつ詰め込んでいく。これは果たして僕の仕事なのだろうか、という疑問を感じながらの作業になるが、他者への過剰な期待は慎むべきなのであろう。調査の方法については教えてあげることができるが、こういったことはなかなか教えられない。難しい。ゼミを持って4年目になるというのに、何か肝心なことがきちんと伝えられていないような気がしている。

 フィールドを訪れるのは1年ぶりだ。年賀状やお手紙のやり取りはしていたのだけれど、懐かしいご夫妻にお会いできると思うと、楽しみになってきた。加えて新たな出会いもあるだろう。僕一人が調査の前の高揚感を楽しんでいるのかもしれない。教員が教えられないものを、どれだけ自分自身で感じ取ることができるか。調査が徒労に終わるのか、実りあるものになるのか、僕個人ではどうにもならないところに面白さと難しさがあるように思う。

9月6日(月)晴れ

2010-09-15 19:12:45 | Weblog
 9時起床。朝食はイギリストーストとしょうが紅茶。半袖のYシャツを着て出かける。ネクタイが必要になるかもしれないので、バッグに入れておく。

 研究室のパソコンの電源を入れ、メールをチェックすると、「地域生活調査実習」の2年生から、それぞれのアポ取りの結果報告が届く。かなり気を遣ったようだが、きちんとアポを取れたようだ。こちらの希望した日時に都合が合わなくても、柔軟に対応して、しっかり約束を取りつけたとのこと。いいぞ。いつもより丁寧な労いのことばを添えて返信を送る。調査に対する取り組み方という点では、2年生のほうが3年生をリードしている。こう書いて3年生にはいっそう奮起してもらおう。

 スコーラムで早めの昼食。チキンカツトマトソースのランチとコーヒー。束の間の休息を楽しんでから、男女共同参画推進室へ。本日は午後から夕方まで、推進室の仕事に従事するというスケジュール。3つの仕事を順番にこなしていく。全部終わると18時近くになっている。またタカセは研究室にいない、と思われるのだろうか。

 今年は日が長いので、かろうじて夕方のうちに研究室に帰ってこられたというのがささやかな救いか。冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出して飲む。一気に飲み干す。留守電には3件ほど吹き込まれている。とりあえずこちらからコールバックする必要はなさそうだ。

 夏休み中といえど、いろいろと事務的な仕事は推進室の他にも動いているわけで、そんな書類作成に追われる。その合間に聞き取り調査のアポ取りの結果報告が届く。調査実習は授業であり、教育の一環なのだが、それがいくばくかの「解放感」をもたらすもののように思えるのは、それだけ現状が倒錯しているということなのだろう。

 何時までに帰る、という時間を決めて、それまで仕事に従事する。野球もお休みの月曜日の夜は、ラジオを聴くこともなく、静かだ。相部屋を最後に戸締まりをして出ていくのは僕なので、夜はかなり広いスペースを占有(といっても、僕の場所はほんの隅っこだが)している。いろいろな仕切りがあるものの、広い部屋というのはやはりどこか落ち着かないものだ。

 困っているのは、窓を開けていると小さな羽虫がたくさん入ってくるようで、翌朝研究室に出てくると、テーブルの上に死骸が散らばっていることである。白い天板が最期の場としてふさわしいということなのか、いつもテーブルの上に集中している。学生が戻ってくる10月には、虫たちも退散してくれるだろうか。

9月5日(日)晴れ(仙台)→晴れ(弘前)

2010-09-15 19:12:28 | Weblog

 8時ちょっと過ぎに目を覚ます。ほどなくして弟も起きて、2人で大沢親分と張さんのコーナーを見る。当然昨日の涌井投手の炎上劇も「喝!」の対象となった。西岡選手の活躍ぶりに異を唱えた張さんの様子を笑う。

 ホテルのおにぎりを食す。何だか懐かしい味わいだ。チェックアウトを済ませ、車をホテルの駐車場からすぐ近くのコインパーキングへと移動させる。できるだけ日の当たらぬ場所を選んで駐車する。それでも今日も暑くなりそうだ。

 今日の試合は13時開始。まだ時間はある。仙台駅ビルに行き、名産品売り場を回る。「エビアン」という喫茶店に入る。パンケーキとドリンクのセットを注文する。コーヒーは香り高く、パンケーキもやさしい味だ。満足して、球場へと向かう。今日もバスには乗らず、てくてく歩いていく。11時を少し過ぎたところで、まだそれほど歩いている人はいない。

