もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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黒執事2 ルカアロ&悪魔でクリスマス後編

2011-12-24 00:02:01 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事Ⅱの設定を基に、二次創作として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。





         黒執事Ⅱ ルカアロ&悪魔でクリスマス後編





自称サンタクロースの若い男子は咳(せき)ばらいをし、寝室の扉をゆっくりと開けた。

「ルカ、アロイス。」

二人の名を呼んだ。ケルベロス二匹は後ろに礼儀正しく控え座って居る。 ルカとアロイスは眠って居る。ハンナは扉の前を見ると驚く。

「そう驚くな。しかと、ハンナそなたの願いは聞きどけた。寝室に進み出しても良いかの??」

若い男子はハンナを必要以上に怯(おび)えさせない様に、優しく言い入室を求めた。

「貴方(あなた)達は??」

ハンナはベッドに横になっており、隣で眠って居るルカとアロイスを不安げに抱きしめた。フレイアに手紙でサンタクロースの事は頼んだが誰が来るとは聞いてなかった。

「わしは神でサンタクロースだ。と、ケル…… 」

若い男子がそう言うのを、遮(さえぎ)る様にケルベロスが言う。

「我らは、このサンタクロースを運ぶ神獣(しんじゅう)だ。フレイア殿の約束を果たしに来たと言おう。」

会話をしてるとルカが眠たげに目をこすり起きた。

「ハンナママ、だれとおはなしてるの??あのひとはだれ??」

「ルカ、良い子にしてたか?? わしは、サンタクロース。」

若い男子がそう言うとルカは目をぱちぱちさせ喜びの声をあげた。アロイスはハッと目を覚ました。

「誰だよ、お前ら。」

「だから、サンタクロースだ。よぉし、着替えろ。今からパリまで空を飛んで行くぞ。」

「おい、パリまで何百キロあると思うんだ。勉強して来いよ。空を飛ぶ??」

アロイスはサンタクロースを小馬鹿にし言う。サンタクロースは気にもしてない。

サンタクロースとケルベロス二匹は、さっき屋敷に入ったバルコニーへ向かう。トンプソン達とクロードは追いかけ。

ハンナはルカとアロイスを出掛ける為に二人の着替えを始めた。自分も付いて行くので着替えた。バルコニーへ三人も向かった。




バルコニーにはケルベロス二匹がおりソリを牽(ひ)いて、ソリには若い男子が乗って居た。三人の姿を見て手招きし呼ぶ。

ルカははしゃぎ、ソリへ乗る。アロイスは怪しみながら乗る。ハンナは嬉しいそうに乗った。

「ちゃんと寒くない様に着込んで来たな。よぉし、行くぞ!!」

「おう。」

ケルベロスは二匹は返事をするとバルコニーの塀(へい)を軽く飛び越え、空へ高く舞い上がって行く。



ソリはひゅんひゅん風を切り、雪が飛び舞い散る。


幾(いく)つものの山や川に街を飛び通り越し、パリへ。


「サンタクロースさん。すごいよ。」

ルカは若い男子にしがみつき言う。アロイスはそんなルカを大事に後ろから抱きしめて居る。ハンナはアロイスの横。

「プレゼントもあるのだ。」

「プレゼントあるってよ。ルカ、良かったな。」

「ぼく、プレゼントいらない。サンタクロースさんきてくれたもん。サンタクロースさん、あかいようふくじゃないけどうれしい。」

「来年は赤い服装で来てやんよ。」

「素直で良い子だな、ハンナ。そなたの行(おこな)いと心がけは聞いておる。」

ケルベロスはご機嫌でそう言う。

ハンナは涙ぐむ。




クリスマスと言うのでパリの街は華やぎ、人々が出歩いて居るのが上空でも良く見える。パリ上空を飛び回る。





はしゃぎ疲れたルカとアロイスはうとうと眠り始めた。


「寝たか。子供達が喜んでくれたなら、わしはそれで良いのだ。」

「我らもだ。」

「うむ。」





屋敷のバルコニーへ帰宅した。

クロードとトンプソン達が帰宅を出迎えた。

「わしらは、ここで退散(たいさん)するぞい。では、プレゼントは寝室に用意してあるから渡してくれい。では、ルカと約束したから、来年は赤い服装で来るからな。」

「はい、その様にお願いします。来年もお待ちしております。」

ハンナはルカを抱きかかえ正体不明の神である若い男子に一礼をした。クロードがアロイスを抱きかかえた。

ケルベロスはまた、バルコニーの塀(へい)をひょいと軽く飛び秒速で去って行く。ソリに乗った若い男子は手を振る。



ハンナとクロードは寝室へ向かった。




      黒執事Ⅱ ルカアロ&悪魔でクリスマス the end

黒執事2 ルカアロ&悪魔でクリスマス中編

2011-12-24 00:01:01 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事Ⅱの設定を基に、二次創作として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。





