地方自治体として初めて、夕張市が破綻して丸一年。
今週には、予算部不足から除雪の費用を賄えず市唯一の屋内プールが崩壊する。
最盛期の10分の一に縮小した人口(40%以上が65歳以上の高齢者)と600億円の負債で破産状態に陥った、真の原因とは、なにか。?
国のエネルギー政策転換で、夕張に君臨した大資本・北海道炭鉱 (北炭・三井系)と三菱大夕張炭鉱が閉山する。
市は、撤退する三井系の北炭や三菱マテリアルや松下興産が所有していたスキー場ホテル等の全ての設備、土地、債権をすべて買い上げた。
北炭は、炭鉱病院 (今マスコミが 「市立病院」 と呼んでいる) を40億円の赤字を抱えたまま市に買い取らせた。
上下水道施設も買い取らせ15億円もの復旧費用を市に押し付けた。
炭鉱住宅を市営住宅に建て替えさせられた。
しかも北炭は市に払うべき鉱山税61億円を踏み倒した。
すべては夜逃げする巨大財閥企業の残した負債を、夕張市が肩代わりして、首を切られた鉱員たちの退職金や未払い賃金の支払いをするため。
閉山後の処理に市が費やした買取額などの総額は583億円。
市は観光施設を次々と建設。90年には自治省(現総務省)から「活力のあるまちづくり優良地方公共団体」の大臣表彰を受けた。
夕張市の借金は、見通しのないまま観光開発事業などに多大な投資を行ってきたことが原因と報道されるが、すべては国策として進められてきた。
しかし突如政府が産炭地交付金を廃止、地方交付税も3年間で23億円も大幅に削減した。
北炭の借金をすべて買い取った夕張市に対して、助ける約束を破り、国が反対に破綻に追い込んだ。
国と大炭鉱資本の悪行は、まさに「わが亡き後に洪水よ来たれ」 の資本家魂の典型例。
夕張の惨状は日本の縮図。(田中康夫のメッセージ)
奇しくも夕張市の人口を1万倍すると日本国の人口。同じく夕張市の負債を1万倍すると日本国の借金。石炭産業の栄枯盛衰に翻弄された夕張市の惨状は、決して特殊な事例ではないのです。
どころか、政府のみならず全国の自治体が抱える借金も加えれば、夕張市以上の負債を一人ひとりの日本国民は背負っている事になります。
にも拘らず、放漫経営のツケは夕張市民が払うのが筋だ、と北海道庁や総務省は傍観者の姿勢なのです。それって、違うんじゃないか。現場主義と直接対話を掲げる新党日本は3日、4日の両日に亘って夕張市を訪れました。
夕張市立総合病院には現在、内科と整形外科に2名の医師が勤務するのみ。他科は週1回、札幌や旭川の大学病院から医師が訪れ、産婦人科に至っては閉鎖されています。医師を確保せねばと東奔西走する担当者と面談し、これこそは道庁が主体的に取り組むべき業務、と改めて痛感しました。
故に長野県では県の担当部署がリーダーシップを発揮して、大学や農協の医療機関から中山間地域の病院へと医師を始めとするスタッフを派遣する制度を整えました。夕張市単独では解決し得ぬ問題なのです。
のみならず、閉山に際し、炭鉱会社が経営していた病院を引き継いだのが、件の市民病院です。而も、その際に国や道からの支援は皆無に等しかったのです。
説明を加えます。“一山一家”で全てを賄ってくれていた炭鉱会社から、医療に留まらず、様々な住民サーヴィスを引き継ぐ際、それらは国策だった燃料政策の転換で生じたにも拘らず、何れも夕張市の負担でした。
炭鉱会社からの事業の引き継ぎで生じた、本来ならば国や道も協力すべきだった負の原資を一手に引き受けざるを得なかったのが、夕張市の転落の発端です。
他方で、町興しの一環として観光事業に取り組むなら、起債(借金)は幾らでも認めるよ、と甘い言葉を国も道も囁きます。建物と道路と公園の建設にしか起債を認めない、日本のハコモノ行政の弊害です。
観光事業こそ夕張に未来を齎す新文化産業、と広告代理店や金融機関も甘い言葉を囁き、雪だるま式に負債は膨れ上がっていったのです。
士族の商法が成功する訳もなく、無用の長物と化したハコモノ文化施設の残骸が全国に点在しています。まさに、夕張の問題は全国の縮図なのです。
財政再建団体へと転落する自治体とは、会社更生法が適用された企業と同じです
。とするならば、主要債権者の国や道や金融機関が中心となって再生計画を立案し、株主であり社員である市民に説明し、実行に移すのが筋です。
ところが、国も道も金融機関も、破綻した会社の役員(市役所)が再建計画を作成するのを傍観しているのです。加えて、債権者は損切りを行うでもなく、負債は社員(市民)が全額返済すべし、とニベもないのです。国と道が起債を許可し、金融機関が貸し付けに同意したにも拘らず。
更には、財政破綻の発覚から半年を経ても猶、道知事も副知事も夕張市に足を踏み入れていないのです。既に夕張市民は棄民化、難民化させられているのです
似たような奴は幾らでもいるもので,何と県庁などの公務員の中にも予算を取ることに精を出す輩もいる.西日本の某過疎県での話.元々は農地にする目的で作った海岸の砂浜.ところが知事が替わると工事予算が凍結され,余計な予算を使うなと命令.ところがまた知事が自治省から天下りしてくると,観光が大事だ,高速道路や国道を作り,遊園地を作ろうなどとバカな周囲のおだてに乗った.世間知らずの知事はまんまと乗せられた形である.しかも,美術館の学芸員が昔の殿様の家系で,知事さえ頭が上がらない(笑) となれば,その学芸員が遊園地をプロデュースすることに.かくて,膨大な予算が注ぎ込まれた遊園地は1年もたたないうちに閉鎖となったのであった(笑)
ところが,地方病院の部長クラスの医師たちは臨床のプロであって,教育のプロではありませんから,レジデントたちが押し寄せてきても困る訳です.午前中は部長クラスの医師たちは外来で忙しく,レジデントたちは先輩医師たちに連れられて病棟で実習をしたり,講義を受けたり,救急車に乗ったりします.だから部長先生たちの最先端の講義を受けたり回診について回るのは午後遅くになってしまうのです.
要するに,副部長や部長クラスの管理職たちに異常なほどの負担が掛かってしまうため,会議などでつまらない言葉の言い間違いが起こり(半分寝てますから),そのせいで特定の診療科が大学病院へ逃げるという事態も全国あちこちで起こっています.医者も人間ですから,自分の健康を優先したいという気持ちも分かって欲しい.
そういう意味では現在の医師教育のアメリカ式のやり方は,教育病院をきちんと整備しなかったためのツケが回ってきたものだと言えるでしょう.(大ていは各自治体の公立大看護学部の実習棟がある,自治体の巨大病院が使われていますが) 何でもアメリカのマネをするのが良い訳ではありませんが,韓国のように医学部を8年制にする必要はあるかも知れません.(医学部に入ってくる学生の知能や知性が余りにも劣っているためもある.京大なんかは典型的ですね)