週刊池上彰と学ぶ日本の総理 平沼騏一郎・阿部信行・米内光政
いよいよ戦争です。その時首相はどう動いたのか。
平沼騏一郎
岡山生まれの司法官僚出身の首相です。
明治21年(1888)東京帝国大学法科卒業。大正元年(1912)検事総長。10年(1921)に大審院長に就任。
12年(1923)第2次山本内閣司法相となります。
翌年貴族院議員に勅選、枢密顧問官に任命され、また同年から復古的日本主義を唱え、国本社を主宰します。
国本社は平沼騏一郎が会長を務め、副会長に東郷平八郎、山川健次郎が就任しています。右翼勢力の拡大に尽力しました。
のち枢密院副議長、議長を歴任ご、昭和14年(1939)首相となりました。
戦後A級戦犯として終身禁錮刑となった。
阿部信行
石川県生まれ。陸軍軍人出身の首相です。
昭和3年(1928)陸軍次官となり、浜口内閣では宇垣一成陸相を補佐。宇垣が病気不在の間、陸相臨時代理に就任。
以後、第4師団長、台湾軍司令官をつとめめます。
8年(1933)陸軍大将、軍事参議官。14年(1939)首相兼外相となるが、4ヶ月余で総辞職しました。
陸軍出身ではありますが、日独伊三国同盟の締結を棚上げし、日中戦争の処理に全力を挙げる姿勢を見せるなど、陸軍部内から支持を失いました。
米内光政
岩手県生まれ。陸軍出身の阿部に代わり、海軍軍人出身です。
海軍大学校を卒業後、日露戦争に従軍。昭和11年(1936)連合艦隊司令長官、翌年林内閣の海相、海軍大将となり、第1次近衛内閣、平沼内閣では留任。
15年(1940)1月組閣し首相に就任しました。
陸軍とそりが合わず、同年7月総辞職。小磯内閣で海相に復帰後、鈴木、東久邇、幣原の各内閣の海相を歴任し、太平洋戦争終結と戦後処理にあたりました。
池貝流総理のポイントです。
平沼騏一郎 司法会出身の総理
阿部信行 陸軍との調整役
米内光政 日独伊三国同盟に反対
［特集情報］
２７号 平沼騏一郎（第３５代総理大臣 美作国（岡山県）出身） 阿部信行（第３６代総理大臣 石川県出身） 米内光政（第３７代総理大臣 岩手県出身）
［出版社情報］
【２７号】
＊平沼騏一郎・阿部信行・米内光政
第２次世界大戦勃発 対米交渉が緊迫
◆平沼騏一郎・阿部信行・米内光政 総理誕生
◆池上流総理のポイント どんな政治家か
◆平沼騏一郎 その人物像と業績
国民徴用令で挙国一致体制を確立
◆平沼・阿部・米内３内閣が苦慮した対米関係
◆交友交際図
◆阿部信行 その人物像と業績
「政治的無色」を買われた陸軍軍政畑の長老
◆平沼騏一郎・阿部信行・米内光政
追跡！総理５６７日
◆写真で見る世相 昭和１４年（１９３９）
パーマネント廃止
◆米内光政 その人物像と業績
日独伊三国同盟に反対し、早期終戦に尽力
◆米内光政の宿敵 東条英機
◆男の引き際 米内光政
みずからの手で海軍の歴史に幕を下ろす
◆リーダーの魅力
広田弘毅の名言・揮毫・人間力
◆連載 総理の秘密 池上彰
総理の英語力は？