「残念…」ウルトラマンランド閉園に惜しむ声
2013年02月15日 熊本日日新聞
9月1日の閉園を発表したウルトラマンランド(荒尾市)は、発表翌日の15日も家族連れや園児らが訪れた。チケット売り場には閉園を知らせるチラシが張られ、来園者は「思い出の場所だった」などと惜しんだ。
同ランドは1日4回のショーをメーンに、写真撮影や誕生日イベントなどヒーローと直接触れ合える。同日も朝からウルトラセブンら3体が子どもたちと握手を交わしていた。
初めて来たという神奈川県川崎市の新井勇雄さん(40)は長男雄人君(4)と親子でファン。「息子はウルトラマンに会うのを楽しみに来た。来年も来たかったが残念です」。毎年、遠足で来るという福岡市の保育園関係者は「思い出の場所でした」と絶句した。
中国・上海から家族旅行中の山内圭さん(39)は「上海でもコンビニでおもちゃが売られ、映画が上映されている。中国の観光客が期待できたのではないか」と話した。
高田昌範施設長(36)は「17年間この地でやってきた。ウルトラマンランドを記憶に残してもらえるようなイベントを考えたい」と話していた。(小野由起子)
ウルトラマンというヒーローは、
なぜ40年以上の長きにわたって愛されてきたのか。
天草五橋と同じ年に生まれたヒーローが。
宇宙からやって来た巨大ヒーローが、
地球の平和を乱す大怪獣や宇宙人と戦う。
そういう黄金パターンを生み出したためか。
それだけではないだろう。
特に初代ウルトラマンを見てみると、
単なる勧善懲悪ものではないことがわかる。
なかには正義の意味を問うエピソードもいくつかあった。
いちばん典型的なのが、ウルトラシリーズ最大の問題作
「故郷は地球」だろう。
もとは地球の宇宙飛行士だったジャミラが、
ある星へ降り立った。
その過酷な環境のために、彼の肉体は怪獣となっていった。
国家のメンツのために見捨てられたジャミラは、
国家、いや人類への復讐のために、
地球に「還ってくる」。
自分たちが戦っている怪獣が、ジャミラという地球人であることに衝撃を受ける科学特捜隊のメンバー。
イデ隊員にいたっては戦いを拒否しようとする。
しかし、科学特捜隊の上部組織・パリ本部の下した命令は
「ジャミラを、宇宙から来た怪獣として始末せよ」という非情なものだった・・・
暴れ回るジャミラに対して、イデ隊員が言い放つ言葉が泣ける。
「ジャミラてめえ、人間らしい心をなくしちまったのかよう!」
このあとのストーリーについては、ぜひ本編を見ていただきたい。
もちろんこういった問題作ばかりではなく、
サスペンスタッチのストーリーもあれば、
ハードな戦闘アクションあり、
コミカルなタッチのストーリーありと、
(だいいちヒーローに変身する男が、ベータカプセルと間違えてスプーンを取り出すなんて、それまでのヒーロー物ではありえなかった)
とにかくウルトラシリーズはバラエティに富んでいたのだ。
そしてその初代ウルトラマンのテイストは、あとのシリーズにもしっかりと受け継がれていったと思う。
もちろんそれだけではない。
怪獣や宇宙人たちも、基本的には一回だけの登場であるにもかかわらず、
実に魅力的な造形だった。
その完成度の高さは、ほかの巨大ヒーロー物の怪獣や宇宙人と比べればわかるだろう。
ウルトラマンランドは閉園になるけれども、
ウルトラマンは永遠だ。
2013年02月15日 熊本日日新聞
9月1日の閉園を発表したウルトラマンランド(荒尾市)は、発表翌日の15日も家族連れや園児らが訪れた。チケット売り場には閉園を知らせるチラシが張られ、来園者は「思い出の場所だった」などと惜しんだ。
同ランドは1日4回のショーをメーンに、写真撮影や誕生日イベントなどヒーローと直接触れ合える。同日も朝からウルトラセブンら3体が子どもたちと握手を交わしていた。
初めて来たという神奈川県川崎市の新井勇雄さん(40)は長男雄人君(4)と親子でファン。「息子はウルトラマンに会うのを楽しみに来た。来年も来たかったが残念です」。毎年、遠足で来るという福岡市の保育園関係者は「思い出の場所でした」と絶句した。
中国・上海から家族旅行中の山内圭さん(39)は「上海でもコンビニでおもちゃが売られ、映画が上映されている。中国の観光客が期待できたのではないか」と話した。
高田昌範施設長(36)は「17年間この地でやってきた。ウルトラマンランドを記憶に残してもらえるようなイベントを考えたい」と話していた。(小野由起子)
ウルトラマンというヒーローは、
なぜ40年以上の長きにわたって愛されてきたのか。
天草五橋と同じ年に生まれたヒーローが。
宇宙からやって来た巨大ヒーローが、
地球の平和を乱す大怪獣や宇宙人と戦う。
そういう黄金パターンを生み出したためか。
それだけではないだろう。
特に初代ウルトラマンを見てみると、
単なる勧善懲悪ものではないことがわかる。
なかには正義の意味を問うエピソードもいくつかあった。
いちばん典型的なのが、ウルトラシリーズ最大の問題作
「故郷は地球」だろう。
もとは地球の宇宙飛行士だったジャミラが、
ある星へ降り立った。
その過酷な環境のために、彼の肉体は怪獣となっていった。
国家のメンツのために見捨てられたジャミラは、
国家、いや人類への復讐のために、
地球に「還ってくる」。
自分たちが戦っている怪獣が、ジャミラという地球人であることに衝撃を受ける科学特捜隊のメンバー。
イデ隊員にいたっては戦いを拒否しようとする。
しかし、科学特捜隊の上部組織・パリ本部の下した命令は
「ジャミラを、宇宙から来た怪獣として始末せよ」という非情なものだった・・・
暴れ回るジャミラに対して、イデ隊員が言い放つ言葉が泣ける。
「ジャミラてめえ、人間らしい心をなくしちまったのかよう!」
このあとのストーリーについては、ぜひ本編を見ていただきたい。
もちろんこういった問題作ばかりではなく、
サスペンスタッチのストーリーもあれば、
ハードな戦闘アクションあり、
コミカルなタッチのストーリーありと、
(だいいちヒーローに変身する男が、ベータカプセルと間違えてスプーンを取り出すなんて、それまでのヒーロー物ではありえなかった)
とにかくウルトラシリーズはバラエティに富んでいたのだ。
そしてその初代ウルトラマンのテイストは、あとのシリーズにもしっかりと受け継がれていったと思う。
もちろんそれだけではない。
怪獣や宇宙人たちも、基本的には一回だけの登場であるにもかかわらず、
実に魅力的な造形だった。
その完成度の高さは、ほかの巨大ヒーロー物の怪獣や宇宙人と比べればわかるだろう。
ウルトラマンランドは閉園になるけれども、
ウルトラマンは永遠だ。