田口孝夫 絵手紙旅日記

絵手紙を通じ素敵な出会いと感動の旅を重ねる田口孝夫のブログです。(申し訳ありませんがコメントなどへのお返事はできません)

2月15日 草津温泉にて

2015年03月06日 | Weblog

上野駅で思い思いの駅弁を買い込んで。12時10分発の草津号に乗車。列車が動きだすとおもむろに弁当を開いて「イヤーッ!!出かける時いいー天気で良かった」と。「ううーん。これおいしい!!」と言いつつ…車窓に流れる風景に目をやりながら…。今年の早春二人旅(?)は草津温泉へ。雪はどんなだろう?あの湯畑は?と期待に胸がふくらみます。冬枯れの田園風景はなんだか淋しくて…。来る春を待ちわびてるみたい。高崎を過ぎたあたりから見えてきた山並。「おおっ!!あの山は?」と冬晴れの空にくっきりと。榛名山かな?

 

「わあーっ雪!!ユキ!!」列車が長野原草津口に着く頃、空から雪が舞い降りて窓から雪景色が。中国から来た観光客の家族らしくお母さんがカメラをかまえ子ども二人にポーズをとらせて盛んにシャッターを押しています。草津口からバスに乗り換え、一路草津温泉へ。どんどん山奥へ走るに連れ雪は激しくなって、あたりはまっ白の雪の山。枯れ枝に積った雪もいいもんだ。バスが草津温泉に着く頃は吹雪になってもう外は雪国!!バスターミナルはすごい人で。ビックリ!!ホテルの送迎バスに乗り込んで宿に着いたのは4時過ぎ。露天風呂に入って雪景色を眺めるのはいいーもんですよ!!(ハハハ…)ゆったり…ゆっくり。そういえばバスの中であの唄が流れてましたよ。♫草津よいとこ~♫一度はおいで~♫ドッコイショ~♫

 

草津温泉2日目。終日自由行動なのですが…草津の街を案内してもらえるツアー(?)があるというのでお願いする事にしたのです。「イヤーッ!!皆さん!!今日は素晴らしいお天気で良かったです。これから案内しますが2時間近くかかります。足元がすべりやすくなってます。転ばぬよう注意して下さい」昨日の吹雪はうそのよう。ほんとうにまっ青な青空が広がってもう清々しい雪景色。遠くに目をやるとなんと!!雪の白根山が!!わぁー!!絵になるなぁ…と思いつつもここは団体行動。まずは光泉寺にお参りをして。境内の右側に小さなお堂。雪が屋根を覆い隠して。わぁーっ!!これも絵になる、それに「遅咲如来」が奉ってあるそうで「これから花を咲かせたいかた。もう一花咲かせたい方は是非お参りして下さい」と。もう…しっかり手を合わせましたよ(ハハハ)

そしてここからの「湯畑」の眺めがまたいい!!長い下りの階段が続いてて。その下り口右側に「鐘桜」がありましてね―「つきたい人はどうぞ」と。つき方まで教えてもらい心を込めてつきましたよ。ゴーン!!と。何だか心が清められるような気がして。そしてこの階段を降りるのが一苦労。何しろ雪が積っててすべりはしないかとおそるおそる。「湯畑」は湯煙が立ち込め観光客で賑わってます。一番の人気スポットなのでしょう!!案内の方が「湯畑」のまわりを囲う地面を見て下さいと。「これは岡本太郎さんが瓦を使ってデザインを考案されできたものです」「ヘーッ!!そうなんだ」と。それも瓦を立てて実にユニーク(すべり止めにもなってるらしく)湯畑を囲む石柱にはここを訪ねた有名人の名が刻んであって「前田利家」「岡本太郎」「山下清」「谷内六郎」たくさんの作家や画家、文学者の名前が。そして「ここが一番昔ながらの草津温泉の名残りのある通りです」案内の方が。うーん確かに何といってもあの松の木がかっこいい!!それにこの古いお宿の街並。絵になるねぇー。で、午前中しっかり案内してもらったおかげで午後はここぞ!!と心に決めたスケッチポイントでスケッチ三昧。でも寒くて…。(ハハハ)

 


2月10日 書道博物館にて

2015年03月06日 | Weblog

 

20代の頃新宿に住んでた時がありましてね。「中村屋」の「カリーライス」はおいしいと言うので何度か食べに行った事があるんです。あの中村屋の看板が中村不折の揮毫によるものだったとは!!それにあの「信州味噌」の文字も。ヘーッ!!そうだったの…と。(何??知らなかったのと笑われそうですねハハハ)

月刊誌の12月号で紹介されてた「中村不折と明治の文豪たち」というのが心にひっかかってましてね。書道博物館へ。

 

中村不折―僕の歩いた道―後編が開催中。一歩足を踏み入れ目にした不折の「千字文」楷書・行書・草書と書き分けてありましたけど…この書体に釘づけ(?)何と言うかうまく表現できなくてもどかしい感じなのですが心が引っ張られるのです。そして更に「龍眠帖」を目にして。その文字構成(?)に魅力を感じましてね…。しばし離れられず…やっぱ本物を「視る」ってスゴイ事なんですね…。

 

この「龍眠帖」不折が体調を崩し療養中にリハビリのつもりで書いたものだそうで―それが河東碧梧桐の目に止まり出版されるに至ったとか。今まで「中村不折」という人は未知の人でしたが…いろいろ展示物を拝見して「画家」であり「書家」でもあったのですね―。小さい頃から画家になる夢を追い求め、極貧の中でさまざまな苦労を乗り越えて自力で自分の思いを実現していった人なんですね。

 

本の挿絵を書いたり、その挿絵を通して新聞の挿絵を書く事になり編集長だった正岡子規と出会い、「新聞絵の元祖は僕だ」と―自伝―に書いてありました。夏目漱石の「吾輩ハ猫デアル」の挿絵も手がけたのですね。「挿絵のおかげで発売20日にして完売!!」のお礼の漱石からの手紙も展示してありました。森鴎外も不折のファンだったそうで親交があったのですね―。

 

今まで全然知らなかった事を本物を目にして「知る」って事はチョッと世界が広がるようでうれしい!!もんです。不折の企画展を一巡した後本館へ。イヤーッ!!そしたらもうこれは「視る」の世界ですね。石碑あり、仏像あり、俑あり、センあり、瓦当あり、青銅器あり―と。じーっとアレコレ視てましたらね…。何だかこう…ムズムズしてきて。ハガキにスケッチできないかなと急いで受付へ。

 

そしたら「鉛筆だったらよろしいですよ。でも四時半で閉館しますので…」とのこと。時計を見たら3時半過ぎてる。まだ時間はある!!それーっ!!ってなもんです。(ハハハ)中に大センの文字のおもしろいのがありましてね…。実にその構成が。とにかくハガキにおさめてみようと。急かれる思いで鉛筆を走らせましたよ。久し振り(?)充実の時間をもらったような気分になって。