※2009/2/14 「世界はニャーでできている。」は移転しました※
世界はニャーでできている。~過去ログ~




「ぺろり。」


という訳で、前日のロケハンで訪れたこの場所へ再び徒歩一時間、AM4時起きで真っ暗な中とぼとぼ行きました。街灯が無いとこんなにも何も見えないんだなあと初めて知りました。

到着後ほどなくしてうっすらと明るくなって参りましたが、前日とは何かが違う。
そう、雲が多すぎる。
この日の天気予報は、晴れのち雨。朝のうちは晴れだということで見切り発車でやってきましたが、曇りの合間の晴れ的な感じでもう。
雲で富士山が見えないよ!

そして前日のロケハン時もそうだったのですが、富士山をバックに写ってくれるねこが居ない。ここに居てくれたらなー、っていう場所に、ねこのねの字も見つからない。某有名動物写真家の富士山ねこ写真では、確かにここにいたのに。環境の変化ですかねそれとも「今のおまえにはまだ早い」とかいう判断を下され、ねこが登場してくれないのか。

しばらく徘徊していると、雲の切れ間から富士山が見えるように。そして絶好の撮影ポイント近くにねこの姿が!
あっちにいけー!あっちにいって、塀の上にのぼるんだ!と、呪いにも似た念を送り続けましたが、逆に徐々にこっちへ近づいてきました。だめだ。
発想を変えて角度を変えて、この時点での、できうる限りの富士山ねこ写真を撮りました。これです。






だめだこりゃ


ガードレールがじゃま!仮設トイレがじゃま!
そして何より、丁度陽が雲に隠れてしまい、ねこに光があたらない為ねこが見えない!更に富士山も霞んでる!
これ以上明るくすると富士山が見えなくなるし、これ以上暗くするとねこが見えなくなる、ギリギリの妥協点がここでした。ムキー!
雲海に浮かぶ富士山は良いと思うのですが、なんというか、某有名動物写真家の方と比べると、自分はこの位置なんだなと受け入れました。
これから経験を積んで、その進捗次第で徐々に素晴らしい富士山ねこ写真を撮れるようになってゆきたいと思います。


やがて富士山も全く見えなくなり、もう諦めてここいらのねこ達を無我夢中で撮ると決めました。
そのうちに、とりあえず今回に限っては、富士山ねこ写真はどうでも良いと思えるようになりました。




あたたかい陽ざしがこねこの元へやってくるまで



「だんだん近づいてきたのニャ・・」



「もうちょい・・・もうちょっと!」



「あったけー!」



超クールなイケメン表情



なんだこれは。どういう状態だ。


さっきから同じこねこばかり撮っていますが、勿論他のねこも沢山撮っていますよ。



慎重に。石橋を叩いて渡るタイプ。



「おみずまで、あとすこしニャ!」



急にこちらへ向けて飛んできたので対応しきれず、ピントが奥に合っている残念な一枚



ここの一団で、いちばん人なつっこくて動じなかったねこ。熟睡中。


昨日もお会いしたねこボラさんが、ごはんをあげにいらした所にお会いしました。
ここの子たちは、色んな人にごはんを持ってきてもらって、茂みの中にねこハウスをつくってもらったりと、シアワセなんだとのこと。
勿論避妊去勢手術を施し、不幸なねこが増えないよう考えて下さっています。
確かにずーっと写真を撮らせてもらっていると、ひっきりなしに色んな人がごはんを持ってくる。
その度にみんな、シッポをぴんと立てて、嬉しそうに駆けて行く。
冬の寒さは心配だけど、これなら安心だね。シアワセなんだねと嬉しくなりました。
ここへねこをすててゆく人間に対しては怒りがこみ上げてきますが、良い人もいるんだと安心しました。





食いっぱぐれはしません




ここよりちょっと離れた場所、林道を散歩していたら、群れずにひとり、通りすがる車や人や犬を眺めるねこがいました。
近づけば逃げてしまうであろうと、遠くから望遠で狙い、徐々に近づいてゆきました。



「なんニャおまえ!」


恐る恐る歩を進めて行き、あと2メートルという距離まで近づいたとき。
なんと逃げるどころか大歓迎ムード。足(スネ)にごちーんと頭突きをくらいました。
その後なにやら、ついてこいとばかりに林の中を突き進みます。
時折こちらを振り返りながら、行く先にある木などにいちいちスリスリしながらどんどん歩いて行く。
案内されるがまま、ついて行きました。



「ちゃんと、ついてきているニャか?」



「こっちこっち!」


そして辿り着いたは林道のベンチ。
嬉々として飛び乗り、ごろんごろんし始めました。一体何がしたいのか。



「ここ!ここー!」



「うっとり・・・・・!」


ひとしきりベンチでこの子をなで回しまくり、尻叩きを調子に乗って延々続けていたらねこパンチを食らったりしてしばらく過ごしました。



「なぁーお、なぁーお」

時折下の方へ降りて行き、何かを呼ぶような声で鳴いていたと思ったら、またこっちに駆け寄ってきて撫でれと催促してみたり。
勝手にこのねこにまつわるストーリーを考えていたら悲しくなってきて、一層この子がいとおしく感じてみたりしてその分なで回しまくってみたりして。






この写真を撮ってから、俺は自分のズボンに付着した植物を手で払っていましたその時間十数秒。
ふと見ると、このねこの姿はもう見える場所には居ませんでした。
完全なる消失。あれ?まぼろし?

まあ本当のところは、ごはんがやって来たので颯爽と目にもとまらぬ速さで駆け抜けて行ったという感じなのでしょうが、なんともキツネにつままれたような、タヌキに化かされたような、不思議な体験でした。


ねこ達ももうハウス内などで昼寝タイムに入ってしまったし、こちらも雨が降ってこないうちに引き上げようかと帰路を歩み始めた途端に雨降ってくるし、傘は持ってないしで一時間、雨に濡れながらトボトボ歩いてゆきました。
帰りの新幹線の時間を変更してもらおうとしたら、なんかグリーン車の喫煙席しか残っていないとかいう事だったので、鈍行で帰る決意をしてみたり。
湘南新宿ラインって便利ですね!せっかくなのでグリーン車を初めて利用してみたり。750円プラスでこの快適を得られるならすごくお得です。新幹線に比べたら。浮かれて駅弁なんか買って食べちゃいました。めずらしく。



また近いうちに、あの子たちに会いにゆこう。
そして「富士山ねこ」のリベンジを。
そう思い、年末にまた訪れる計画を立てています。
原付で。

・・・無謀ですかね。さすがに箱根超えは避けて、箱根山の北を迂回する予定でいますが。あの斜面がアイスバーン化してたら、ノーマルタイヤの原付などスケートをしに行く(死に逝く)のと同じですからね。
片道150kmという距離は、既に100km(休み無し3時間)を余裕で経験している身としては、何でもない気がするんですけどね。
(ただあの時は夏。今度は真冬、という違いはあれども)

という訳で、乞うご期待。いや、あまり期待しないで下さい。


今回も沢山のねこ達へ。ありがとうございました。

2008秋:ねこ旅 完





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