くすり屋さんの独り言in北京

ヤクザ・イシ(石原 洋一)のブログです。環境・自然に興味あり。最近、中国の環境問題にシフトしました。

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2010年10月21日 16時55分19秒 | Weblog



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私たちは、昨日、1017日が国際貧困根絶の日であることを認識しています。 
先住民族にとって、貧困は、私たちの土地、領域、そして水域の喪失によって 
もたらされます。 
領域と資源がなければ、私たちの文化、伝統的知識、生計、発展の権利、そし 
て精神的なアイデンティティは深刻な危機にさらされます。 

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本条約締結国がわたしたちの存在意義や重要性を無視することを、わたしたち 
は認めることができません。 
1992
年に本条約が交渉され採択された時、わたしたちの先住民族としての存在 
と重要性も、わたしたち自身の領域に対する責任も、十分に考慮されてはいま 
せんでした。 
過去20年のあいだに、多くの議論を経て、私たち先住民族に関する問題が少し 
は意識されるようになりました。それゆえ、わたしたちはこれまでの部分的な 
進歩について、条約締約国のみなさんに感謝したいと思います。 
しかしながら、「第三次グローバル生物多様性展望報告書」は、2010年に向け 
ての目標が達成されていないという、決定的で有害な証拠を示しています。 
そして、Akwe: Konガイドラインが守られてこなかったということは、先住民 
族にとって重要な目標を2010年までに達成できないということを意味します。 
もし生物多様性と先住民族の権利の保護において積極的な成果を生みだすため 
には、より多くのことがなされなければなりません。 
締結国会議は、先住民族の権利が条約および関連する機関において定着するよ 
うに確保する責任があります。 
わたしたちは、みなさんが自分自身のために設定した目標を達成できなかった 
ことを、重ねて指摘したいと思います。 
もし、わたしたちや先住民族の重要な役割とアイデンティティを無視すれば、 
みなさんの失敗は続くことになるでしょう。 

――――――― 

わたしたちは、先住民族の権利、利益、そして必要がこの会議における全ての 
決定を通じて考慮され、そして組み込まれることをCOP10に要請します。 
わたしたちは、計画および意思決定、実施のすべてにおいて、その最初から全 
面的かつ効果的に参加しなければなりません。そしてこの役割は合意文書に明 
確に反映されなければなりません。 
条約の実施におけるこの非常に重要な局面において、生物多様性条約における 
議論が先住民族の権利と利益に関わる際、先住民族が必ず参加することを 
COP10
は保証しなければなりません。 

(仮訳:COP10先住民族ニュース取材班/市民外交センター)      

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4)先住民族共同声明の多言語リソース 
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生物多様性条約COP10開始にあたり、生物多様性に関する先住民族国際フォー 
ラム(IIFB)は声明を発表しました(先住民族共同声明)。 

日本語 このブログのひとつ前のエントリーです。 
英語  http://bit.ly/cop10stm 
スペイン語 http://bit.ly/cop10stmS  
ロシア語 http://bit.ly/cop10stmRus 

日本語訳は、越田さん・木村さん・青西さんがすごい集中力で一気に翻訳、細川 
は訳語の相談にのったくらいでほぼ傍観、、、 

今朝の本会議でボリビアのアイマラ民族、マリア゠エウヘニア・チョケさんが読み 
上げる筈だったのはスペイン語です。午後の記者会見では、パナマのクーナ民族の 
エステバンシオ・カストロ゠ディアスさんが英語版を読み上げました。ロシア語は、 
カムチャッカ先住民族のタチアナさんが英語から訳出。 

記者会見では、記者さんたちからの質問に応じて、エステバンシオさんからの補足 
説明に加えて、共同で記者会見にのぞんだCBD Alliance(海外NGOの連合体)のク 
リスティーヌさんも、先住民族との対等な協議が生物多様性条約の根本精神に関わ 
るだけでなく、生物多様性保全のためのさまざまな取り決めの実施・評価にあたっ 
ても決定的に重要であることが指摘されました。 

COP10
先住民族ニュース取材班 
(
文責:細川 弘明


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5)COP10開幕! 
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18
日、いよいよCOP10が始まりました。会場は朝から騒がしく、色々な国籍の 
方々が散見されます。先住民族関係者も続々と会場入りし、IIFBはもちろん各 
国のCOP10関係者はそれぞれの仕事に専心しています。サイバーカフェは人で 
ごったがえし、みなさんはスクリーンとにらめっこしています。 
オープニングセレモニーが10:00から始まりました。笛と影絵のパフォーマンス 
の後、日本の環境相、愛知県知事をはじめとして、各国の要人による開会の挨拶 
が行われました。外交辞令(?)なのか、終始美辞麗句、理念が語られ、シニカ 
ルになった人も少なくないはず。これから繰り広げられるであろう水面下での交 
渉、各国各地域各団体間での主張の衝突、利益配分を巡る折衝を感じさせないそ 
のスピーチには、どこか違和感を覚えつつも、とりあえず無事に名古屋で開催が 
宣言されました。 

オープニングセレモニー終了後にIIFBの開会声明が脱稿し、市民外交センターは 
その翻訳作業に追われました。先住民族準備会合で真摯に話し合われた内容が文 
言として形となり、それを翻訳する上では、ひとつひとつの文言の解釈をめぐっ 
て何度も検討を重ねる必要がありました。というのも、先住民族の意思、意図、 
そして情熱を正確に表現しなければならないからです。 

最終的に仕上がった原稿は、15:00から国際会議場で催された記者会見における 
基本文書となりました。ここではIIFBやその他の市民団体が公式な立場を表明し、 
先住民族の主張は主に、自分たちの土地や伝統的知識等に関する権利を当然のこと 
として有していること、そして、国際社会の意思形成過程に参画する必要性があ 
り、かつそれが保証されなければならない、ということに焦点が当てられている 
ように感じました。 

15:00
からは作業部会が始まりました。準備会合においてあらかじめ役割分担が決 
まっていた先住民族は、それぞれの作業部会に出席し、ロビイングや交渉をするこ 
ととなります。私が出席した「山岳地帯の生物多様性」の作業部会では、先住民族 
が国の代表と交渉している姿がみられました。先住民族は締約国ではないというハ 
ンディキャップや、交渉のノウハウや細かい文言を巡る解釈といった技術的な問題 
も当然にありますが、体力勝負な面も多分にあるのが国際会議だなと感じました。 

夜には環境省主催のレセプションが開かれ、みんな食事や談笑を楽しんでいました。 
社交場での華やかな一面と、会議室での地味で地道な一面とが交錯する国際会議は、 
まるで国際政治における希望と絶望が交錯しているようにみえなくもありません。 

COP10
先住民族ニュース取材班 
(
文責:中島嘉紀

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