MARUMUSHI

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片渕監督への手紙。

2017-06-16 21:35:57 | 映画日記
#この世界の片隅に

この作品の200万という数字は凄い。本当におめでとうございます。
初日、初回、そしてあのテアトル梅田で観劇できたことがなんとなく嬉しい。

そこに水を差すようだけれど、『この世界の片隅に』はあの時代のほんのワンシーンを切り抜いただけだということは忘れちゃいけないと思う。たくさんの人に観られたからこそ、あれだけが戦争じゃないと認識しなきゃならない。すずさんのような人、家族は確かにいたと思う。
原爆の火に焼かれた人。
水木しげるが描いたようにガ島で飢え死にした人。
特攻で死んでいった人。
もっともっとたくさんの戦争の姿がある。
事実は真実の重ねあわせでしか見ることが出来ない。でも真実を全てを知ることなんて出来ない。もちろん歴史の大きな流れを知ることは出来る。でも僕たちは、その中にいた市井の人たちの戦争の事実を知ることは出来ない。
『この世界の片隅に』を作るために片渕監督は図書館なみの資料を集め研究したときく。それだけの努力を講じてもなお、『この世界の片隅に』は不十分なのだ。

偉大な作品だからこそ観覧者に多大な影響を与える。だから、少し偏りのある意識を植え付けてしまうかもしれない。
『この世界の片隅に』を観て、舞台となった街を観に行く人たちも多いようだ。良いことだと思う。
触れて、感じて、考えること。僕らが戦争を知り、この先の日本をどう操舵していくか。
共謀罪で世間は騒いでいるけれど、適用の仕方がどうあれ、一度行使されれば、かなり暴力的な仕打ちが待っているのは事実。国を守るために、犠牲を強いるか。人を守るために、危険を犯すか。戦争は守るために起こる。すずさんが生きた時代、彼らは何を守ろうとしたのか。それをじっくり考える良い機会じゃないかと思う。

あと1カ月もすれば、学校が夏休みになる。
色々な街の公民館などで『この世界の片隅に』を上映して子供たちに考える機会を与えてあげればいいのにな、と思う。
難しいかな?
監督、プロデューサー。何とかならないですかね?
この世界の片隅を担っていく新しい世代のために。


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