 球場に入る。今日の席は外野のペアシート。外野席だけれども、クッションと背もたれが付いた指定席。ゆったり観戦するには背もたれがあったほうがよい。

 昨日にも増していいお天気である。グラウンドでは選手たちが練習に汗を流している。僕もフェンスに近寄って練習を眺める。一応サイン用のボールも用意したが、負けた試合の翌日というのはなかなかサインはもらえないそうで、確かにどこか張り詰めた雰囲気のもとでの練習だった。それでもコーチに話しかける熱心なファンの人がいて、なかなか気の利いたやりとりをしていた。







 さて、今日のイーグルスの先発は中4日で岩隈投手である。先の登板では今日を見越して早い回でリリーフに後を託していた。ライオンズとしては昨日の試合を落としているだけに、今日はかなりプレッシャーがかかる。ライトスタンドは昨日と同様に盛り上がっている。


 岩隈投手をつかまえるとしたら、立ち上がりを措いて他になし、と思っていたら、片岡選手がヒットで出てすかさず盗塁、栗山選手がきっちり送り、中島選手こそ凡退するも、今日4番に入った大島選手がレフトにうまく弾き返して先制。これは幸先いい。だが結局は1点止まり。もうちょっと畳みかけておけばなあ、という思いが残る。

 ライオンズの先発は帆足投手。1、2回とヒットを打たれるも、何とかしのぐ。だが3回裏に追いつかれた。ますますイヤな流れになってきた。


 と思った矢先、2死からの4連打であっという間に3点を追加した。やはり岩隈投手には中4日とこの暑さが本調子を発揮させるに至らなかったか。これで今日は安心して観戦できるかな、と思う。いやいや、昨日のことがある。最後まで気を抜けない。

 悪い予感は当たるもので、5回裏には、併殺コースの三塁ゴロを捕球した原選手の送球を片岡選手がエラーして、そこから2失点。うーん、このプレーはいけない。これで1点差。弟も僕もおかんむりだ。


 気の抜けない展開が続いていく。それでも球場全体はのんびりしている。やっぱりこの球場はいいなあ。本拠地西武ドームとは違ったよさがある。



 6回の表には、昨日から大活躍の山選手が今日もホームランを放つ。再び2点差。守備につく山選手に大きな拍手を送る。


 今日は弟ともども、いろいろと験担ぎをしている。昨日は7回の表にジェット風船を飛ばし損ねた(あっという間に6回裏の攻撃が終わってしまい、準備が間に合わなかったのだ)とか、短パンで観戦したからだとか、そういったことを敗戦のせいにして、真逆で行くことにした。僕は意味もなくヒゲを剃らずに出てきた。

 ところが6回の裏には帆足投手がランナーを溜めて降板。代わった岡本篤投手が草野選手に3塁打を浴びて同点に追いつかれる。何とか3塁ランナーをホームに還さず、同点止まりでしのいだのが救い。だがだんだんと昨日の悪夢が蘇ってくる。

 昨日はのんびり構えていたが、今日はフラッグとメガホンを手にして、大声で応援歌を歌う。周りはイーグルスファンばかりなのだが、気にせず懸命に応援する。

 7回・8回はお互いに走者を出しながら、決め手に欠け、同点のまま試合は進む。ライオンズもイーグルスも勝ちパターンの継投だ。

 そして9回の表。4番の大島選手が内野ゴロに倒れた後、中村選手が打席に入る。相手は抑えの小山投手。フルカウントからの打球一閃、弾丸ライナーがセンターバックスクリーン横に飛び込んだ。立ち上がって狂喜乱舞する。ついこの間まで不調に喘いでいた中村選手が完全復調した。声も嗄れよとばかりに「地平を駈ける獅子を見た」を歌う。

 とはいっても、リードは1点。まだまだ最後までわからない。昨日に続いてシコースキー投手が登板する。



 今日は3人で完璧に抑えてくれた。よくぞ接戦をモノにしてくれた。昨日の悔しさも今日の勝利で晴れる。



 中村選手のヒーローインタビューを見上げる。Kスタにできた、この大きなスクリーンは素晴らしい。何より見やすいし、投手や打者のデータが表示されるのもいい。






 すっかりいい気分で球場を後にする。そういえばまだちゃんとお昼ご飯を食べていなかった。手に汗握る展開に、食べるのも忘れていた。今日もライオンズ選手の乗るバスを歓声でもって見送る。


 仙台駅へと歩く。昨日と同じ道でも、勝利の後は心も弾む。腕を見ると、相当に日焼けしている。試合中は夢中になっていて気づかなかったが、これは後からヒリヒリきそうだ。だが勝利の後ならそれも気にならない。

