五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

4月14日(土)雨:研究会

2007-04-15 00:53:19 | 仕事
 昨夜(といっても時間的には今朝)は、風呂に入らず、そのまま着替えだけして寝た。朝9時に目が覚めたが、どうも寝足りない気がして、洗濯機を回してから再び寝る。結局起きたのは11時を回ったころだった。

 トーストを食べ、洗濯物を室内に干し、来週金曜日に「アドバイス」というコメントを提出しなければならない論文に目を通す。ひととおり読み終えてから出かける。

 「うどんや一番」新里店で昼食。えび天の天むすととろろこんぶうどんの中を食べる。そのまま健康温泉桃太郎に行き、真っ昼間から温泉にのんびり浸かる。外が明るい分、浴場も明るいので、いつもと雰囲気が異なった感じ。外のぬる湯にだらんと浸かると実にいい気分だ。

 「ユニクロ」でTシャツと綿パンとスウェットを買う。よく授業中に「僕の着ているものは上から下までユニクロさっ」と自虐的(?)な話しをよくするのだが、実際「ユニクロ」の商品は、どれも無難であるという意味において男ひとりの買い物に都合がいい。「ダイソー」ではA4サイズの30穴ルーズリーフファイルを大量に買い込む。まだ昨年度の授業ノートの中で整理し切れていないものがあるので、明日あたり、ちゃんとファイリングしよう。

 午後4時ちょっと前に人文学部に行く。東北学院大のK先生と、H先生が行っている共同研究に今度加えていただくことになり、その打ち合わせ。K先生が多忙なスケジュールを縫って来弘されたので、将来の学会発表を見すえての計画を練る。

 もうこういった学校史研究に携わることはないと思っていたが、すでにお2人の先生が進められている作業のお話しを聞いていると、とても魅力的である。史料的な制約もあって、僕が動ける余地はそれほどないかもしれないが、史料がないところをどうにかするのが社会学の見せどころだともいえる。K先生、H先生の作業が比較的はっきりとした方向性をもっているのに対して、僕の受け持ちは、学校史料がないことを想定したうえでの地域史料の掘り起こしといったところなので、研究そのものより、弘前を知るということから始めていこうと思う。ここ久しく古い史料とは付き合いがなかったので、史料の目星をつけ、それが当たるかどうか、ドキドキするような興奮を再び味わえるのかと思うと、とっても楽しみである。何だかんだいって、古いモノが好きなのだ。

 打ち合わせがひととおり片づいた後、3人で弘前パークホテル内の郷土料理店に行く。K先生とは今回が初対面で、これまで読んできた本から、数量研究を得意とする、お堅い研究者という印象をもっていた。ところが実際にお会いしてみるととても気さくで、しかもお城や伊東忠太の建築がお好きだったりと、僕の趣味と重なるところも多く(K先生の知識のほうがずっと深いが)、わざわざ持参してくださったPCの画像を見せていただきながら、盛り上がった。

 明日もK先生と史料のあたりをつけに市内を回る予定。いよいよ、僕にとっては最初の、弘前をフィールドとした研究がスタートする。

4月13日(金)曇後雨:欧米化

2007-04-15 00:15:00 | 仕事
 大学に出る前に、同じ棟の各戸のポストに「広報ひろさき」を入れる。これも月当番の仕事である。雨が降ってきそうになったので、バスで大学へ。Y先生と一緒になる。

 メールの返信を書いて、ゼミの文献のマスターコピーを作ったあたりでY先生が研究室に来られたので、スコーラムで昼食。先生もいい加減毎日生協の弁当は飽きられたとのこと。僕もまったく同感で、ナスのアラビアータを食べる。

 3時限目に「社会学の基礎」のオリエンテーションに出る。火曜日と同じ内容の授業で、先日と同様、担当教員がそれぞれの担当する回に関する説明をする。基本的に内容は同じなのだが、やはり同じネタを2回使い回すのは講義芸人として問題があろう。朝からあれこれ策を練って臨んだ。自分のネタじゃなくて説明の前に、欠席された先生の講義内容を、推測で「えーと、だいたいこんな感じでやられるんじゃないかと思われます」と話しただけで結構笑ってもらえたので、これならイケる、と確信した。

 この授業の共通テーマは「近代化と社会変動」である。そこで、

「日本の教育の近代化は、欧米化という側面をもっており…、あ、『欧米か!』じゃないですからね!間違えないでくださいね。いいですか、『欧米か!』じゃないですよ。欧米化です。えー、今日はこれがやりたくてここにやってまいりました」

とやってみた。フリは昼休みにYoutubeで映像を繰り返し観て、それなりにサマになっていたはずである。科目主任である、人文学部のY先生は、腹をかかえて笑っておられた。文字で書くと痛い限りだが、これでも教室はドッと湧いたのである。今回の主眼は学生さんよりも先生方のウケを取ることにあるのだから(完全に趣旨を誤っている)、まずは成功といえる。

 だが、体罰の話しをしたときに、指示棒(これも朝思いついてシャツの胸ポケットに差していった)を振り回したら、S先生が両手のひらを上に向けて僕のほうに差し出してこられた。僕は意味がわからず、対処できなかったのだが、後でお聞きしたところ、アフリカの小学生は差し出した手のひらを叩かれるという形で体罰を受けるのだそうだ。つまり、格好のネタ振りをしてくださったわけで、それをスルーしてしまったのは僕の落ち度としかいいようがない。また、H先生は、前回のネタのほうが面白かったとのこと。芸の道はかくも長く、厳しいのである。

 オリエンテーション終了後の流れで、T先生、Y先生、H先生とスコーラムに行っておやつにミルクレープを食べる(他の先生方は昼食がまだだったのでお食事)。今日ご一緒できなかった方も含め、「社会学の基礎」を担当される先生方は、本当に素敵な人ばかりで、大好きである。自分の担当回以外も、潜り込んで授業を聴いてみようと思っている。

 5時限に「社会学概論」の初回オリエンテーション。こちらは僕ひとりで担当する半期科目。教室の机とイスは中学校のようなスチールと木製の天板のタイプで、42人がびっちりと埋まっている光景は大学の授業という感じがあまりしない。こちらではいたってまじめな話しをし、ごく簡単に終わる。こういうキャラクターも演じていかなければいけない。「ジキル&ハイド」の物語は、ジキル博士だけでは決して成立しないのである。

 夕方5時40分から委員会の会合。30分ほどで片づくような会議が、延々2時間近く続いた。どっと疲れる。7時半過ぎに研究室に戻り、冷蔵庫から最近お気に入りの「野菜たん(べじーたん、と読む)」を取り出し、一気に飲み干す。

 スコーラムでケーキを食べた折りに、H先生から鍋のお誘いをいただいたので、I先生、I先生のお弟子さんのS君と一緒にH先生のご自宅にお邪魔する。さっぱりしていて、シンプルだが、味わい深い鍋で、たっぷりいただく。最後のうどんも実にうまかった。I先生、H先生、S君のピアノを聴いたり、ピアニスト内田光子のDVDを観たりと、普段縁のない音楽的な空間に身を置きつつ、いろいろとおしゃべりができて実に楽しかった。こんな形での交流は、今まで経験できなかったことで、僕にとってはうれしい限りだ。

 日付が変わって2時過ぎに帰宅。1週間て長いなあ、と思いながら過ごした第一週が、ようやく終わった。