MARUMUSHI

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『MY BACK PAGE(マイ・バック・ページ)』。

2011-05-31 12:17:46 | 映画日記
『MY BACK PAGE(マイ・バック・ページ)』を観てきた。

1969~1972年を描いた作品。
学生運動が下火になりはじめた時代。
ジャーナリストの玉子と日本の革命を目指す男の出会い。
違う立場にいながら、彼らは1つの時代のスクリーンだ。
何かを成したいはずなのに、何も成せなかった世代。
学生運動って、あれだけ派手なことをやっておきながら、なんの成果もでなかった。

革命という言葉に酔った若者と彼等を利用しようとした大人たち。
体制への抵抗のつもりだったかもしれないが、今、そんなことを言ったり、続けている人なんてごく少数であることからも、単なるお遊びだったと言わざるをえない。最悪の場合、運動に参加していた人が会社を継いだり、公職についたりなんて冗談も大概にして欲しい。
そして、もっと馬鹿馬鹿しいのはそんな彼らの作った社会が今の社会で、その社会に放り出され、彼らの後始末をし、老後の面倒までしろと言われているのが俺たちの世代になりそうだ、という事実だ。

映画の最後。
ジャーナリストとしての道を絶たれた男が、小さな居酒屋で昔の友人と再会する。
友人がいう。
「まぁ、いいか。生きてりゃな」
それを聞いて男は泣く。笑いながら涙を流す。
自虐であり、達観であり、慙愧でもある涙だ。

あの時代の終わりに、彼と同質の涙を流せた人がどれだけいたんだろうか?と俺は今の世情の中で、疑問に思う。



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