 駅ビルの地下で、昼食のような夕食のようなラーメンを食べて、弟と別れる。彼は南へ、僕は北へと戻っていく。もうちょっと仙台を歩きたかった気もするが、バスの時間は迫っている。




 弘前に戻る「キャッスル号」の最終便はほぼ満席だ。ようやく試合の興奮も落ち着いて、車内ではずっと眠っていた。弘前到着はやはりほぼ定刻通り。仙台と比べるとずっとひんやりとしている。年に一度のKスタ遠征は、ぜひとも来年も実現したいところである。

9月4日(土)晴れ(弘前)→晴れ(仙台)

2010-09-15 00:33:43 | Weblog
 5時半起床。こんな時間に起きたのはいつ以来だろう。さすがに眠い。持っていく荷物は昨夜のうちに整えておいた。少々心残りなのは、研究室に飾っておいたライオンズ応援グッズが、ことごとく倉庫行きの荷物のなかに納められて、半年間の眠りに就いてしまったことだ。

 近所のコンビニでパンとお茶を買い、6:40弘前バスターミナル発の「キャッスル号」に乗り込む。始発便は空いていて、隣の席は空いている。まずは眠る。いったん起きて、パンを食べ、その後は紫波サービスエリアに着くまで眠っていた。サービスエリアで熱いコーヒーを飲む。今日も暑くなりそうだ。仙台宮城インターの手前まで、再び眠る。

 例によってインターから市街地に抜けるトンネルのところで渋滞して、仙台駅前に到着したのはほぼ定刻どおりの11時。パルコの前まで歩いていく。弟とはこの辺で落ち合うことになっている。メールが来て、見上げるとペデストリアンデッキの上から手を振っている。無事に合流する。

 仙台駅の自由通路を抜け、押さえておいてくれたホテルに荷物を預ける。応援グッズは弟のものを借りることにした。いよいよKスタに向かって出発だ。観戦予定は今日の1戦のみ。だが歩いているうちに、せっかくだから明日も観ようぜ、となる。すぐさまセブンイレブンで明日の試合のチケットも買う。

 スタジアムに向かう途中で、「おんのじ」というつけ麺のお店に入る。弟のおすすめの店だそうだ。節つけ麺という、最もスタンダードなメニューを注文する。文字どおり鰹節の利いたスープにかなりの量の麺が付いてきた。一見すると濃厚そうだが、食べてみるとそれほどしつこくはない。いやこれはうまい。寝不足でいささかだるーいところ、すっかり元気が出た。勇躍スタジアムへ。


 若干雲が多いけれど、いいお天気だ。暑さは覚悟の上。主催者側としても、これくらいの時期なら涼しくなって、デーゲームでも十分と思っていたのだろうが、今年の夏の暑さは9月の試合も灼熱の太陽のもとで行われるものにしてしまった。

 今日の席は「グループシート5」という、5人用の席だ。これを2人で占拠する。広々としていて気持ちがいい。西武ドームの「ダグアウトテラス」に席の感じは似ている。

 陽射しは強いが、ちょうど照明灯の陰に入ったりして、思ったほどではない。それと時折涼しい風が吹き抜ける。それに何より青空の下での野球観戦は気持ちがいい。

 まだ試合開始までにはいくらか時間があって、選手たちの練習風景をのんびり眺める。弟はスタンドのところに駆けていって、首尾よくボールにサインをもらってきた。子どもたちがフェンスに貼り付いて、色紙だのボールだのを差し出している。こういった眺めもいいもんだ。





 暑くはない、と思っていたけれど、やはり暑い。試合開始までにお茶を2杯飲み干してしまった。今日はとことん水分補給をしないと、熱中症にやられてしまいそうだ。試合開始前に、今日のスポンサーである明星食品から記念品の贈呈式が行われた。ライオンズからは坂田選手が受け取りに出た。なかなかいい人選である。ペヤングだったらもっとよかったのだろうけれども。


 先発はイーグルスが川井投手、ライオンズが涌井投手。組み合わせからいけば、絶対に取っておきたい試合ではある。


 期待通り、2回表にライオンズが先制。涌井投手はその裏に2本のヒットで失点したものの、その後は安定した投球だ。ここのところ勝てていないけれど、今日は安心して見ていられそう。

