◆ 前回乗せた写真と同じ場所の偏光顕微鏡写真を示します。偏光顕微鏡についてはこれまでも説明しましたが,今回も簡単に説明しておきましょう。偏光板(下方から進行してきた光の一方向に振動する光のみ通過させる)を試料台の上下に置き,光の振動方向を直交させます(画面の水平と垂直方向:クロスニコル状態)。このため,試料のない場所では暗黒になります。しかし,光学的に異方性のある試料(長さ方向と垂直方向の屈折率したがって光の進行速度が異なる試料)を置きますと,方向により光の進行速度が異なるため目に入るときには光路差を生じます。このため試料は明るく見えるようになります。
◆ 今回の写真を見ると分かるように,ネコヤナギの毛は明るく見えています。したがって毛の長さ方向と垂直方向の屈折率が異なることが分かります。この結果はネコヤナギを構成する高分子鎖(おそらく多糖類)が長さ方向に配列していることを示しています。毛がある程度の強さを発揮するには分子鎖が長さ方向に配向する必要があるためです。また透明であるということはこの高分子鎖が光の波長より小さい微細な結晶を形成しているか,または結晶を形成していないかのどちらかです。この点は広角X線回折法などの方法で調べないと確認できません。なお,偏光顕微鏡写真の原理なのですが,水平および垂直方向に配向した毛は暗くなります。
◆ ついでに付け加えておきますと,セルロース,キチン,コラーゲンなど天然に産生する繊維では,分子鎖が長さ方向に配向し,しかも結晶性であることはよく知られています。
撮影日:2011.3.2
ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭
◆ 今回の写真を見ると分かるように,ネコヤナギの毛は明るく見えています。したがって毛の長さ方向と垂直方向の屈折率が異なることが分かります。この結果はネコヤナギを構成する高分子鎖(おそらく多糖類)が長さ方向に配列していることを示しています。毛がある程度の強さを発揮するには分子鎖が長さ方向に配向する必要があるためです。また透明であるということはこの高分子鎖が光の波長より小さい微細な結晶を形成しているか,または結晶を形成していないかのどちらかです。この点は広角X線回折法などの方法で調べないと確認できません。なお,偏光顕微鏡写真の原理なのですが,水平および垂直方向に配向した毛は暗くなります。
◆ ついでに付け加えておきますと,セルロース,キチン,コラーゲンなど天然に産生する繊維では,分子鎖が長さ方向に配向し,しかも結晶性であることはよく知られています。
撮影日:2011.3.2
ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