文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

東京五輪直前、「最も重要なのはチャイニーズ・ピープル」と誤って口を滑らしたバッハ氏に対し、

2021年08月11日 15時59分12秒 | 全般

以下は昨日の産経新聞からである。
本論文も、今、世界で最も、まともな新聞は産経新聞である事を証明している。
習近平氏を悩ます冬が来る
黒沢潤
約2年前、東京・高山川州の卓球専門店でラケットを買った。
東京五輪の混合ダブルスで、水谷隼・伊藤美誠組が倒した中国ペアの男性選手、許昕(31)が自ら製作に関わった北欧製のラケットだ。 
カーボン主体ながら、木材の打感が手に鮮やかに残る特製ラケット。
通常、バックハンドで返球するところを素早く回り込み、フォアで返す許昕の抜群のフットワークに魅了され、使用したくなった。 
試合巧者で、道具にこだわる元世界ランク1位のサウスポー。
よもや、金メダルを日本人ペアにさらわれるとは、想像もしていなかっただろう。 
許昕たちの決勝敗退は内外に衝撃を与えた。
水谷の中学時代、試合の主審を務めた北日本卓球大会兀優勝者の鈴木和好氏(62)は「通常、あり得ないこと。中国卓球界の層は厚く、対戦相手“コピー”まで作って練習する国だ」と指摘。
中国メディアも「屈辱の1日だった」と伝えた。 
決勝で起きた番狂わせは、競技人口3千万人とも言われる「卓球王国・中国」の威信を傷付けたのは間違いない.
 ■  ■ 
中国は“メンツ”にことさら固執する国だ。
南シナ海で軍拡路線を続け、経済力も増強させて、世界に冠たる国になるとの意志も堂々と披瀝する。
2015年、ニューヨークの国連総会を取材したとき実際にそれを垣間見た。習近平国家主席は議場入り囗から、お付きの数十人と隊列をなして整然と入場し、各国首脳を驚かせた。
部下数人とさりげなく入場する首脳が多い中、数の力で自国を世界に誇示するパフォーマンスだった。 
北京を一人で旅した1989年、貨物トラックに乗る男5人がこちらを指さし、「日本人、日本人」と侮るような調子ではやし立てたときも、「中国優位」の意識を感じた。
日中両国の歴史がそうさせるのか、貧しいながら国連安全保障理事会・常任理事国の一角もなす自信が背景だったか定かでないが、中国人の自意識の強さを肌で実感した。     
■  ■ 
米国とも対決し得る強国として最近、アピールする中国が来年開催する冬季五輪まで半年となった。
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長によれば、習氏は先月末までに「3億人の中国人を雪氷スポーツに参加させるようにする」と約束したという。
東京五輪直前、「最も重要なのはチャイニーズ・ピープル」と誤って口を滑らしたバッハ氏に対し、中国の絶大な存在感を改めて示した形だ。 
ただ、習指導部を待ち受ける現実は厳しい。
中国新彊ウイグル自治区の人権弾圧をめぐる「五輪ボイコット」論はなお燃え盛る。
新型コロナウイルス対策も懸念材料だ。 
東京五輪の選手村では、クラスター(感染者集団)が発生した。
北京五輪で、選手村での飲酒禁止を強要できるとは限らず、選手部屋でのマスクなしの大騒ぎもチェック困難。
コロナで危険な選手村に選手を宿泊させられないとの不満が続出したとき、どう対応するのか。
東京の検疫体制を調査する部隊を含む777人の選手団を東京大会に送ったという中国は果たして、日本から十分な知見を得たか。 
中国はコロナ発生を世界に隠匿し、蔓延させたとの責任も免れ得ず、国際社会は北京五輪開催中であっても、責任を追及し続けるだろう。 
中国は来秋、5年に1度の共産党大会を控える。
習氏は3期目を目指しており、北京五輪成功は「その重要なステップ」 (外交筋)となる。
ことはそう簡単に進むのかー。
季節は間もなく、習氏の頭を悩ます秋、冬へと移行する。


    


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