 中盤からは中村選手のホームランを皮切りに、小刻みに加点していく。一気に畳みかけるという風ではないが、徐々に、じわじわっとリードを拡げていく。だが、何となく緊張感は解けない。これが思い入れを持って観る試合なんだなあ。秋田で観た試合は、勝敗にまったく興味がなかったから、このドキドキ感がなかった。やっぱり野球観戦にはこれがなくっちゃいけない。


 そういえば、これだけいいお天気なら、デジタルズームを使って写真を撮ってもいけるかもしれない。ドーム球場は昼間でも照明が暗いので、僕なんかが撮るとどうしてもブレてしまう。これだけ明るければ、速いシャッタースピードで行けるだろう。試しに藪投手を写してみる。お、大丈夫だ。藪投手はこんなにお尻が大きかったっけ?やっぱりメジャーに行くとどの選手もかなり体型が変わってくる。


 6回には山選手のホームランも飛び出して、スタンドは盛り上がる。ラッキーセブンの攻撃の前には、長駆やってきたレオも出てきて、さらに歓声が挙がる。今日の試合に関していえば、外野の応援席はイーグルスファンよりもライオンズファンのほうが多いような気がする。



 その攻撃では、大島選手のホームランが飛び出す。力強い当たりがライトスタンドに飛び込んだ。山選手と大島選手という、同期コンビの活躍はうれしい限りだ。


 ここKスタでは、ライトスタンドにもイーグルスファンがたくさんいて、紅白の風船が舞い上がる。これはこれで美しい眺め。



 さすがに5点差をつければ、今日の涌井投手の出来から見て、セーフティーリードである。弟はレモンサワーが回ったのか、ベンチに横になっている。8回も3者凡退。このまま完投で行けそうだ。


 ところが、である。この回先頭の鉄平選手にライト前にヒットを打たれると、ここまで完璧に抑えてきたルイーズ選手に2塁打。さっきまでの余裕が一気に吹き飛ぶ。すっかり目が覚めてしまった弟と手に汗握りながら見守る。草野選手まで5連打を浴びる。後になってみれば、中村選手にセンター前に打たれて3点差になった時点が代え時だったように思う。でもそれは結果論だ。草野選手に打たれたところでシコースキー投手にようやくスイッチ。得点差は2点。しかし2塁と3塁に走者がいる。

 渡辺選手こそ内野ゴロに打ち取ったものの、嶋選手・聖澤選手と連打。同点。ここまで来たら、もう流れは止められないだろう、と覚悟した。内村選手を打ち取って、2死。鉄平選手を歩かせて、最後はルイーズ選手にサヨナラヒットを浴びて、まさかまさかの大逆転負け。僕がこれまで観てきたなかでも、こんな試合は記憶にない。まあ、これも野球だ。今日のところは、最後まで諦めなかったイーグルスの執念に拍手するのみ。これまた結果論だが、ビハインドでも勝ちパターンの継投で来ていたからなあ。


 球場の出口のところで、ライオンズの選手の乗ったバスを見送る。明日こそ勝って欲しい。だがイーグルスの予告先発は岩隈投手だ。正直、しんどい戦いになりそうだ。

 夕日に向かって仙台駅方向に歩く。イーグルスファンとライオンズファンとが入り交じる。この球場からの広々とした帰り道が好きだ。勝っても負けても、その試合の記憶を反芻しながら歩けるのはいい。


 たっぷり汗をかいた服を着替え、夕食を食べに行く。仙台に来たからにはやっぱり牛タンだろう、と「太助」という店に行く。お店の前には列ができていた。10分ほど待ってお店に入る。ここの牛タンは他のお店よりも野趣あふれるといった感じ。このお店のある界隈の雰囲気も何だかいい。



 街に来ても、お酒という楽しみができないものだから、映画館へと足が向く。15分ほど歩いて、「フォーラム仙台」へ。ちょうどいい時間の作品はないかと見てみたら、30分後に「キャタピラー」の上映がある。なかなか青森では観られそうにないから、今夜はこれにしよう。

 受賞もして、話題の作品だからだろうか、レイトショーでもお客さんの入りは結構ある。

 1人の出征兵士(大西信満)が2人の軍人に送られて帰郷する。四肢に加え、聴覚も言語も失い、顔の半分は焼けただれている。迎えた妻(寺島しのぶ)はその姿に恐怖するが、村の人々は彼を軍神として崇める。その英雄譚を報じた新聞と、勲章が軍神の軍神たる証となっている。彼が最も人間らしさを見せるのは、食欲と性欲を露わにするときである。妻はそれを受け容れていこうとする。周囲の人々は、彼女にも軍神の妻という役割期待を込めたまなざしを注ぐ。

