ある数学愛好者のひとり言

数学好きな私がひとり言をつぶやきます。

最小多項式とジョルダン標準形

2024-06-09 00:00:18 | 数学・数学教育

2024年6月9日(日)

 

 n次正方行列Aの対角化とは、n次対角行列Dとn次正則行列Pが存在して、

         {\displaystyle P^{-1}AP=D}

となるようにできることをいう。行列Aが対角化できる必要十分条件は、行列Aの固有ベクトルだけで n 次

元ベクトル空間の基底が構成できることである。このとき、それらの縦ベクトルを横に並べて正則行列Pが

できる。{\displaystyle P^{-1}AP=D}となるわけである。Dの対角成分は、行列Aの固有値となる。

 行列Aの固有値が全部異ならない場合、対角化できるとは限らない。対角化できなくても、対角化に近い

形で表現できるようにしたい、と言う要求からジョルダン標準形が考えられた。ジョルダン標準形とは、

     ジョルダン標準形

 マスオ著『高校数学の美しい物語』より引用

の形をした行列を言う。ジョルダンブロック(ジョルダン細胞)とは,対角成分に同じ固有値の値 を並べ、

一つ上の部分には 1を並べた行列のことをいう。例えば

      

については、ジョルダン細胞をJ(2,2)J(3,1)と表す。J(2,2)の最初のは固有値の2、後の

は固有値回続くという意味である。

 

 一般のn次正方行列のジョルダン標準形を求めることは計算が大変であるが、2次正方行列・3次正方行列

については、最小多項式の形から下のようになる。最初多項式さえわかれば、ジョルダン標準形が求まることに

なる。

 最小多項式については、私のブログ

  最小多項式 (2024年6月11日)

を見ていただきたい。

 

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