         黒執事Ⅱ ルカアロ&悪魔でクリスマス中編





屋敷の2階のバルコニーに人影と四本足の生き物が二匹。人影はバルコニーのドアを叩く。トンプソン達がひそひそと三人で耳を寄せ合い話して居ると蝋燭(ろうそく)を燈(とも)しクロードがやって来た。

「ほぉ。これがサンタクロースか。」

クロードは眼鏡(めがね)のブリッジに手をやり触る。

黒いロングコートを羽織(はお)り黒革のブーツ。男性は背は高く深い栗毛色の短い髪で、なんとも幼い顔立ち。クロードは油断し自分よりも格下と思った。



「やれ、開けえい。」

「真夜中に不躾(ぶしつけ)な来客とは。貴殿、の様な者は……」

外の四本足の生き物は全身は毛足は長く白銀。フサフサで立派な鬣(たてがみ)を生やし百獣の王であるライオンの様にも見える。二匹は雪道を滑るソリを牽(ひ)いており、身体を揺らしソリの金具を解除した。


「フレイア殿の頼みだから、この様な用件を引き受けただけだ。ほう悪魔だ、そちは何をしてるのだ。」

「悪魔は我々を中に、招き入れる気はなさそうだな。ほれ、中へ入るぞ。」

二匹に言われ若い男子はクロードを気にせず言う。

「おうよ。しかし、聞き分けのない悪魔よのう。子供達が寝てるからそっとな。」


クロードは気がついた。人間達には地獄の門番と言われ、畏(おそ)れられるケルベロス二匹だった。外の来客達はクロードの返答を気にもしてない。クロードは男性の正体を突き止め様とした時に、自動ドアの様にバルコニーのドアがひとりでに動き開いた。

トンプソン達は攻撃もせず、男性とケルベロスを見た。

「お前達、何をして居る!?」

「わしはサンタクロースだ。分かったなら、ハンナと子供達が居る場所へ案内しれ。」

「貴殿の様な無礼者を案内する事は、ない立ち去って頂こう。」

「やい、クロード。わしはな、約束は果たす男だ。そこを退(ど)けい。」

クロードは見ず知らずの若い男子に、自分の名前を呼ばれ驚く。 その瞬間に男子と二匹は音も立てずに屋敷の中に居る、クロードの背後に姿を移動させた。

「逆らうと、どうなるかわかるな??」

若い男子は人懐(ひとなつ)っこい笑顔で言いながら、クロードの首に腕を廻しグイっと力を込めた。

クロードは苦い顔をし背後の若い男子を睨む。

「わしは神で、名前は─────── 今日はサンタクロースと言う事にしとけ。良いな??」

二匹のケルベロスは屋敷の空気の匂いを嗅(か)ぐと、ハンナ達が居る寝室を探(さぐ)り当てた。

「今日は特別の日だ。無礼を赦(ゆる)せ。我らも、この様な事はそうない。ハンナに敬意(けいい)を捧ぐ。悪魔でありながらら、なんとも慈悲(じひ)深い事よ。」

ケルベロスの一匹はそう言うと、もう一匹と若い男子はうんうんと確かにと言いながら頷(うなず)く。

クロードの首から腕を離すと一人と二匹はさっさと歩き出し、ハンナ達が居る寝室へ向かう。トンプソン達はひそひそと話し案内した。

クロードは後を追いかけた。



そして、ハンナ達が居る寝室にたどり着いた。黒衣のサンタクロースは扉をノックした。

黒執事2 ルカアロ&悪魔でクリスマス前編

2011-12-24 00:00:01 | 腐女子の御伴
※この小説はアニメ黒執事Ⅱの設定を基に、二次創作として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。