 だが、2人にはそれぞれ背負った過去がある。彼には、戦地で犯した殺人の記憶がフラッシュバックし、彼女には、夫から受けた暴力の記憶が奥底にある。家父長制的な関係性は、家庭内では逆転して、彼女が彼の生殺与奪を握っている。軍神とその妻という役割が、重しとなって、夫婦の関係性を侵食していく。彼はもがく。芋虫のように。そして、もがく彼を彼女は嗤う。

 やがて迎える終戦の日。彼女は玉音放送を聞いていない。戦争の終わりを知らせるのは、村のなかでどこか超然と過ごしている男(篠原勝之)だ。2人は万歳を叫ぶ。その傍らで、夫は自らの命を絶つ。

 何だかギスギスした映画だ。悪い意味ではない。いい意味で。映像はちっとも美しくないし、どこかぎこちない。ところどころに挿入される田園風景すら、グロテスクに見える。作り手は、ありとあらゆる表現をもって、戦争のグロテスクさを描きたかったのだろう。一見するとわかりにくいようで、実はとてもストレートな映画だ。

 寺島しのぶの演技がクローズアップされるけれども、夫役の大西信満も、これぞ迫真という演技を見せる。どこまでも「生」としてあること、それが生々しく伝わってくる。戦争を主題にした映画、反戦映画というくくりよりは、やはり「生命」というものについて突き詰めて考えさせられる作品のように思った。

 映画館を出て、仙台駅の東口のホテルまで歩く。しばらく暗い道をトボトボと歩きながら、映画が伝えるものを考える。やがてアーケード街に出て、人通りの多さにほっとする。そういえば、ここ仙台も空襲で市街地の大半を焼失した都市だったことを思い出した。

9月3日(金)晴れ

2010-09-15 00:03:52 | Weblog
 8時半起床。朝食はイギリストーストとしょうが紅茶。洗濯を済ませてから出かける。予定していたよりも出るのが遅くなってしまった。大急ぎで自転車をこぐ。

 10時少し前に研究室に到着。窓を開けて空気を入れ換える。朝から暑い。ほどなくして「地域生活調査実習」の3人の学生が集まってくる。本当は先月21日の調査から日を置かずにすぐに次の調査の準備に取りかかりたいところだったのだが、僕が集中講義で留守にしていたために結構な時間が経ってしまった。

 まずは前回の聞き取り調査の反省点を話し合う。このときは僕がリードする形で聞き取りをしたのだが、難しいところとか、改善点などをきちんと押さえられていて感心した。実際に聞き取りをしてみて、いろいろと触発されたところもあったようだ。次回からは僕は一歩引いて調査に関わることになる。このメンバーなら何とかうまくやれるのではないかという期待がある。

 続いてアポ取りの割り振りをする。これまでの2年生の調査実習に関しては、それぞれのインタビューのアポイントは間に入ってくださる自治体の職員の方がほとんどをやってくださっていて、細かな調整は僕のほうで行う、という形を取ってきた。だが今回からはアポ取りの電話を学生にかけてもらうことにした。

 携帯電話がこれだけ普及したとはいえ、コミュニケーションの形態は圧倒的にメールが多くなっているご時世である。見知らぬ相手に電話をして、調査の依頼をし、さらに日時の約束まで取りつけるというのは、かなりプレッシャーのかかる作業である。それを承知でやってもらう。個々のアポ取りは3年生になってから、と考えていたのだけれど、わざわざ待つ必要もない。もしこじれたときには僕のほうで対処するから、と、あんまり頼りにならない後押しをして、今日の打ち合わせはお開きとなった。

 学生を帰した後で、今日のうちに書いてもらう書類があったことを思い出す。慌ててメールで呼び戻すと、すぐに戻ってきてくれた。お昼ご飯を食べに出かけようとしたところで引き返してくれたそうな。お詫びにスコーラムでランチをご馳走する。ついでにより細かい打ち合わせも済ませておく。

 学生たちのスケジュールと付き合わせると、「地域生活調査実習」の現地調査は今月中旬から下旬になりそうだ。となると今度は「地域コミュニティ調査実習」の現地調査に頭を切り換える。こちらは個別の聞き取り調査の前に座談会形式でお話しを伺うことになっている。

