昼食を摂り、午後からのTuesday実習のため、附属中学校へ。学生さんたちの授業を記録するため、ビデオを担いでいく。いや、そんなたいそうなものでもなくて、カバンにコンパクトなカメラを入れ、三脚を持参するだけ。授業準備の間にセッティングをして、あとは回しっぱなし。休み時間もカメラを止めることはせず、そのまま記録し続けることにしている。
写真と同様、ビデオも液晶モニタを覗いているといろいろな発見がある。実習生のクセ(悪い意味ではなく)とか、退屈してきた生徒が発する暗黙のサインとか。だから直接授業風景をみるよりも、モニタを通じてみているほうが面白い。
休み時間になると、カメラに興味を示した中学生が寄ってくる。今も撮ってるんですか?と聞かれたので、そうだよ、休み時間の行動も貴重な記録になるから全部撮ってるよ、と答える。ところが、少しして走り回っていた生徒がコードに足を引っかけて、コンセントが抜けてしまった。おかげで前半の部分の映像がパーになってしまった。実習生が注意するかと思ったが、何もいわないので、僕も黙っておく。「恒常的教育実習」なんだから、こういったところにも目配りできるといいのになあ、と思う。
後期のT実習は、授業の準備や技術という点ではかなりのレベルにあることが、門外漢の僕でもわかる。ただちょっと気がかりなのは、協議の場面で議論される内容が座席の決め方であったり、おしゃべりをしている生徒への注意喚起であったり、個人的には些末な論点にばかり向いてしまっているように思えることだ。今日の授業などは、そもそも授業のプロットにかなり問題があった。そういった点をなおざりにしてしまうようなこの実習のあり方には、やはり疑問を感じざるをえない。
宿舎に戻り、1時間ほど眠る。頭痛はほぼ治まった。7時ちょうどに大学に着くように車で大学へ。明後日の授業の準備に取りかかる。今年度の後期は木曜日に授業が集中しているので、準備のための時間の配分がちょっと難しい。すでにわずかな貯金は使い果たして、自転車操業になっている。
帰りがけに音楽家(←誤変換ではない)のI先生と「Cherry's Bar」に寄る。大学院生の指導の話しなどをする。僕など院生を指導教員として受け持つなんて何年先のことなのか、見当もつかないが、院生本人よりも教員のほうが「みえて」しまったとき、どう対処するかは確かに難しいところだ。それが押しつけになることもあるし、そんな押しつけを望む院生もいれば、いやがる院生もいる。学部生の指導とは全然違った難しさがある。
先生がスミ・ジョーの「オンリー・ラヴ」というCDを貸してくださった。帰りの車の中で聴く。ミュージカル「ジキル&ハイド」の「Someone Like You」と「ミス・サイゴン」の「I Still Believe」がいい。また舞台が観たくなってきた。