イヌの家畜化は欧州から? 遺伝子解析で判明
朝日新聞デジタル 11月15日(金)21時27分配信
【合田禄】人間のパートナーであるイヌは、大昔にオオカミが家畜化したものとされているが、この家畜化は2万~3万年ほど前の欧州で起きたらしいことが、イヌの遺伝子を調べて分かった。フィンランドのトゥルク大学などの研究チームが15日、米科学誌サイエンスに発表する。
研究チームは、アジアや北南米、欧州などに生息するイヌやオオカミのほか、出土したイヌ科の動物の化石など148種類のDNAを比較し、遺伝的な関係を調べた。
いま生息しているイヌの遺伝子は、欧州を起源とするオオカミや、かつて欧州に生息していたイヌ科などに近かった。アジアなど欧州以外のオオカミとはあまり合致せず、欧州で家畜化されたとみられる。
家畜化の時期は、人類が農耕を始めた後という説もあったが、今回の研究では3万2100年前~1万8800年前にすでに家畜化されていた例があり、狩猟採集していた人類が家畜化した可能性が高い。
研究チームは「イヌは人類が捕まえた獲物の残りを食べたり、狩猟を補助したりしていたのかもしれない」としている。
朝日新聞社