 昨年、座談会形式の聞き取りを別のフィールドで行って、テープを回したのだが、聞き分けられると思っていた発言が、誰の発言か特定できないケースが生じて困ったことがあった。そこで今回はビデオカメラを回すことにした。ビデオカメラがあることで、発言に影響が出ることは否めない。そのこともあって、これまではビデオを使わない形で調査をしてきた。それでも誰の語りかを特定するために、あえてビデオカメラを使ってみよう。しばらく研究室の棚の奥で眠っていたカメラを充電して、動作を確認してみる。ちゃんと動くようだ。調査当日にバタつかないように、今から準備をしておこう。

 弟から明日の指示が届く。今シーズン最初で最後のKスタ遠征である。楽しみだ。だが、今日の今日になるまで、明日観戦する試合がデーゲームであることを知らなかった。大慌てで乗るバスの便を変更する。ちゃんと早起きできるか。イーグルスとの戦いは朝から始まる。今日の大勝の勢いで、あと2つ、続けていただきたいところだ。

9月2日(木)晴れ

2010-09-14 23:22:25 | Weblog
 9時起床。朝食はイギリストーストとしょうが紅茶。相変わらず、飽きもせずに食べている。焼き時間はうちのトースターで2分半。それより長いと焦げてしまうし、短いと十分に熱が通っていないような気がする。だからこの時間を厳守し続けている。

 大学に着いて、メールを開くと、男女共同参画推進室関連のメールが10通を越えていた。すでに出遅れた感ありありである。だからといって、すべてのメールに返信しなければいけないわけでもない。順繰りに読んでいって、レスポンスが必要なものとそうでないものとを区分けする。必要なほうには順次返信を書いていく。

 来月のシンポジウムの際のポスターセッションで用いるポスターの最終校正がPDFファイルで回ってきた。昨日も長い時間かけて検討したものだ。印刷屋さんには昨日の時点であれやこれやと細かい修正依頼を出してあったのだが、ここにきてもまだいくつか直すべき箇所がある。メールで「こことここの色を調整して…」といった依頼を送る。

 理系の先生の場合、学会発表にポスターを用いることも多いようで、レイアウトや配色なんかについて、実に手慣れている。それにひきかえ僕らの業界は、一部の学会でポスターセッションがあるけれども、依然として主流は口頭発表だ。すでに本格的なパワーポイント時代に入っているようだが、ここのところとんと学会発表と縁がない。いや、むしろ意図的に避けているというのが正しい。業績を積むという意味では出かけていくべきなのだろうが、嫌いな人間と顔を合わせるのはどうにも苦痛だ。金を払って不愉快な思いをするほど余裕のある生活というものを今の僕は送れていない。

 スコーラムで昼食。きのことガーリックのパスタを注文する。今日は人と会うこともないだろうから、このメニューでも心配あるまい。パスタメニューが充実している夏休みはありがたい。しかし不思議とスコーラムのカレーはおいしいとわかっているのに注文することが少ない。何となくランチでもなくパスタでもなく、という気分の日にカレーを注文するのが習慣化してしまっていて、平時からカレーを頼もうという感覚がないのだ。これはちょっともったいないことかもしれない。本当においしいんだがなあ、ここのカレーは。

 今日は推進室での打ち合わせがない分、メールでのやり取りがいつもより多い。午後も頻繁にメールが飛び込んでくる。直接関係あるものもあれば、読み流して済んでしまうものもある。直に顔を合わせて話し合いをしているときよりも、こうしてメールが飛び交っているときのほうが、かえって連帯感を覚えるから不思議だ。会合のときにももちろん真剣に仕事をしているのだが、目に見えないところで各自がタスクに向き合っている様子を想像するほうが、この仕事の重さを実感することができる。案外仕事ってそういうものなのかもしれない。

 夜、車を運転しながら文化放送を聴く。建物のなかではほとんど聴取することができない文化放送だが、カーラジオでは何とか聴くことができる。ただし車の向きによってはハングル放送に乗っ取られてしまう。さあ、ここだチャンスだというところで交差点を曲がろうものなら、途端に異国のラジオ放送だ。で、さらに角を曲がると得点が入っていたりする。とりあえずは今日もライオンズが勝利を収めたからそれでよし。

9月1日(水)晴れ

2010-09-14 20:40:21 | Weblog
 8時起床。朝食はイギリストーストとしょうが紅茶。車で大学に出る。授業が始まると駐車場も一杯になってしまうのだろうが、この時期はまだ何とか一日利用許可証で駐車しても何とかスペースがある。