         黒執事Ⅱルカアロ&悪魔でクリスマス前編





広大な敷地には立派な屋敷が建っており真っ白な雪が降り積もる。



広い子供部屋には天然のもみの木でクリスマスツリーが飾られており。幼い兄弟は見渡しの良い曇りガラスの窓から雪を眺めた。




「にぃ、きょうはサンタクロースさんは、きてくれるよね??」

「あぁ。ルカが俺とハンナの言う事を聞いて良い子にしてるから、絶対に来るさ。」

寝室の暖炉(だんろ)は消されてるが、温められおり二人の服装は寝巻姿である。


寝室の扉がノックされる。軽やかな音なのでハンナとわかる。

「入れ。」

アロイスが言うと扉が開き、ハンナが入室して来た。ハンナは寝巻姿で穏やかに微笑(ほほえ)んだ。

「ルカ、サンタクロースには、お願いをしました??」

「うん、ハンナママしたよ。」

ルカはハンナの事をハンナママと呼ぶ。アロイスは気恥ずかしいのでハンナと呼ぶ。







───────12月のある日─────────────



ルカとアロイスは学校へ、通っており二人が帰宅した。

馬車を走らせ居るのは、クロードで馬車に乗って居るのはルカ、アロイス、ハンナ。

いつもなら、元気よく学校での出来事をルカが話すのに元気がない。アロイスとハンナは心配し、話しをするが何もないとルカは言うだけ。


夕食になりルカ、アロイス、ハンナは席に座りテーブルを囲む。クロードは執事なので夕食を作り運ぶ。

「にぃとハンナママ、あのね。」

「おう、どうした学校でいじめられたか??」

「もし、宜しければ聞かせくださいませ。」

クロードはルカを見つめた。

「うん、サンタクロースさんは、いるよね。ほかのともだちは、サンタクロースさんいないていうんだもん。ユリアンとぼくはいるっていうとね……ほかのともだちはいないっていう。」

「サンタクロースかぁ。」

アロイスはルカより年上なのでサンタクロースは、大人が作った想像上の人物と理解して居るので居ないと思っている。しかし、それを言うとルカが傷つき哀しむ。

アロイスは両腕を組みうーむと唸(うな)り考える。ハンナはアロイスの判断を待つ。

「ルカ、安心しろサンタクロースは居るぞ。」

「えぇ、私も、サンタクロースは居ると思います。」

「うん。いるよね。」

ルカははしゃぎ喜ぶ。ルカの悩み事を聞き解決したので、アロイスとハンナは一安心した。夕食を楽しく食べ終わり隣の部屋でくつろいで居るルカとアロイスにハンナ。



「にぃ、ハンナママ。あのね、おねがいがあるの。」

「どうしたルカ。」

「ルカの、お願いとは何でしょうか。」

「サンタクロースさんにあいたいの。サンタクロースさんとおはなししたい。」

「サンタクロースは忙しいからなぁ。あっちこっちの子供達にプレゼントを、配らないといけないから忙しいはずだぞ。」

「プレゼントはいらないから、サンタクロースさんとおはなしをしたいんだもん。」

「いいかルカ。サンタクロースは寝てる時に来るんだ。」

「ねないでまってる。」

「ハンナ、サンタクロースに連絡してみるか。」

「サンタクロースにですか??」

「みんなでサンタクロースさんにあおうね。」





そして今日はクリスマス。

何だかんだ言いながらも、アロイスもサンタクロースが居ると信じて居る。ルカの望み通りにサンタクロースが来客する事になった。

ハンナがフレイアに手紙を書き送ると、フレイアから返信があった。フレイアからの手紙にはルカの約束を果(は)たすと言う事だった。


「サンタクロースさんは、えんとつからくるのかな。」

「とりあえずは、クロードとトンプ達が寝ずの番でサンタクロースを出迎えるから心配するな。俺達はベッドで待って居れば良い。」

風呂もしっかり入り三人は大きく広いベッドに入り横になった。部屋の明かりを消した。

ルカはベッドに横なって少しすると寝息をたてて眠る。アロイスも眠くなり寝てしまった。ハンナは悪魔なので眠る事は必要ないが瞳をとじた。



真夜中になり雪の降りがいちだんと深くなったその時に、サンタクロースは来客した。