クロマグロのゲノム解読=養殖技術への貢献期待―水産研究センター
時事通信 7月17日(水)21時32分配信
独立行政法人の水産総合研究センター(横浜市)などは17日までに、クロマグロの全遺伝情報(ゲノム)を解読したと発表した。クロマグロの生態や行動を知る手掛かりとなり、養殖技術に役立つ可能性があるという。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載された。
同センターによると、クロマグロのゲノム約8億塩基対のうち9割以上に当たる約7億4000万塩基対を解読。計2万6433個の遺伝子を特定した。このうち、視覚をつかさどる遺伝子を詳しく調べたところ、緑や青の光の感知に関する遺伝子が他の魚類より多く存在していることが判明。海の中で高速で泳ぐクロマグロが緑から青の微妙な色の違いを認識できることが分かった。
こうした遺伝子の変化は数千万年前に起きたとみられ、マグロの仲間が出現した時期と一致。視界の多くが青い色で占められる海洋表層での生活に適応した結果と考えられるという。
研究チームには同センターのほか、東京大、九州大、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の研究者が参加している。