 9時に男女共同参画推進室に行く。今日から新たに着任されたコーディネーターの方の辞令交付に立ち会う。推進室のスタッフはますます充実してきた。

 そのまま打ち合わせに移行したのだが、僕は途中で失礼して、昨日に続いて附属中に行く。今日は2人のゼミ生の研究授業がある。しかも同じ時間帯だ。授業は最初から最後まで聴いてこそだと思うのだが、こればっかりは仕方がない。前半と後半で教室を移動して、半分ずつ見せてもらうことにした。

 片や1年生、もう片方は3年生である。同じ時間のなかで移動して比べてみると、やはり3年生は大人っぽい。年齢は2つしか違わないのに、ずいぶんと違って見える。文字どおりの成長期なのだなあ。

 授業をする側も、それぞれの学年の特性に合わせた授業を展開していた。とくに3年生の授業は、流れも教材も実によくできていて感心した。指導の先生もほめておられたので、やはりいい授業だったのだろう。

 大学に戻る。研究室で事務作業をしていたら、午後から推進室でミーティングを行います、との連絡がくる。午前中の打ち合わせとは別の集まりだ。9月早々にまたしても推進室拘束か。行きましょう、行きますとも。

 推進室に行ってみると、急な招集にも納得する。いろいろと処理しなければならない案件が積み重なっている。しかもいずれもが早急な対応を要するものばかりだ。複数の作業が交錯して、終わったのは16時近く。「おみやげ」を持って研究室に戻る。「おみやげ」の賞味期限は短いから、早めに消費もとい処理しなければならない。

 こんな日の楽しみといったら、ライオンズの戦いを措いて他にない。昨日はイヤな負け方をしてしまったが、本日は快勝。ただシコースキー投手が登板過多気味なのが気になる。今日の3失点は今後の不安材料ではある。

 今日から9月である。夏休みも折り返し地点。といっても、あまり実感がない。そして授業がないのをいいことに、やたらと会議だのミーティングだのを突っ込まれる現状を鑑みれば、夏休みなど早く終わってしまえ、という気分にならないでもない。いや、終わってもらっては困る。これからが聞き取り調査の本番だ。大学を離れ、人生の物語に耳を傾ける。この夏は、個人研究の資料を倉庫に追いやって、この作業に集中すると決めている。旅と出会いを支えにしよう。

8月31日(火)曇りのち雨、のち晴れ

2010-09-14 18:39:10 | Weblog

 7時半起床。朝食はイギリストーストとしょうが紅茶。僕にしては早起きだ。眠い。まっとうな生活時間というのは実に遠いところにある。

 車で附属中に出かける。今の時期、ゼミの3年生が教育実習を行っていて、研究授業に招待されたのだ。僕が見たところで、何か有効なアドバイスをあげられるわけではないのだけれど、他の用事と重ならない限りは足を運ぶようにしている。

 玄関から学校に入り、授業の行われる教室へと向かう。すれ違うスーツ姿の学生の多くは見知った人たちばかりで、会うたんびに元気に「おはようございます!」と声をかけられる。中学生からもあいさつされる。どうやらこの場では、服装から大学の先生と認識されるようだ。なぜなら中学校の先生はちゃんとネクタイを締めている方がほとんどだし、実習生はスーツ姿。そんなところにチノバンに普通のシャツ(さすがにTシャツやポロシャツではないものにした)を着て歩いていたら、それは明らかに大学教員だと識別できる。

 教室の後ろの隅に座って授業を見学する。実習が多い学校だけあって、常に見学用の折りたたみイスが用意されている。本当はいろいろ歩き回って見てみたいのだが、あんまり動くと実習生の邪魔になるかと思って、大人しくしていた。

 ゼミ生とは普段から接しているから、どんなキャラクターかもわかっているのだけれど、いざ研究授業ともなると独特の緊張感があって、見ている僕も緊張する。何はともあれ、きちんと50分の授業を作り上げたのだから大したものだ。

 見学を終えると、指導教員の先生にごあいさつをしてからいったん自宅に戻る。そのまま自転車に乗り換えて大学に出る。

 仮研究室は広い分だけ熱がこもらない。風通しの悪さと防虫網がないのが残念だが、ドアを開けてむんとした熱気が出てくるということはない。その点だけはありがたい。出入口は前方と後方と2つあるのだが、前方の出入口は実質的に僕一人が利用する格好になっている。

 いくつか事務書類の処理を済ませて、スコーラムに行く。お、今日は臨時休業か。そういえば昨日ちゃんと掲示があった。やむなく1階の人民食堂でおろしそばを食べる。何だか懐かしいなと思ったら、そうだ、秋田大学での集中講義の折りに連日食べていたものとほとんど同じだ。海堂尊の『イノセント・ゲリラの祝祭』(下巻)を手に持っていたのだが、どうも読書をするには人民食堂は不向きだ。生協のコンビニでアイスを買って研究室に戻る。

