逝きし世の面影

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いけいけどんどん リニア新幹線+株価2万円=テンションMAXで月面軟着陸を目指す日本

2015年04月22日 | アポロ11号・宇宙開発
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月面探査機「SLIM」の想像図(JAXA提供)

『本当はアベノリスクだった、「いけいけどんどん」アベノミクスの危ない中身』


今ではほぼ死語になっている『いけいけどんどん』の語源については、薩長の軍事クーデターの明治維新後の富国強兵政策と強く結びついた言葉で、使われ始めたのは日清戦争の前後。日本が近隣のアジア諸国に対する侵略戦争を推進する軍部のスローガンのようなものだったと言われている。
1ヶ月前の2015年3月14日JRの北陸新幹線が金沢まで開業し、東京金沢間は今までより1時間20分早い2時間半で結ばれる。
しかし鳴り物入りで大宣伝した北陸新幹線の賑わいも一瞬にして終り、今では空席ばかりが目立ち、以前と同じ水準に戻っている。JRは旅行客では無くて空気を運んでいるのが現状である。
いくら大都市間の東海道新幹線が大もうけしているからと言って、人口が減り続ける過疎地の新幹線が営業的に成功するなど夢のまた夢。デフレ経済でパイの大きさが縮小しているのに新しい過剰なインフラ投資で利益を出すことはなく『いけいけどんどんのアベノミクス』は危ない妄想である。
JRは4ヶ月前には世界で初めて大都市間(東京品川と名古屋)を40分で結ぶリニア中央新幹線が着工している。
景気回復を擬装するアベノミクス目的で老後の年金資金まで惜しげもなく株式市場に投入する。
実体経済はマイナス成長でも公的資金を賭博につぎ込んだ効果は覿面で株価2万円の大台を回復した。久々のミニバブルで、海外のハゲタカファンドや日本人投資家のにわか成金が続出している。
『強い日本』を演出したい安倍晋三(日本政府)の暴走は止まらない。今度は月面への軟着陸を成功させると言い出したから驚いた。もちろん、成功すればめでたい話だが、今までの成り行き(延長線上)ならほぼ間違いなく失敗が約束されている。

『3年後の2018年に日本初の月面軟着陸』

4月19日付け産経新聞によると、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が日本初の月面着陸機を2018年(平成30年)度に打ち上げるという。
見出しが『日本初の月面着陸機、30年度に打ち上げへ』なので、てっきり2030年度だと思ったら西暦では無くて、元号の平成30年の意味だった。(元号は過去や現在を示す場合には問題が無いが、高齢で病気持ちの今上天皇が永遠に生きるなど有り得ないので将来の表記は不適当)
産経新聞によると、政府の宇宙政策委員会が夏までに正式決定する見通しで、旧ソ連、米国、中国に続く無人の月面探査機での軟着陸に挑むという。
20日に開かれる宇宙政策委の小委員会と文部科学省の有識者会合で、JAXAが月面探査機「SLIM」(スリム)の計画を説明。
打ち上げに使用するのは液体燃料のH2ロケットではなく固体燃料の小型ロケット『イプシロン』5号機で内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げる。
開発費は打ち上げ費用を含め100億~150億円程度のスリムはデジタルカメラの顔認識技術でクレーターの位置を認識し、誤差100メートル以内に正確に着陸する技術の獲得を目指すとという。

