MARUMUSHI

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『アイアムアヒーロー』。

2016-05-03 22:50:52 | 映画日記
『アイアムアヒーロー』を観てきた。

ゾンビ映画。
ゾンビというのは、
死んでいて、
異常な身体能力を有し、
見境なく人を襲い、
感染し、
頭を吹き飛ばさない限り止める事はできない。
そう、モンスターだ。
世の中がそのモンスターに満たされたとして、その中でモンスターでないということは果たして幸せなことなんだろうか。でも、残された人はモンスターになりたくないと逃げ続け、立てこもり、戦い続ける。
生きるためになんでもする、どんな手段でも使う、ZQN以上のモンスターになってでも。

少女はなぜ完全なZQNにならなかったんだろう?
なぜ、初めて会った男を信頼したんだろう?
不思議な子だ。
半分だけZQN。異常な身体能力。異常な回復力。でも人を襲わず、死んでもいない。意識もある。ネコ缶だけど食事もする。
彼女は男に会う前に何か大事な物を無くしているんだろう。生きることに強く拘っていない。でも、男といることを「悪くない」と思った。
男が彼女を半分引き留めたのだ。
「僕が君を守るから」
だから男を助ける。守ってもらうために。

迷いの中、キリキリと螺子を巻くように男の中の正義が定まる。
そして、銃をZQNに向ける。
助ける存在を可能な限り守るために。

累々と横たわる死体の上に光差す。
その中に独り立つヒーロー。
これがヒーローの姿だというのなら、僕はもうただの英雄に戻ろう。
だけど、それでも、「僕が君を守るから」。