 来週予定されている調査に向けて、資料を読む。こうしてじっくりと文献を読む時間を持つことはこれまでほとんどなかったから、貴重だ。だが少々寝不足気味で、読んでいてたびたびウトウトしてしまう。首と肩もコチコチだ。名倉堂が恋しい。でも施術を受けられるのは早くて来週末。もうしばらく我慢しなければならぬ。

 研究室がどうにも暑くて仕方がないので、珍しく定時で帰宅することにした。空は雨上がりで虹がかかっていた。

 メールでの連絡などは自宅でもできる。自宅も暑いことは暑いが、クーラーがある分だけ仕事は捗る。たまにはこういった働き方もいいだろう。

 いささかふてくされ気味のなかで、弟から思いもかけぬうれしいお誘いが来る。おお、急に元気が出てきた。だが、宿泊先を確保しようとしたらどのホテルも一杯だ。ちょうど学会シーズンだというのを忘れていた。やれやれ、困ったな。これだけビジネスホテルが増加しても、年に幾日かは満室になるときがある。とりわけ秋の東北や北海道は気候がちょうどいいものだから、そのような状況に陥るのを忘れていた。

 どうも宿が取れぬ、と弟に報告したら、何と予め確保してあったとのこと。さすがだ。宿も取れた、バスも確保した。あとは勇躍Kスタ宮城に向かうのみである。お天気がどうなるかは、ちょっと気になるところだけれど、とにかく週末の楽しみができたのである。


8月30日(月)晴れ

2010-09-14 18:38:55 | Weblog
 8時起床。朝食はイギリストーストとしょうが紅茶。ようやく集中講義のリゾート気分(?)から脱し、本業のほうに復する。自転車で出かける。まだまだ陽射しは強い。

 研究室に上がる前にレターボックスをチェックする。さすがに1週間留守にしているといろいろ入っている。大事なものとすぐに捨ててしまってよいものとを区分けする。大学に届く手紙というのは当然のことながら事務的な用事、公的なものが多いのだが、そんななかに絵はがきが1枚混ざり込んでいたりすると、何だかうれしくなる。

 10時に男女共同参画推進室に行く。いろいろとファイルを挟み込んだファイルを2冊抱えていく。重い。まず1つめの会議。事前にアナウンスされていた検討事項について、考えたプランを持ち寄って議論する。1時間ほどで終了。引き続き2つめの会議。メンバーが多少入れ替わる。こちらは1時間半ほどかかる。

 とりあえず午前中はここでいったん終了。スコーラムに行く。照り焼きチキンのランチを食す。食後には熱いコーヒーを飲む。しばし憩いのひとときを過ごす。

 食事を終えると、本日3つめの推進室の会議。こちらは16時半近くになるまでかかった。ようやく解放されて研究室に戻る。最近「普段研究室にいませんね」とよく言われるのだが、それはどうも大学にいないということと同義になっているようだ。いやいや、「研究室にいない」ことと「大学に出てきていない」こととをごっちゃにされてしまっては困る。ちゃんと大学には出て、それなりに仕事をしておりますです。

 それにしても、就業時間の大半がこの仕事に持って行かれてしまうというのはなかなかしんどいものがある。このいびつなワーク・アンバランスは、ワーク・ライフ・バランス以前の問題のような気がしている。僕にとってアンバランスが受け容れられるのはせいぜいアメリカンフットボールのオフェンスフォーメーションくらいなもんだ。そういえば今年はフットボールの試合を観ることはできるだろうか。1試合くらい、フェニックスの試合を観たいもんだ。

 調査実習に向けての諸連絡。2年生の地域生活調査実習のほうはおおよそスケジュールが固まった。次は3年生の地域コミュニティ調査実習のほうである。僕自身は調査の主体ではないはずなのだけれど、いざ近づいてくるといろいろ気になるところも出てくるし、緊張もしてくる。調査を終えて、そうした緊張感から解放されるときが気持ちよかったりもするのだが。

 今夜も桃太郎温泉に浸かる。今年の夏は昨年と比べて電気代が大幅に増加し、反対にガス代が減った。光熱費はほぼ同じくらいだろうか。外は涼しくなったのだが、僕の部屋はまだ寝るときにクーラーを回さなければならない。あと1週間くらいはお世話になることになりそうだ。