『とんでもなく困難だった月面への軟着陸』

無人探査機による月面着陸は1966年(昭和41年)2月3日旧ソ連のルナ9号が世界初の軟着陸に成功する。着陸地点は「嵐の大洋」。
当時宇宙開発では世界の先等を走っていた旧ソ連ですが、軟着陸に成功したのはルナ13号ルナ16号ルナ17号ルナ20号ルナ23号ルナ24号、他はすべて失敗している。
地味な月面軟着陸ですが、派手な有人宇宙飛行に比べて桁違いに難しかったのである(ちなみに人類最初の宇宙飛行は月面軟着陸の5年も前の1961年のガガーリンのボストーク1号である)
ソ連に遅れをとったアメリカも1966年から1968年にサーベイヤー計画(Surveyor Program)で7機を打ち上げ5回月面の軟直陸に成功。(1966年9月20日のサーベイヤー2号と1967年7月14日のサーベイヤー4号は失敗)
中国が三番目に2013年12月14日嫦娥(じょうが)3号が月面軟直陸に成功する。(ただし、探査車玉兎を下ろした途端に一切の情報が遮断)インドも数年以内の実現を目指すというが多分無理。
中国は月面軟着陸の10年も前の2003年に神舟5号で宇宙飛行に成功して以来宇宙遊泳やドッキングなど宇宙開発で確実に技術向上の実績を積んでから、月面軟着陸に挑んでいた。
日本は2007年(平成19年)月周回軌道に『かぐや』を打ち上げ、『次のステップとして月面軟着陸が待たれていた』と産経新聞記事では書いているが、大きな勘違いであろう。
超大国の面子をかけて死に物狂いで争ったソ連や米国でも有人宇宙飛行の成功から5年もかかった。中国では10年かかったほど月面への軟着陸は難しい。
自力で有人飛行を成功していない日本が、ぶっつけ本番で月面軟着陸に成功する可能性は限りなく低い。
日本は2005年(平成17年)に探査機『はやぶさ』が重力がほとんどない小惑星『いとかわ』に超短時間接触した実績はあるが、月の様な重力が地球の数分の1と比較的大きい天体への着陸計画は今回が初めて。
月面軟着陸は激突した分も含めても世界で十数回しかない極めて珍しい画期的な出来事である。
将来の火星探査に向け技術を蓄積する狙いもあるらしいが、大気がある火星と大気が無い月では条件が違い、困難さは桁違なのです。(ブログ記事冒頭に掲げたJAXA提供の想像図のように真上から降下するのではなく、大気が無い月面では音速の数倍以上の月周回軌道上からの月面軟着陸となる)
これ以外にも月面探査を競う国際コンテストで、日本の民間チームも来年後半に米国のロケットで月に探査車を送り込む計画だが着陸機は米国だのみ。宇宙ベンチャー企業のスペースX(SpaceX)のファルコン9ロケットで米フロリダ州から打ち上げる計画だが成功する見込みは薄い。

『日本にとってめでたいのか?』

今から4ヶ月前の2014年12月17日最高時速500キロで、東京(品川)と名古屋の間を40分で結ぶリニア中央新幹線が着工され、13年後の2027年の開業を目指すと発表している。
世界に例のない技術を導入した東海旅客鉄道(JR東海)の偉大な事業なのか、それともJR東海の見果てぬ夢、一度も本来の目的の北方の遊牧騎馬民族の侵入を止めらなかったが何故か2000年も造り続けた中国の万里の長城的な愚行中の愚行なのか。
それとも技術的には素晴らしかったが実施時期を間違えて営業的には大失敗した空飛ぶ貴婦人の異名の超音速旅客機コンコルドの再来なのか。
4ヶ月前のJR東海単独でのリニア新幹線着工の見切り発車と、今回のJAXAの月面探査機スリムの打ち上げは『日本にとってめでたいのか。それとも、めでたくない(不吉)のか?』議論は分かれる。
NHKは2014年12月26日 (金)『時論公論 「リニア中央新幹線着工 期待と課題」』で中村幸司解説委員が『環境への影響』や『工事費の問題』、『安全性の向上』など数々の疑問点を列挙する。
計画では、品川-名古屋間の工事費は、5兆5235億円。2045年に大阪まで延伸した際の品川-大阪間の工事費は、合計9兆300億円。それをJR東海単独で負担するという。

『めでたくない(不吉)のか?』

日本は今後の人口減少が確実視されている。
今までに例が無い未知の領域に踏み込むリニアの工事費が想定内で納まる見込みは薄い。長時間の工事期間で経費が膨大に膨らむ例は枚挙にいとまがない。
東京(品川)名古屋間は40分で今の「のぞみ」に比べて、およそ50分の短縮になるが9割は地下深くのトンネル。丸っきり人間ダストシュートである。
リニア新幹線着工には本来ならもろ手をあげて賛成する筈の日本経済新聞までが成功を密かに心配しているのである。
心配は当たり前で、世界ではドイツの技術を導入した中国の上海中心部と空港とを結ぶ短距離のリニアが営業しているが、JR東海の様な長距離で、しかも全線超深度の地下トンネルの例はない。
維新の橋下徹が関空と大阪駅を結ぶリニアを主張するが採算面で誰も着工しない。
同じように成田空港と東京都心とのリニアの計画も採算面が折り合わず着工できない。
都心と空港との短距離でも採算性では無理がある。ましてやもっと長距離のリニア中央新幹線は採算面で無理の塊で、今回の見切り着工は無茶苦茶である。
4ヶ月前のJR東海のリニア着工は問題点を含めてマスメディアが揃って大きく報道した。
ところが、今回のJAXAの月面探査機スリムの打ち上げの方は、ほぼ産経新聞の独占状態なのです。(他の報道機関は小さく報じるだけ)
今の日本で初めて月面着陸SLIM(スリム)を手放しで喜んでいるのは、日本軍従軍慰安婦や南京大虐殺を否定する『日本は悪くない』との靖国史観の歴史修正主義、頭が空っぽで目が節穴のネットウョと産経新聞だけとは縁起が悪過ぎる話である。(自分たちが迂闊にもアメリカの『トラの尻尾』を踏んでいることに少しも気が付かない愚か者)
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